ドッグフードや犬のオヤツ、手づくりご飯に使われることの多い卵。
卵は、「犬にとって理想的な栄養素がバランスよく含まれている」栄養満点の食材ですが、具体的にはどのような栄養素が含まれているのでしょうか?
今回の記事では、卵に含まれる栄養素やその働き、犬に卵を与える際の注意点まとめ、手作りレシピなど幅広い情報をご紹介します。
犬は卵を食べてもいいの?
答えを先にいうと、白身をしっかりと加熱した卵であれば犬に与えても問題ありません。
卵は犬にとってもメリットのたくさんある食べ物です。
加熱処理した卵であれば食べても大丈夫!
生卵の白身部分には「アビジン」と呼ばれるタンパク質が含まれており、この成分はビタミン吸収を妨げる危険性があります。ですが、熱には弱いので加熱処理をして与えましょう。
ビタミン吸収が阻害されてしまうと免疫力低下を引き起こし、下痢などの消化器系症状、皮膚病や感染症をはじめとした病気を発症する可能性があるからです。
白身に限らず生卵は、常温で長時間置くとサルモネラ菌が増えることがあるので、加熱して与えましょう。
卵を食べることで得られる栄養素
卵には、豊富なタンパク質を中心に犬の体が必要とする栄養素がバランスよく配合されています。
タンパク質<12.3g /100g>
タンパク質は犬にとって貴重な栄養素です。体内でアミノ酸に分解されることによって、良質な筋肉や骨、内臓、皮膚、被毛などの原料になります。
卵や肉などの動物性タンパク質は、犬の消化吸収能力に適した栄養素なので、積極的に食事に取り入れましょう。
ビオチン<25.4μg/ 100g>
水溶性ビタミン「ビタミンB群」のひとつであるビオチンは、犬が摂取した炭水化物や脂質を効率よく消化吸収するために関わる「酵素」の働きを助ける「補酵素」としての役割を担います。
また、ワンちゃんの皮膚や被毛・粘膜・神経の健康維持にも役立つ栄養素です。
セレン<32μg/ 100g>
ミネラルの一種であるセレンは、強い抗酸化作用があるとされ、老化予防や老化速度の緩和、癌予防などへの効果が期待されています。
犬の体内でセレンが不足すると、心筋や骨格筋肉の変性、食欲不振、成長の妨げなどの健康被害が引き起こされる原因になります。
メチオニン<390mg/ 100g>
メチオニンは必須アミノ酸で、体内の毒素や老廃物などを排泄する働きがあります。
メチオニンをはじめとした硫黄を含む「含硫アミノ酸」は、代謝される際に硫酸を発生させます。そのため、犬の尿を正常な酸性に保つことが可能です。
このメチオニンの作用から、DL-メチオニンとして尿路結石予防や結石治療に使用されるケースもあります。
そのほか、犬の被毛の主成分である「ケラチン」と呼ばれるタンパク質にもなるので、被毛の健康維持にも欠かせません。
脂質<10.3g /100g>
脂質は、炭水化物やたんぱく質と比較し、約2.5倍のエネルギー供給が可能であるといわれています。
脂溶性ビタミンの吸収をサポートしたり、体で合成できない必須脂肪酸の元になったりと、多くの役割を果たします。
卵の与え方と一日に与えていい目安量
卵は与え方や与える量に注意すれば犬の健康維持に役立つ食品です。適切な与え方や量をしっかりと守って与えましょう。
生の黄身・白身は与えない
生卵の白身は、前述の通りビタミンの吸収を妨げます。下痢などの消化器系症状を引き起こす危険性があるので与えないようにしましょう。
また黄身部分に関しても、菌が繁殖しやすいので加熱して与えることをおすすめします。
ゆでたまごがおすすめ
ゆでたまごは簡単で犬も食べやすいので、おすすめの調理方法です。
ゆでたたまごの黄身部分は、ビタミンをより多く残すために半熟にしても良いでしょう。
ゆでたまごを与える際は喉に詰まらせないように、細かく切ってあげましょう。
一日に与えていい目安量
たまごの1日の目安量は、体重3kgに対し10〜15g(Sサイズの卵3分の1)程度、5kgに対し25〜30g(Mサイズ卵3分の1)程度です。
与え過ぎには注意し、適量を与えるように気をつけましょう。
犬に卵を与える際の注意点
卵を与える際に気をつけるべき点は以下になります。
卵アレルギーに要注意!
