ビションフリーゼは、明るく陽気な性格の犬種です。社交性があるので、小さなお子様がいるご家庭でも安心して飼うことができます。
最大の特徴は、真っ白でふわふわな被毛です。見た目に反して抜け毛が少ないため比較的お手入れしやすいですが、放っておくとそのまま伸び続けてしまうので、定期的なトリミングが必要です。
もこもこの被毛の下は、意外にもがっちりとした体つきをしており、運動量が豊富です。1日に2回それぞれ15分~30分程度、お散歩の時間をとってあげましょう。
犬種の特徴
- 適応性
- アパートマンションでの
生活に適応できるか、
飼育スペースが必要か - 初心者の飼いやすさ
- 繊細さ・神経質・内向的
- 1匹でいても耐えられるか
- 寒さへの耐性
- 暑さへの耐性
- 親しみやすさ
- 家族への愛情表現・社会性
・愛情欲求度の多さ - 子どもとの仲良くなる度合い
- 他の犬に優しいか
- 見知らぬ人でも優しいか
- 健康面
- 脱毛量(抜け毛の量)
- よだれの多さ・唾液量
- 手入れの簡単さ
- 一般的な健康度合い
(病気になりやすさ) - 体重が増えやすいか
- しつけしやすさ
- トレーニングが簡単か
- 頭の良さ
- かみ癖(狩りへの欲求)
- 吠え癖
- 行動面
- 運動量、散歩時間
(エネルギーレベル) - 1日の餌(ドッグフード)の量
- 活発さ・活発度・遊び心
ビションフリーゼについて
犬種グループ | 第9グループ 愛玩犬 コンパニオン・ドッグ&トイ・ドッグ COMPANION DOGS AND TOY DOGS 家庭犬、伴侶や愛玩目的の犬 |
大きさ(体高) | 25〜29cm |
平均体重(理想の体重) | 5kg前後 |
平均寿命 | 12~15歳 |
繁殖目的(用途) | 愛玩犬 |
毛の特徴 | ダブルコートでふわふわなコークスクリュー状に縮れた巻き毛 |
毛色(カラー) | 基本的に純白。生後12ヶ月前まではわずかにベージュがあっても良い。 |
グルーミング・トリミングの必要性 | 少なくとも、週に2回はブラッシングをしてあげて、月に1回はトリミングしてあげましょう。 |
成犬になるまでの期間 | 6ヶ月ほどで成長は落ち着いてきます。 |
飼養頭数 | 2,849頭 |
レア度(日本での登録犬数 ケネルクラブ) | 23位(一般社団法人ジャパンケネルクラブ 2020年調査) |
犬種の詳細
人懐っこくて寂しがり屋な性格
ビションフリーゼは、飼い主によく懐くだけでなく、誰とでも仲良くできるので、他にペットを飼っているご家庭やお子様がいるご家庭でも安心して飼うことができます。人見知りをしない分、番犬には向いていませんが、愛玩犬として家庭を明るくしてくれる存在となるでしょう。 一方で、お留守番などひとりの時間を過ごすのは苦手なので、家を空けることが多いご家庭や一人暮らしの方にはやや不向きです。寂しさが原因でストレスが溜まると問題行動を起こしかねないため、ひとりの時間をなるべく減らしてあげたり、お留守番のしつけを徹底したりといった工夫が必要です。
見た目がそっくりなトイプードルとの違い
ビションフリーゼとトイプードルは見た目がとても似ていますが、異なる犬種です。
ビションフリーゼは小型犬でありながら、個体によってサイズに差があるのが特徴的です。ふわふわの被毛の下は意外と筋肉がついており、全体的にがっちりとした体型をしています。トイプードルと比べて足がやや短く、胴は長めです。
また、毛色のバリエーションが豊富なトイプードルと対照的に、ビションフリーゼの毛色は純白の一色のみが認められています。被毛は、トイプードルがシングルコート、ビションフリーゼがダブルコートでそれぞれ違ったカットスタイルが楽しめます。
被毛のケアは必須
白くてもこもこした被毛のビションフリーゼは、とっても愛くるしい見た目をしています。伸び続ける被毛は定期的なトリミングが必要なものの、見た目の割に抜け毛は多くありません。ただし、毛量が多く毛玉になりやすいため、ブラッシングは毎日してあげてください。
被毛のケアをはじめ、シャンプーや爪切り、歯磨きなど、普段から体に触れる機会が多いので、子犬の頃から触られることに慣れさせておきましょう。
純血種でありながら健康体
ビションフリーゼは、遺伝的疾患が少ない健康体の持ち主です。純血種では珍しいとされています。
病気にかかりにくい体質とはいえ、外耳炎や尿石症などはかかりやすい傾向にあります。愛犬のことを考えた食事、適度な運動を心がけるのはもちろんのこと、異変を感じたら早急に動物病院を受診するようにしましょう。
歴史
ビションフリーゼの起源は諸説ありますが、元々は大西洋のカナリヤ諸島の1つであるテネリフェ島に、船乗りによって連れてこられた犬であるとされています。
当時は島の名前をとってテネリフェと呼ばれており、再び14世紀にヨーロッパの船員が発見し、自国に連れて帰ったといわれています。
