犬用のおやつに、かぼちゃクッキーやケーキが売られているのを見たことはありませんか?かぼちゃは野菜の中でもビタミンの含有量がトップクラスで、他の栄養素も豊富に含まれています。こんなに栄養たっぷりな野菜だったら、愛犬に食べさせたいですよね。ここでは犬にかぼちゃを与えていいのか、与え方などを詳しく解説していきます。
犬にかぼちゃをあげてもいいの?
犬にかぼちゃを与えても大丈夫!
かぼちゃはウリ科カボチャ属の植物で、たくさんの品種がありますが中でも有名なのは西洋かぼちゃと日本かぼちゃです。西洋かぼちゃはホクホクした食感で甘味が強い品種の一方、日本カボチャは水分が多く、実は薄い黄色をしています。
かぼちゃといえば一般的に西洋かぼちゃのことを指していて、栄養価が高いのも西洋かぼちゃです。西洋かぼちゃは夏に収穫して、水分を抜くため2~3ヶ月程ねかせます。この期間、ねかせることででんぷんが糖分に変わっていきます。かぼちゃは栄養が豊富な緑黄色野菜なので、愛犬にも食べさせることができます。
かぼちゃに含まれる栄養素
皮膚や粘膜によいビタミンA
かぼちゃに含まれるβ-カロテンは体内に吸収されるとビタミンAに変換します。ビタミンAには抗酸化作用があるので、細胞の酸化を防いで老化予防に役立ちます。そして、免疫力を高めてがん予防も期待できます。
また、ビタミンAは皮膚や粘膜の健康維持に役立つビタミンなので、犬の皮膚を健康に保つために摂取させるといいですね。
老化予防にビタミンCとビタミンE
かぼちゃに含まれるビタミンCとビタミンEには、優れた抗酸化作用があるので犬が健康でいるために重要な栄養素といえます。この抗酸化作用には活性酸素により細胞が酸化するのを防いでくれるので、老化防止や病気になるのを予防してくれます。
ビタミンCは体内で生成できますが、歳を取っている犬や病気で体力が弱っているときは不足することがあるので積極的に摂らせましょう。
また、かぼちゃに含まれているビタミンEは若返りのビタミンと言われていて、ビタミンEの高い抗酸化作用は免疫力を高め、血管の健康を保つことで老化予防やがん予防に役立ちます。
骨の健康にビタミンK
かぼちゃには骨を丈夫にして骨芽細胞を活発にしてくれるビタミンKが豊富に含まれています。この働きは人の骨粗鬆症治療にも役立てられています。ビタミンKは人の骨だけでなく、犬の骨も丈夫にしてくれる効果が期待できます。
筋肉を正常に動かすカリウム
カリウムは神経の伝達や筋肉の収縮などに関わる健康維持のために大事な栄養素です。カリウムは細胞の浸透圧のコントロールにも多大な影響があります。汗をかくと水分とともにミネラルの一種であるカリウムも失われていきます。夏だけではなく汗をかきやすい犬には水分補給とともに、かぼちゃを餌と一緒に食べさせるといいでしょう。
また、カリウムは身体の中の過剰なナトリウムを体外へ排泄させ、血圧を健康に維持します。このように、カリウムはナトリウムとうまくバランスを取って、むくみや高血圧予防に大事な働きをしています。
腸内環境を整える食物繊維
かぼちゃには豊富な食物繊維が含まれていて、犬の腸内の環境を整える働きをします。食物繊維は腸内環境を改善することで、便秘予防・改善が期待できます。また、かぼちゃを茹でることで水分も含むため水分補給にもなります。
犬にかぼちゃを与え方の注意点
生のままはダメ!かぼちゃは種をとって茹でてあげよう
かぼちゃは生のままだと硬くて犬には咀嚼できないため、生のまま与えるのはやめましょう。
生のままあげてしまうと、かたまりが喉に詰まって窒息してしまったり腸に詰まってしまう恐れがあります。最悪の場合は命に関わることもあるので、指で押したら崩れるくらいの固さに茹でてから与えましょう。
また、種は消化に悪いので取り除いてからあげます。種に身体に悪いものが入っているわけではないのですが、取ってから茹でてあげるほうがいいでしょう。
かぼちゃをあげすぎると便秘や下痢を引き起こすので皮はすりつぶす
食物繊維が豊富なかぼちゃは与えすぎに注意する必要があります。食物繊維は適量なら腸内環境を整えて、便秘や下痢の改善に役立つ栄養素です。
しかし、犬は元々食物繊維の消化が苦手な動物なので、消化しにくい皮は取り除くかすりつぶしましょう。皮には栄養がたっぷり含まれているので、すりつぶすのをおすすめします。また、食物繊維を摂りすぎると便秘や下痢になってしまうことがあるので、あげすぎには注意が必要です。
かぼちゃを犬にあげるとアレルギーで吐くことがある
すべての食べ物にアレルギーがあるため、かぼちゃについても絶対にアレルギーが出ないとは言い切れません。そのため、愛犬に初めてかぼちゃを食べさせるときは少しずつ与えて様子を見ることが大切です。
便の様子が普段と変わらないかを確認しましょう。アレルギー症状が出たら嘔吐や下痢、皮膚や粘膜が赤くなったりかゆがることがあります。もしこのような症状が出たらアレルギーかもしれません。症状がひどくなったり治まらないようでしたら動物病院へ連れて行きましょう。
かぼちゃはカロリーが高めなのであげすぎると肥満になることも
豊富な栄養を含むかぼちゃですが、糖質が多く100g当たり約90カロリーと野菜の中では高カロリーな食材です。そのため、かぼちゃを食べさせすぎると太ってしまうことがあるので、普段の餌を少し減らす必要があります。
犬のおやつは一般的に全体の食事量の20%以内にするべきだと言われているので、かぼちゃをあげるときもこの量を意識しましょう。
かぼちゃを餌にトッピングする場合は、食事量に影響がないような量にし、1日に与える餌の量を超えないように注意しましょう。
かぼちゃを茹でるときは味付けはしない
人間の食べるものはほとんどのものが味付けされていて、犬が食べるのには適していません。かぼちゃを与えるときも人が食べるものを与えてはいけません。
かぼちゃの煮付けは砂糖や醤油などの味付けがされているので犬には不向きです。また、かぼちゃを茹でるときも塩などを使用せず、味付けをしないようにしましょう。
犬にかぼちゃをあげるときの量は?
犬にかぼちゃをあげる適量
犬にかぼちゃを与える場合、目安の量を知っておくといいでしょう。犬の身体の大きさにより量は異なりますが、5kgまでの小型犬は一口大の大きさのもので20g程が適量です。前述したように、初めて食べさせるときはアレルギーが出ていないか少量から始めましょう。
栄養満点のかぼちゃ!犬への与え方に注意して健康に役立てよう
かぼちゃは栄養満点でホクホクとした食感とほどよい甘みが特徴の野菜です。犬の体調を観察しながらかぼちゃをおやつに取り入れると健康によい影響を与えてくれます。
茹でてすりつぶして与えるのもいいのですが、犬は食べ物を勢いよく食べるため、スープにするといいでしょう。かぼちゃは皮の近い部分が栄養価が高いので、皮ごと茹でてすりつぶし、犬用の牛乳でのばしてスープにするとかぼちゃの栄養も牛乳の栄養もどちらも摂取できるのでおすすめです。また、スープは水分補給にもなりますので体調管理にも役立ちます。