卵に含まれるタンパク質は構造が大きい「高分子蛋白質」で、人間同様、犬のアレルゲンにもなりやすいです。
はじめて卵を与えるときは少量に留めてアレルギー症状が出ないか確認する必要があります。
犬の食物アレルギーの症状は、痒みや皮膚炎、腸炎による消化器系症状などです。このような症状が出た場合、すぐに獣医師に相談しましょう。
また、少量の卵を犬に与えてアレルギー反応がなくても、毎日食べ続けることでアレルギー反応が引き起こされることもあるので、注意が必要です。
与え過ぎは肥満の原因に
どんな食材にもいえることですが、与え過ぎは肥満の原因になります。
卵は犬にとっても栄養価の高い食材ですが、どんなに栄養バランスが良くても、犬の体が必要とする栄養素が全て含まれている「完全栄養食」ではありません。また、体のエネルギー源となる脂質を多く含みますが、脂質は与え過ぎると肥満の原因になります。1日に与えてよい目安量を参考に、適量を守るようにしましょう。
与えるときは味付けしない
卵を調理するときに塩を利用する方もいますが、犬に与える場合は味付けがされている人間用は与えないようにしましょう。
塩に限らず調味料は、肝臓や腎臓、心臓などに負担をかける危険性があるので、使用は避けましょう。
卵を使ったおすすめの手作りご飯レシピ
いつもいい子にしているご褒美に。飼い主さんのご飯を作るついでに。
犬の健康維持に役立つ卵を使った簡単レシピをご紹介します。
たまには手作りご飯を愛犬に…というときにぜひチャレンジしてみてください。
レンチン!卵チャーハン
※3kgの成犬1日分
★材料
・炊いたご飯(白米or玄米)30g
・卵(Mサイズ)1個
・ひき肉(鶏もも)70g
・野菜(大根・人参・キャベツ・赤パプリカ)各20g
<作り方>
1.野菜を1cm角にカットします。
2.耐熱皿に入れて材料すべてをしっかり混ぜ合わせます。
3.ラップをかけて3分(600W)ほどレンジにかけます。
4.冷まして完成です。
たっぷり野菜のオムレツ
※3kgの成犬1日分
★材料
・生卵(Mサイズ2個)
・かぼちゃ(40g)
・にんじん(20g)
・小松菜(20g)
・ミニトマト(2個)
・豆乳(無調整100ml)
<作り方>
1.犬が消化しやすいよう、野菜類を全て1cm程度を目安に小さく刻みます。
2.食材全てを混ぜ合わせます。
3.レンジに対応している耐熱容器に2を入れて、ラップをします。
4.5分間加熱します(600w)。
5.冷まして完成です。
卵は犬の健康維持に役立つ栄養が豊富!適量を意識しましょう。
卵には、豊富なタンパク質を中心に犬の体が必要とする栄養素がバランスよく含まれています。
生卵を与えるのは避け、卵アレルギーにも留意し、量をしっかりと守って犬の健康維持に役立てましょう。
ちなみに、卵黄はお口ケアに役立つとされる水溶性たんぱく質「リベチン」を含みます。
この作用を活かすべく、卵黄粉末「グロビゲンPG」を原料に使用しているワンちゃん用ふりかけが「このこのふりかけ」です。
ワンちゃんの口に入るとグロビゲンPGが汚れと結合して、お口トラブルの発生を防ぎます。
いつものワンちゃんのごはんに、このふりかけを混ぜてあげればOKです。
味はワンちゃん好みのボーロのよう。歯磨きを嫌がるとき、ドライフードを食べてくれないときのトッピングとして活用できます。
含有成分はすべて自然由来のものばかりです。愛犬にいつまでも美味しくごはんを食べてもらいたいという飼い主さんの想いに応えた商品。ぜひお試しください。
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まとめ
- 卵には犬の必要とする栄養素がバランスよく配合されている
- アレルギーや与え過ぎには要注意
- 量を守って、卵を犬の健康管理に活用しよう