ビションフリーゼは瞬く間にヨーロッパ貴族たちの間で大人気となり、16世紀のフランス王室にも好まれる犬となりました。宮廷の画家で有ったゴヤの作品にも、頻繁に描かれています。
その後、一時は品種絶滅の危機に晒されますが、第一次世界大戦後にフランスのブリーダーたちの間で、犬種を保持する取り組みがされ、1934年にはじめて「ビションフリーゼ」という犬種名が与えられ、フランスのケンネルクラブの血統書に登録されました。1972年にはアメリカンケンネルクラブ(AKC)に登録されています。
サイズ
体高30cm前後、体重6kg前後といわれていますが、個体差にばらつきがあり、標準体重におさまらない場合もあります。
犬種の性格
ビションフリーゼはとてもフレンドリーで陽気な性格ですが、オスの方が甘えん坊だといわれています。
寂しがりやな一面があるため、長時間のお留守番には向いていません。
また、賢く学習能力が高いため、サーカスや大道芸にも採用されている犬種でもあります。運動能力に優れているので、フリスビーやボール遊びをすることも可能です。
なりやすい病気
ビションフリーゼは遺伝子疾患が少なく、平均寿命が12〜15才といわれており、小型犬にしては比較的長寿で、健康な犬種とされています。
しかし、気をつける必要がある病気も存在します。
膝蓋骨脱臼(パテラ)
膝の中心にある膝蓋骨が正常な位置から外れてしまう病気で、小型犬が発症しやすいといわれています。症状がひどくなった場合は歩き方や走り方に異常がみられる場合もあります。関節に負担をかけない環境に整えてあげることが大切です。
尿結石
結石はマグネシウム、リンなどのミネラル成分が濃くなりすぎて、結石が体内にたまってしまう病気です。結石が尿道に詰まり排尿ができなくなると、命に関わる場合もあります。
白内障
白内障は水晶体が白く濁ってしまう病気です。病気が進行すると視覚障害が起こり、物や壁にぶつかったり、つまづいたりする頻度が多くなります。
臭い(体臭)
ビションフリーゼは、被毛の手入れは大変ですが、体臭がほとんどなく、抜け毛も少ない犬種です。
毛並みのお手入れ・グルーミングのしやすさ
やわらかい巻き毛でふわふわした毛質です。被毛構造はダブルコートで長毛なので、他の犬種よりも、ブラッシングやトリミングなどのお手入れを頻繁に行う必要があります。
少なくとも、週に2回はブラッシングをしてあげて、月に1回はトリミングしてあげましょう。お手入れを怠ると、皮膚トラブルに繋がることもあるので注意が必要です。
また、真っ白な被毛で汚れが目立ちやすいので、定期的なシャンプーも重要です。。
食事
ビションフリーゼの成犬の体重は5kg前後なので、1日に374Kcalほどが必要です。さらに、の時は成長のためにたくさんの栄養を必要とするため、フードの量を増やしたり、子犬用のフードを与えてあげましょう。
ビションフリーゼには、一般的に犬が食べてはいけないとされているネギ類、ぶどう、チョコレート、カフェインが含まれるもの、人間の食べ物は与えないでください。これらの食材は、中毒などの危険な症状を引き起こす恐れがあります。
しつけ
ビションフリーゼは従順で賢く無駄吠えが少ないため、初めて犬を飼う方でもしつけがしやすいといわれています。人懐っこい性格なのでついつい甘やかしたくなりますが、きちんとしつけを行わなければわがままに育ってしまいます。上手くできた時は思いっきり褒め、問題行動を起こした時は短い言葉で叱る、無視するなど、メリハリのあるしつけを行うと覚えが早いでしょう。
また、ビションフリーゼは寂しがり屋な一面があり、お留守番のしつけができていないとストレスが溜まってしまいます。そのため、ひとりの時間に慣れさせてあげることも重要です。愛犬が落ち着ける環境を少しずつ整えてあげてください。
さらに、犬種特有の習性である「ビションブリッツ」あるいは「ビションスイッチ」という行動を起こすことがあります。これは、何の前触れもなく突然走り回る行為のことをいいます。詳しい原因は分かっていませんが、満足したタイミングで自然に止むので、おさまるまでは様子を見ていて大丈夫です。ただし、周りにぶつかりそうな物がある場合は移動させたり、外出先では事故やトラブルを防ぐためリードを短く持ったりと、愛犬の安全に配慮してあげましょう。
他のペットとの共存度
ビションフリーゼは家庭で飼われる犬として最適な犬種で、子どもとの相性も良いとされています。さらに社交的で、他の動物とも仲良くできる子が多いので、多頭飼いしている家庭にもおすすめです。しかし温厚な性格の一方で、甘やかすとわがままな性格になってしまうこともあるので、飼い主さんがきちんとしつけることが大切です。また、辛抱強く周囲に気を遣う性格であるため、ストレスをためやすくもあります。たくさん遊んであげたり、スキンシップを取ったりして、解消してあげましょう。