災害時、愛犬が思わぬ怪我をしてしまったら…
と心配になることもありますよね。
迅速かつ適切な応急処置は愛犬の命を救うことに繋がります。
今回は8つのケースもとに災害時の応急処置について解説します。
災害時だけでなく日常生活の中でも愛犬の怪我や体に不調をきたしている場合にも役立つ情報となりますのでぜひ最後まで御覧くださいませ。
怪我の応急処置
出血している場合
一番必要なのは止血です。出血の状態によって処置が異なります。
愛犬がパニックになって暴れてしまうと止血できなくなるので優しくなでながら声をかけて処置します。
【血がにじみ出ている(静脈出血)】
少量の血なら洗い流すだけでよいですが、にじみ出ている場合は血が出ている部分を圧迫止血しましょう。ガーゼや清潔な布をあてて数分間圧迫し続けます。
血が止まったら傷口から再度出血しないように包帯やハンカチで手当します。
【血がドクドクと湧き出ている(動脈出血)】
血が早く止まるように心臓に近い位置をタオルなどで縛り、止血します。
自宅での手当ではしみにくい生理食塩水がおすすめですが、ない場合は水で洗い流すに留めましょう。人間用の消毒液は刺激が強くわんちゃんが暴れてしまうこともあるのでおすすめできません。
打撲している場合
打撲、捻挫の軽い症状でもびっこを引く状態が続くことがあります。
素人目では骨折かの判断が難しいため極力動かさないように15分〜20分を目安に冷やし安静にさせることが大切です。
骨折している場合
悪化を防ぐために添え木ができる場合は段ボール紙や割り箸、ハンカチなどを使い固定しましょう。強く巻き付けすぎると血流が悪くなるので少し余裕を持たせて巻き、添え木が難しい場合はとにかく安静にさせましょう。
足を骨折している場合は足を引きずったり、地面につかないようにしていることが多いです。
日常生活の中でもソファから飛び降りる、飼い主さんの抱っこから飛び降りるなどして骨折してしまうこともあります。
怪我以外の応急処置
やけどしている場合
すぐに患部を冷やしましょう。
広範囲、重度のやけど、水ぶくれや赤く腫れている場合は全身の状態悪化にも繋がりやすいため緊急の処置が必要ですが応急処置として消毒や軟膏は使用せず30分を目安に流水で冷やし、保冷剤をタオルなどに包んで当てましょう。やけどした部分をラップで覆って外部刺激から守ることも大切です。
やけどの範囲が広い場合は冷やすことで低体温症を起こす可能性もあるので室温の調整や毛布などで冷えすぎないようにしましょう。
冬場ペットヒーターなどが原因で起きやすい低温やけどなどもありますのですぐに処置することが大切です。
熱中症の場合
体を冷やし、体温を下げましょう。
わんちゃんは体のごく一部でしか汗をかき、パンティングで体温調整を行いますが、気温や湿度、気道に問題があるとうまく体の熱を発散できず体温調整がうまくいかなくなることがあります。
初期症状として心拍がいつもより早い、体が熱い、口の中や舌が赤い、よだれが多いなどが見られることがあります。
冷やすポイントは全身の太い血管が通っている部位(首・脇・股部分)を冷やします。
直接シャワーで水をかけたり水の入ったタライにいれてもよいです。
冷たい水だと体がびっくりしてしまい、冷却効率も下がってしまうので、ぬるめの水からかけましょう。
お水が飲めるようなら飲ませて、飲まない場合は無理に飲ませないようにします。
脱水している場合
経口補水液を飲ませましょう。
ペロペロと舐めることができる場合は体重1kgあたり10cc以上の経口補水液をシリンジやスポイトで少しずつ頻繁に与えましょう。
低体温の場合
心臓に遠い場所から温めましょう。
カイロなどで末端から徐々に温めたりダンボールや毛布で保温しましょう。
ドライヤーが使える場合は温風で温めるのも効果的です。
安静を心がけましょう。
わんちゃんの平熱は38〜39℃前後ですが、低体温になると37.5℃くらいの状態となり進行すると命に関わることもあります。
高齢だと特に抵抗力や筋力が弱く低体温症を発症しやすいので注意が必要です。
呼吸がない・心肺停止している場合
心臓マッサージを行います。
左の肘の後ろに心臓があり、心臓の場所を大型犬であれば手のひらで小型犬であれば親指を使って10秒間で15回を目安にマッサージを行います。あまり強く押してしまうと肋骨が折れてしまうので、力加減には注意しましょう。
まとめ
災害時でない日常時でも覚えておくことで愛犬の命を守ることに繋がります。
災害時ではすぐに動物病院につれていくことができません。だからこそ、冷静な応急処置で愛犬を守ることができるよう知識をつけておきましょう。