犬のブラッシングの必要性とやり方を知り楽しい時間を共有しましょう 犬のブラッシングの必要性とやり方を知り楽しい時間を共有しましょう

犬のしつけ・お手入れ

犬のブラッシングの必要性とやり方を知り楽しい時間を共有しましょう

わんちゃんは毎日自分の体を舐めて被毛のお手入れをしていますよね。わざわざブラッシングする必要なんてないのでは?そんな風に思われる飼い主さんもいらっしゃるかもしれませんが、ブラッシングは愛犬の健康管理にとても有効なのです。今回はブラッシングの必要性や方法などについて、ご紹介してまいります。

ブラッシングの必要性と方法について

犬にはどうしてブラッシングが必要なの?

わんちゃんにブラッシングが必要なのは人間が毎日お風呂に入るのと同じ理由です。私たちは毎日お風呂に入って体を清潔な状態を保つことにより、病気の感染を防ぎます。身だしなみを整え、1日の節目としてリラックスする時間を設けることによりストレス解消をします。お風呂に入ると血行促進や新陳代謝の活性化などが期待できますが、同じ事が犬にも言えるのです。

ブラッシングで体被毛を整え、毛についた埃やゴミを払い、ノミ・ダニを取り除きます。抜けた毛を櫛で取ってあげる事によって皮膚への風通りがよくなり皮膚病の発生を防ぐ効果が期待できます。また、わんちゃんの健康状態を確認するためにもブラッシングは有効です。普段と毛艶が違っていたり、やたらと毛が抜けたり、あるいは普段はそこまで嫌がらないのに何故か今回だけ過敏に反応をする…等々。わんちゃんの体調の変化や異常行動などにいち早く気づくことが出来ます。愛犬の健康状態の維持と把握のためにも、頻繁にブラッシングできると良いですね。

どのくらいの頻度でブラッシングを行うべき?

できれば1日1回が理想です。とはいっても毎日のブラッシングを行うのは大変。特に長毛種や大型犬となれば「ちょっとだけやってあげる」というのも難しいのではないでしょうか。そんな時は全身くまなくブラッシングするのではなく日を分けて、今日は背中だけ、今日はおしりだけ、などという感じで行ってください。最低、週に2回ほどしっかりとしたブラッシングが出来ると良いですね。

ブラッシングに必要な道具は?

犬種・体の大きさ・被毛の種類・ワンちゃんの好み・使用用途などによって必要なブラシは変わってきます。様々なブラシ・コームが存在しますので飼い主さんにとって一番使い勝手の良い道具を探してみてくださいね。

1.スリッカーブラシ

ブラッシングと言えば一番に思い出すのはスリッカーブラシではないでしょうか。板状のゴムの土台に歯が付いているブラシです。ペットショップでもよく見かけ、トリマーさんもよく利用されています。短毛、長毛、シングルコート(プードル、マルチーズなど)、ダブルコート(柴犬など)、ワイヤーヘヤ(硬い毛質)など様々な犬種に対応する事が可能で、毛のもつれや毛玉を解くことに向いています。しかし歯が皮膚にあたりやすく怪我をさせてしまう可能性もあるので、取り扱いには十分気を付けて下さい。

2.ピンブラシ

見た目は人間が使うブラシにそっくりです。長毛種などのブラッシングにむいていますが、歯と歯の間のすきまが大きいため換毛期など大量に抜け毛が発生する時のブラッシングには向いていません。

3.ラバーブラシ

これまで紹介したブラシは歯が金属のものでしたが、ラバーブラシは名前の通り歯の部分がゴムで出来ています。歯がゴムであることの最大のメリットは「皮膚を傷つけない」です。除毛効果が高く、力をいれて使いがちになりますので使用には注意が必要です。ブラッシングは力加減を間違えてしまうとわんちゃんの皮膚を傷つけてしまい、皮膚病やわんちゃんがブラッシング嫌いになってしまう原因にもなります。

ラバーブラシは除毛効果が高く、死んでいる毛だけではなく生きている毛も抜いてしまう事もあるので使用の際には気を付けてあげてくださいね。

あると便利!毛玉ほぐしにはブラッシングスプレー

ブラッシングスプレーは人間で言うなら髪をすいたり解いたりする時に使うヘアミストです。髪の毛をとかしやすくしたり、寝ぐせを直したり、髪の毛に艶をだすためにヘアミストを利用しますが、わんちゃんにも同様の理由でブラッシングスプレーを使います。静電気の発生を防ぐ効果もあり、ブラッシングスプレーを使用する事によりスムーズなブラッシングが期待できます。

おうちで安全なブラッシングスプレーが作れちゃいます!

