大きな立ち耳と愛嬌のある顔が特徴的なボストンテリア。タキシードを着たような体の模様と温和な性格から、出身国のアメリカでは、“American little gentleman”(小さなアメリカの紳士)と呼ばれています。人懐こく、人と関わることが大好きで、テリア独特の、勇敢で社交的な性格も兼ね備えています。個体差もありますが、賢く無駄吠えが少ない犬種ともいわれているので、初心者にも向いています。遊び好きで活発なので、家でまったり過ごすよりも、一緒に外で遊んだり、お出かけしたりすることが好きなアクティブな飼い主さんと相性が良いかもしれません。
犬種の特徴
- 適応性
- アパートマンションでの
生活に適応できるか、
飼育スペースが必要か - 初心者の飼いやすさ
- 繊細さ・神経質・内向的
- 1匹でいても耐えられるか
- 寒さへの耐性
- 暑さへの耐性
- 親しみやすさ
- 家族への愛情表現・社会性
・愛情欲求度の多さ - 子どもとの仲良くなる度合い
- 他の犬に優しいか
- 見知らぬ人でも優しいか
- 健康面
- 脱毛量(抜け毛の量)
- よだれの多さ・唾液量
- 手入れの簡単さ
- 一般的な健康度合い
(病気になりやすさ) - 体重が増えやすいか
- しつけしやすさ
- トレーニングが簡単か
- 頭の良さ
- かみ癖(狩りへの欲求)
- 吠え癖
- 行動面
- 運動量、散歩時間
(エネルギーレベル) - 1日の餌(ドッグフード)の量
- 活発さ・活発度・遊び心
ボストンテリアについて
犬種グループ | 第9グループ 愛玩犬 コンパニオン・ドッグ&トイ・ドッグ COMPANION AND TOY DOGS 家庭犬、伴侶や愛玩目的の犬 |
大きさ(体高) | 28〜38㎝ |
平均体重(理想の体重) | 体重はライトタイプが6.8kg未満、ミドルタイプが6.8kg以上9kg未満、ヘビータイプが9kg以上11kg以下と分けられています |
平均寿命 | 11〜15歳 |
繁殖目的(用途) | 愛玩犬 家庭犬 |
毛の特徴 | ダブルコートで、短く滑らかなスムースタイプ。 |
毛色(カラー) | ホワイト・マーキングのあるブリンドル、シール又はブラック。 |
グルーミング・トリミングの必要性 | 短毛なので基本的に全身のカットは必要ありませんが、抜け毛はあるので、できるだけ毎日ブラッシングをしてあげましょう。 |
成犬になるまでの期間 | 生後8〜10ヶ月ほどで成長は落ち着いてきます。 |
飼養頭数 | 2,617頭 |
レア度(日本での登録犬数 ケネルクラブ) | 24位(一般社団法人ジャパンケネルクラブ 2020年調査) |
犬種の詳細
ハリウッドスターにも愛された 生粋のアメリカ犬!
ボストンテリアはその名のとおり、アメリカのマサチューセッツ州にあるボストンで誕生しました。アメリカ生まれの犬種では、3番目に古い歴史のある犬です。また、ボストンテリアは多くのハリウッドスターに愛されてきたことでも知られています。現在ではマサツーセッチュ州の州犬にも指定されており、ボストンテリアの「レット」はアメリカの名門大学である、ボストン大学のマスコットとして有名です。
小型犬だけど運動量は大切!
ボストンテリアは活発なので、一般的な小型犬よりも運動量が必要です。散歩は1日に2回、30分程行うことをおすすめします。ボストンテリアは気を遣いすぎてしまう部分があるので、気分をリフレッシュさせ、ストレス発散するためにも、散歩に行くことはとても大切です。また、遊び好きで、好奇心旺盛な面もあるので、時にはドッグランなどで思いっきり遊んであげてください。
こまめなお手入れが必須
ボストンテリアはカットの必要はありませんが、全身が長毛に覆われており、抜け毛が多い、体にしわが多く汚れがたまりやすいなどお手入れがかなり大変な犬種です。お手入れを怠ると、皮膚病になってしまうこともあるので、面倒がらずこまめにお手入れを続けていくことができる飼い主さんに向いています。
短毛だけど、実は抜け毛が多い
ボストンテリアはスムースコートとよばれる短毛ですが、被毛の構造はオーバコートとアンダーコートに分かれるダブルコートとよばれる二重構造の被毛で、季節によってアンダーコートは生え変わるので、抜け毛がとても多いです。不要な毛を取り除くために、こまめにブラッシングをしてあげましょう。ブラッシングをすることは、皮膚や被毛についている汚れをとることにもつながるので、体を衛生的に保つためにも大切です。定期的なシャンプーも必要ですが、ボストンテリアは皮膚が弱いので、無添加や弱酸性タイプなど、体に優しいシャンプーを使用することをおすすめします。
気温には注意!
