犬にマイクロチップを付けていますか?役割やメリットについて 犬にマイクロチップを付けていますか?役割やメリットについて

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犬にマイクロチップを付けていますか?役割やメリットについて

近年、犬のマイクロチップ装着の普及率が高くなってきています。ペットショップで販売されている子犬には「マイクロチップ装着済」と書かれている場合もあります。迷子や盗難、災害が起こったときにマイクロチップがあれば愛犬が早期にみつかる可能性が高まります。今回はマイクロチップを犬に付ける役割やメリットについてご紹介していきます。

 

犬のマイクロチップとは?

ここでは、犬のマイクロチップがどういったものなのについてご説明していきます。

 

まずは基礎的な知識を押さえておきましょう!

マイクロチップは直径2mm、長さが約8〜12mmの円筒状の電子標識器具です。チップの内部にIC、コンデンサ、電極コイルが収められており、外側は生体適合ガラスで覆われています。チップには、世界で唯一の15桁の番号が記録されていて、注射器の様な専用機器で犬の体内に注入します。チップの中に記録されている15桁の番号を専用リーダー(読み取り機)で読み込むことで、個体の識別を行います。動物に対して安全性があり、犬の個体識別(身元の証明)の方法として、ヨーロッパやアメリカをはじめとして世界中で広く採用されています。

マイクロチップが世界標準となる中で、日本でもマイクロチップの装着をする犬が急増しています。迷子、盗難、災害といった不測の事態が起こったときに、首輪に名前や連絡先が書いていない、犬の鑑札をつけていない、首輪をしていなかったといったケースでも、マイクロチップを動物病院や収容された動物愛護センターで読み取ることで、行方不明になった愛犬が飼い主様のところへ早期に戻れる可能性があるのです。ただし、すべての施設に専用リーダーが設置されているとは限りませんので、読み取りが必要になった際はあらかじめ問い合わせてから行くのが良いでしょう。

ただし注意しなければならないのは、マイクロチップは専用リーダー(読み取り機)で読み取って初めて15桁の番号がわかります。この番号を照会することで飼い主様の情報にたどり着くシステムになっています。マイクロチップは行方不明になってしまった愛犬が、今どこにいるのかGPSで検索できるようなシステムではなく、飼い主様の連絡先や、獣医師が記入した愛犬の情報がを記録されているシステムであることを覚えておきましょう。

 

マイクロチップの装着は義務なの?装着のメリットとデメリットについて

マイクロチップについては、「動物の愛護及び管理に関する法律」通称、動物愛護管理法において「家庭動物等の所有者は、その責任の所在を明らかにし、逸走した家 庭動物等の発見を容易にするため、名札、脚環、マイクロチップ等を 装着するなど、動物の種類を考慮して、容易に脱落又は消失しない適 切な方法により、その所有する家庭動物等が自己の所有であることを 明らかにするための措置を講じるよう努めること。」(動物愛護管理法,第4共通基準,1.所有の明示)と定められています。

しかし、特定外来生物といった危険な動物に対してはマイクロチップの装着が義務づけられていますが、現在のところペットである犬や猫については「行うべき」という内容に留まっています。日本において、平成28年の時点では、殺処分される動物を減らすため、飼い主様を特定する個体識別用マイクロチップの装着を義務化にする議論が行われています。海外では証拠を隠すために手術でマイクロチップを取り除いて犬を捨てるといった残虐な事例もあり、日本での義務化については多くの課題が残る問題となっています。日本に犬を輸入する場合については、既に2004年に「犬等の輸出入検疫規則」の改正により、マイクロチップの装着の義務化がされています。

 

メリット

犬にマイクロチップを装着するメリットとしては、犬が迷子や盗難、事故、災害などといった不測の事態が起こり、行方不明になった場合に愛犬をみつけることができ、飼い主様の元へ戻る可能性が高くなることです。

 

デメリット

マイクロチップのデメリットとしては、マイクロチップが皮下脂肪の奥の方に埋め込まれてしまうと、電波をキャッチしにくいため専用リーダー(読み取り機)で読み取れなかったり、チップと専用リーダー(読み取り機)の相性が悪く読み取れなかったり、引越しや、飼い主様の変更があったにもかかわらず情報を更新し忘れていたため照会しても利用できなかったかったりすることがある点です。また、マイクロチップは安全性が高いとされているものの、個体によってはごく稀に異物とみなしたりアレルギー反応を起こしたりする可能性があることもデメリットの一つとして挙げられます。その他のデメリットとしては、費用(装着費、登録費)がかかることです。

 

マイクロチップの登録方法や読み取り方、確認方法について

ここからはマイクロチップの登録手続きや利用方法についてご紹介していきます。

 

犬のマイクロチップの登録方法

犬のマイクロチップの登録方法はIDを管理している動物ID普及推進会議(AIPO)に情報を登録して行います。手順をご紹介すると、

1.  獣医師がマイクロチップを犬の皮下に注入し、装着する。

2.  マイクロチップを注入した動物病院にて配布される登録の申込書に獣医師による記入と、「飼い主情報」(住所、氏名、フリガナ、電話番号、緊急連絡先、FAX番号、メールアドレス)と、「動物情報」(犬の名前、生年月日、性別、種類、毛色など)を記入する。

3.  登録の申込書に添付されている振り込み用紙の指示にそって振り込みを行う。

4.  登録の申込書に振り込みの受領書を貼り付けて、動物ID普及推進会議(AIPO)のある日本獣医師会事務局へ専用封筒で郵送して登録を行い、「飼い主控え」を保管しておく。

5.  登録後2〜3週間で完了通知のハガキが届き、登録完了となります。

という流れになります。

 

登録費用は?イベントなどで無料で装着してくれることもある!