ブラッシングスプレーは手作りすることも可能です。保存料が入っていないためわんちゃんの健康を害する事がありませんが、作ったらなるべく早めに使いきってしまいましょう

使用前の注意
作った後は長くとも2週間以内には使い切って下さい。
使用前にはよく振ってしっかり攪拌させて下さい。
舐めさせるのはNGです。アロマオイルは揮発させて吸引することにより効果が発揮するようにできています。直接体内に取り込むと成分がそのまま吸収されてしまい肝臓に悪影響を及ぼすことがあります。
3カ月未満の子犬や妊娠中のわんちゃんには使用しないでください。

用意するもの
1.精製水100ml
2..精油 1,2滴程度
3.スプレーボトル

精油は効果からお好きなものを数種類混ぜてお使い下さい。

作り方

作り方は、「●用意するもの」で準備した1と2をスプレーボトルに入れてよく混ぜるだけです!とっても簡単ですので、是非作ってみてください。ただしわんちゃんは匂いに敏感な生き物です。精油はごく少量で、レシピ通りに作ってみてわんちゃんが嫌がるようでしたら使用をすぐに止めてください。

精油の種類
・ラベンダー…リラックス、消臭や抗菌作用。※妊娠中は使用しないでください。
・ローズマリー…痛みの緩和、体を温める作用。※てんかん、妊娠初期は使用不可、ホメオパシー治療中は使用を避けて下さい。

避けるべき精油
・ティーツリー…中枢神経への毒性が懸念されている精油です。
・アニス…子宮への刺激や毒性が高いです。
・ヨモギ…けいれんを引き起こす可能性があります。

犬も飼い主も困ってる!ブラッシングの際の静電気を防ぐ方法

静電気発生の原因は空気の乾燥です。冬、湿度が低くなっている時に髪の毛を梳かすと静電気が発生して櫛に髪の毛がくっつく事がありますが、同じ事がわんちゃんのブラッシングでも起きています。ですので、防ぐ方法も人間と一緒です。「湿度を保つ事」、「電気を逃がしてやること」この二つを意識して静電気を防止していきましょう。

静電気を抑えるスプレーを使いましょう

ブラッシングスプレーの中には静電気防止を目的としたスプレーがあります。静電気を抑えるスプレーには溜まった静電気を逃し、ブラッシングの摩擦の抵抗を低くして静電気の発生させにくくする成分が含まれています。霧吹きで水を吹きかけてあげても静電気防止にはなりますが、水が乾いた後にまた静電気が発生してしまうため、出来ればブラッシング後も静電気の発生をおさえるブラッシングスプレーの使用をおすすめします。

加湿器を置いて静電気を防ぐ!

静電気発生の主な原因は空気の乾燥です。湿度が高い夏ですと空気中に含まれる水分が電気を逃がしてくれますが、冬になると乾燥し帯電する電気はなかなか外に出る事ができません。温度20度以下、湿度が25%以下になると静電気が発生しやすくなります。湿度が60%だと静電気が発生しにくくなりますので、加湿器などを置いて部屋の湿度を保ちましょう。加湿器よりも効果が劣りますが濡れタオルを干しても湿度を上げる効果がありますよ。

ブラッシング前の放電&ハンドクリームを塗る

ブラッシング前に放電をしてしまう事も一つの手です。静電気でバチッとしてしまうのは接触する部分が指先のみで、その触れた部分から一気に電気が移動するからです。ですので、手のひらなど大きな面積の部分をつかって、木やガラス、コンクリートなどを触り放電してしまいましょう。またハンドクリームを手に塗り、摩擦をおこさせないようにするのも静電気防止には有効です。

ブラッシングをするときはどこですればいいの?

基本的には屋内です。天気が良くて気持ちがいいから、毛が飛び散ってしまうから等の理由で屋外でのブラッシングを行いたい飼い主さんもいらっしゃるかもしれませんが外でのブラッシングは基本的にNGだと思って下さい。これは周囲の人の迷惑になってしまうから…という公序良俗の側面だけではなく法律によって定められている行為です。動物愛護法に基づいた環境省の「家庭動物等の飼養及び保管に関する基準」(平成14年環境省告示第37号)第3.共通基準.2生活環境の保全(1)により定められています。

ブラッシングに最も向いているのはズバリ「お風呂場」。排水溝にネットを張って抜けた毛をシャワーで集めればお掃除も簡単です。

どの場所を重点的にブラッシングするべき?