ボストンテリアは鼻が短く短頭種に該当するので、体温調節が難しく、短毛でもあるため、暑さや寒さに弱いです。室内の温度を調節するなどして、気をつけてあげましょう。散歩をする際も、防寒対策を行ったり、暑い日は日が落ちてから連れて行くなど、工夫してあげましょう。
歴史
ボストンテリアは1860年代頃に、アメリカのマサチューセッツ州のボストンで誕生しました。ボストンテリアの起源はフーパーズジャッジという犬です。「フーパーズジャッジ」はロバート・C・フーパーという人物によって、ブルドッグとイングリッシュテリアを交配させることで作り出されました。「フーパーズジャッジ」は、「ジップ」という犬と交配され、そこで誕生した子犬が、さらに小柄な犬と交配を繰り返すことで、現在のボストンテリアの形になっていきました。また、ボストンテリア は元々、闘犬として作り出されたのですが、闘犬が禁止されたことで、愛玩犬へと方向転換していきました。小型犬や愛玩犬と交配を繰り返すことで元々あった闘争心が薄れ、温和な性格に変わっていきました。1893年には初めてアメリカン・ケネル・クラブに登録され、その後世界に広まっていきました。特にアメリカでは長い間高い人気を誇っています。
サイズ
子犬時は3〜4kg、成犬時は6.8kg未満、6.8~9kg未満、9~11.35kgの3種類に分かれます。オスとメスの大きさの違いはほとんどありません。
犬種の性格
ボストンテリアは温和で人懐こく、正義感があり愛情深い性格です。一方でテリアの気質である活発でやんちゃな面も持ち合わせています。また、とても賢く学習能力も高いので、きちんとしつければ、良きパートナーとなること間違いなしです。また、繊細で感受性が豊かなので、飼い主の顔色を伺ったり、嫉妬により他の犬などに攻撃的になることもあるので、ストレスを溜め込まないように、注意が必要です。寂しがりやで1人でいることが苦手な部分もあるので、お留守番の練習を、子犬のころからしておきましょう。オスとメスの性格の違いですが、メスの方が落ち着いていて、オスの方成犬になっても甘えん坊でやんちゃだといわれています。ただし、個体差もあるので、逆にメスのほうがやんちゃで、オスの方がおとなしい場合もあります。
なりやすい病気
ボストンテリアは、皮膚のトラブルを起こしやすい犬種です。他にも気をつけなければいけない病気がいくつか存在するので紹介します。
皮膚炎
皮膚炎にはアトピー性皮膚炎やアレルギー性皮膚炎など、いくつか種類があります。症状は主にかゆみや湿疹です。ボストンテリアは体にしわが多く汚れがたまりやすいので、体を清潔に保つことで予防しましょう。
白内障
水晶体が濁って、視力が落ちてしまう病気です。多くの場合は加齢に伴って引き起こされますが、若いときに起こる場合もあります。初期症状としては、物によくぶつかるようになったり、階段の上り下りを嫌がったりします。
短頭種気道症候群
生まれつき鼻が短い「短頭種」の犬によって引き起こされる、呼吸器症状の病気です。「ブーブー」「ヒューヒュー」といった呼吸音が聞こえたり、「ハァハァ」といつもより激しく呼吸したりする症状があった場合は早めに病院に連れて行きましょう。
臭い(体臭)
ボストンテリアは体にしわが多く、汚れが溜まりやすいため臭いがきつくなりやすい場合があります。こまめにお手入れをしてあげましょう。
毛並みのお手入れ・グルーミングのしやすさ
ボストンテリアは短毛なので、肌を傷つけないように、ラバーブラシと呼ばれるゴム製のブラシを使うことをおすすめします。ラバーブラシでブラッシングを行う場合は、全身を軽くこするようにブラッシングしてあげましょう。また、やりすぎると被毛を痛めてしまう場合があるので気をつけましょう。
食事
ボストンテリアの成犬は平均体重が6.8kg未満、6.8~9kg未満、9~11.35kgなので、1日に、 471kcal未満、471〜582kcal未満、582kcal〜693kcalを必要とします。さらに、子犬の時は成長のためにたくさんの栄養を必要とするため、フードの量を増やしたり、子犬用のフードを与えてあげましょう。 ボストンテリアには、一般的に犬が食べてはいけないとされているネギ類、ぶどう、チョコレート、カフェインが含まれるもの、人間の食べ物は与えないでください。これらの食材は、中毒などの危険な症状を引き起こす恐れがあります。
しつけ
ボストンテリアは賢く学習能力が高いので、一般的にはしつけをしやすい犬種だといわれています。また、テリア気質であるやんちゃで好奇心旺盛な面があるため、「待て」や「おすわり」などができるようになっておくと、飼い主さんの負担も減るでしょう。しつけを行う際は、できたときに褒めてあげることが大切ですが、ボストンテリアは興奮しやすい性格です。ハイテンションで褒めすぎると、興奮してしまうことがあるので気をつけましょう。
他のペットとの共存度
ボストンテリアは温厚ですが、活発で遊び好きな面もあるため、子どもがいる家庭にはぴったりです。社交的で明るい性格なので、多頭飼いが向いてないわけではありませんが、嫉妬深い一面や縄張り意識が強い一面があり、自分のテリトリーに入ってくる犬に対して、攻撃的な態度を見せるときもあるので、多頭飼いをするときは、子犬の頃から行うことをおすすめします。