マイクロチップの登録費用は1000円です。動物病院でマイクロチップを注入する場合は別途費用がかかりますが、動物愛護週間や動物関連のイベント会場において、無料で装着を行っているイベントも開催されています。無料でマイクロチップを愛犬に装着できるため、多頭暮らしや普段マイクロチップの装着を悩まれている飼い主様におすすめです。

また一部自治体によってはマイクロチップの普及率をアップさせるための推進事業として一部助成を行っているケースもあります。期間限定など条件が異なるため、自分のお住いの地域でマイクロチップの助成受けられるのかを各自治体に問い合わせてみてください。

 

住所変更の際はどうすればいい?

住所の変更や飼い主様が変わった場合も、必ず変更手続きを行いましょう。手続きを行わないと、情報が一致せずにマイクロチップが無意味なものになってしまいます。登録時と異なり、情報の変更の際には費用はかかりません。

引越しやその他の変更事項がある場合は、登録時の飼い主様控え、または登録完了のハガキのコピーを取り、変更箇所の訂正、記入を行い、郵送またはFAXにて届け出る方法、控えやハガキを紛失した場合は動物ID普及推進会議(AIPO)のある日本獣医師会事務局へ電話をする方法(本人確認が必要です)があります。また、ID普及推進会議(AIPO)のホームページの専用フォームでの変更も可能となっています。

飼い主の変更があった場合は後日新しい飼い主様にハガキが郵送されます。住所変更については動物ID普及推進会議(AIPO)からの変更完了の連絡は届きません。

 

マイクロチップをどうやって犬に入れるの?

マイクロチップは生後2週間以降の犬に装着ができるとされています。獣医師によって注射器の様な専用機器(インジェクター)を使用して犬の体の内にマイクロチップを注入します。マイクロチップを注入する場所は、やや左側の犬の肩甲骨の辺りの皮下組織となります。マイクロチップはインジェクターを注射のように押し出した際に皮下に埋め込まれます。飼い主様の希望によっては、避妊去勢手術の際に麻酔が効いている間に一緒に行うこともあります。

 

かかる費用は?

気になるマイクロチップの登録費用についてですが、動物病院によって金額が異なります。注入する際には3,500〜5,500円程度の金額、さらに登録費の1,000円がかかります。7,000円程度あれば登録ができる目安と考えておけばよいでしょう。一度かかりつけの動物病院にかかる費用について問い合わせてみることをおすすめします。

 

迷子札の役割をするマイクロチップはどうやって読み込み、確認するの?

愛犬に装着されたマイクロチップの読み取りはどのように行われるの?犬は驚かないの?と疑問に思われるかもしれません。スマホでできることが大半な時代になりましたが、犬に装着されたマイクロチップはスマホでは読み取ることができません。しかし意外にも簡単に確認ができるのでご紹介していきます。

 

専用の機器を使って読み取る

マイクロチップを読み取るには専用のリーダー(読み取り機)が必要です。世界中で使用されているので、読み取り機にはさまざまなタイプがあります。金属探知機のようなハンディタイプ、電話機の受話器のようなハンディタイプ、スティックタイプ、据え置き型とさまざまですが全ての機器で15桁の番号を読み取ることができます。この専用リーダーがハンディタイプの場合は動物のからだにかざし、据え置きタイプの場合は動物を中に通すことで識別番号を読み取ります。日本ではISOの国際企画に適合したマイクロチップを採用しており、世界中で読み取りができます。

 

マイクロチップで癌にはなりませんのでご安心を!

マイクロチップを注入することで副作用がないのか気になる飼い主様もいらっしゃるのではないでしょうか。マイクロチップ動物に悪い影響を与えることはないとされています。マイクロチップが皮下にある状態でも、レントゲンやCTなどの影響はありません。MRI画像においては若干乱れが出るケースがありますが、診断への影響はありません。

海外ではマイクロチップと癌についての関連があるのではないかと議論されていますが、このような関連性が日本において報告されたことはなく、マイクロチップを埋めた=癌になるということはありませんのでご安心ください。

 

まとめ

マイクロチップは不測の事態が起こった時に飼い主様と愛犬が再会できる最後の手段ともいえるでしょう。デメリットもありますが、愛犬が行方不明になったときのことを考えると大きなメリットがあります。興味のある方、装着していない方は一度マイクロチップがどういったものなのかをチェックしてみてくださいね。

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