ブラッシングは根元から櫛を通す事、毛玉をほぐしてあげる事、抜け毛をしっかりとる事が大切です。毛玉が出来やすいのは脇の下、内股、耳裏のつけ根なので、こちらのブラッシングは丁寧に行って下さい。毛玉になっている部分は無理に梳かそうとせず指先やブラシの先でほぐしてあげるとひっかからずにブラッシングできますよ。

強くブラシをあててしまうと歯が皮膚にあたってしまいブラッシング嫌いの原因になるので注意が必要です。最初は毛先から櫛をあてて行きましょう。場所は背中から。背中はわんちゃんが抵抗をあまり感じない場所です。次に腰、サイド、お腹、敏感な耳や爪先は最後です。最初から死毛全てを取り除こうとすると強くブラシを当ててしまいがちなので、まずは抜けきってしまった毛の除去から初めて下さい。ブラシで毛をなでるくらいで丁度良いですよ。

ブラッシングが嫌いな犬にはどうすればいいの?

ブラッシングが好きな犬はこう感じている!

ブラッシング好きなわんちゃんはブラッシングを気持ちの良い事という風に認識しています。私たちも美容院で髪の毛を切ってもらっている時気持ち良くて寝てしまう事がありますよね。それと同じ感覚です。体についている不要な毛が取り除かれてすっきりして気持ちがいいな、と思っているのです。

なぜブラッシングが嫌いなの?

ブラッシングが好きなわんちゃんは基本的にいませんので、ブラッシングを拒否されたとしても飼い主さんは「自分が何かひどい事をしたのかも?」と思わないで下さい。ブラッシングが嫌いになってしまった理由をひとつずつ解明していけば、ブラッシングに慣れさせる事が出来ます。

ブラッシングで痛い思いをしたことがある

ブラッシングが嫌いなのはブラッシングで嫌な事があったから。特に痛みが伴う経験はトラウマになりがちです。ブラシの歯が強く当たって皮膚に傷がついて皮膚病になったり、静電気が発生した時の「バチッ」とした衝撃にビックリしたり、まだ抜けていない毛を抜き取られてしまって痛い思いをしたり…。そんな経験をわんちゃんにさせてしまった事はないでしょうか。

初めて見るブラシに恐怖を感じてしまった

意外に思われるかもしれませんが、ブラシそのものを怖がっている場合もあります。私たちは日常的に見ているブラシですが犬にとっては「トゲトゲがついてて何だか変だし…怖い」と恐怖の対象になっている事も。ブラッシングをしなくてもブラシを日常的に見させて、慣れさせてあげて下さい。

 

ブラッシング嫌いの犬はこうして慣れさせましょう

ブラッシング嫌いなわんちゃんには「ブラッシング(体に触れられる事)すると良い事がある」と思ってもらう事が大切です。ブラッシングから始めるのではなく体に触れる事から始めていきましょう。まずは苦手意識が低い背中を触りご褒美を上げて下さい。背中を触らせてくれるようになったら、次は体を触っていきます。わんちゃんが体を触らせてくれることに慣れてきたころ、2~3分程撫でる程度でブラッシングをして下さい。この時も順番は背中から。ブラッシングできたらご褒美をあげて褒めてあげてください。徐々にブラッシングの時間を延していき、最終的には一回のブラッシングで全身が出来るようにしていきます。

実は換毛期の抜け毛がすごく多い!柴犬のブラッシングについて

柴犬にサマーカットは不要!その代わり毎日ブラッシングを

柴犬はダブルコートの犬種です。体の表面を覆う比較的長い上毛(オーバーコート)と短く大量に生える柔らかい下毛(アンダーコート)、この2種類の被毛に覆われている犬を「ダブルコート」と言います。オーバーコートのみ犬種は「シングルコート」です。ダブルコートの犬種は、夏にアンダーコートが抜け冬にアンダーコートが生えるため年2回毛が生え変わります。柴犬はこの換毛期のサイクルによって、被毛の種類を変えて気候の変化に対応しています。そのため柴犬にサマーカットは不要です。

ただしアンダーコートが抜けてもオーバーコートに阻まれていつまでたっても皮膚から離れず、蒸れてしまい(夏なのにヒートテックを着ているような感じです)皮膚病になってしまう柴犬もいるので、出来るだけ毎日ブラッシングをしてあげてください。

まとめ

ブラッシングはスキンシップも兼ね、愛犬との絆も深めます。病気の予防にも効果的です。しかし、わんちゃんは基本的にブラッシングが好きではない子が多いです。その原因として、過去にブラッシングで痛みを伴う経験をしたからである可能性が高いです。嫌がる子には焦らずゆっくりと時間をかけて、愛犬と一緒に楽しめるブラッシングタイムにしていきましょう。

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