チワワは体が小さいため運動量が少ない犬種と思われがちですが、活動性の高い犬種なので、毎日20~30分ほどの運動が必要です。自由に動き回れるスペースがあれば室内でも十分ですが、他の犬や他の人とコミュニケーションを取るなどの刺激を与えることも大切なので、定期的に外に連れ出してあげてください。
被毛にはスムースコートとロングコートがあり、どちらのタイプもトリミングの必要がないため、お手入れがしやすい犬種といえます。家庭で定期的なシャンプーやブラッシングを行っていれば問題はないでしょう。
犬種の特徴
- 適応性
- アパートマンションでの
生活に適応できるか、
飼育スペースが必要か - 初心者の飼いやすさ
- 繊細さ・神経質・内向的
- 1匹でいても耐えられるか
- 寒さへの耐性
- 暑さへの耐性
- 親しみやすさ
- 家族への愛情表現・社会性
・愛情欲求度の多さ - 子どもとの仲良くなる度合い
- 他の犬に優しいか
- 見知らぬ人でも優しいか
- 健康面
- 脱毛量(抜け毛の量)
- よだれの多さ・唾液量
- 手入れの簡単さ
- 一般的な健康度合い
(病気になりやすさ) - 体重が増えやすいか
- しつけしやすさ
- トレーニングが簡単か
- 頭の良さ
- かみ癖(狩りへの欲求)
- 吠え癖
- 行動面
- 運動量、散歩時間
(エネルギーレベル) - 1日の餌(ドッグフード)の量
- 活発さ・活発度・遊び心
チワワについて
犬種グループ | 第9グループ 愛玩犬 コンパニオン・ドッグ&トイ・ドッグ COMPANION DOGS AND TOY DOGS 家庭犬、伴侶や愛玩目的の犬 |
大きさ(体高) | 12〜20cm |
平均体重(理想の体重) | 1.5〜3kg |
平均寿命 | 12〜20歳 |
繁殖目的(用途) | 愛玩犬 |
毛の特徴 | 毛が長いロングコートと毛が短いスムースコートがあり、どちらもダブルコートです。 |
毛色(カラー) | マール以外の全ての色・模様が認められる。 |
グルーミング・トリミングの必要性 | トリミングは必要ありませんが、定期的なグルーミングが必要です。ロングコートは好みによってカットする場合もあります。 |
成犬になるまでの期間 | 早くて生後7ヶ月、遅くても1歳になるまでには成犬になります。 |
飼養頭数 | 50,169頭 |
レア度(日本での登録犬数 ケネルクラブ) | 2位(一般社団法人ジャパンケネルクラブ 2019年調査) |
犬種の詳細
体は小さくても勇敢で活発
チワワは、丸くて大きい目とピンと立ち上がった耳が特徴の、世界で最も小さい純血種です。活発で甘えん坊な性格ですが、小柄な割には気が強いという勇敢な一面も持っています。大きな犬や見知らぬ人にも平気で近づいていくなど、とても度胸があります。
また、飼い主に対しては非常に愛情深く、忠誠心が強いです。そのため独占欲が強く、嫉妬深い部分もあるので、やきもちを焼く場合があります。
特徴が異なる2種類の被毛
チワワの被毛は、ふさふさしていて柔らかい感触が特徴のロングコートと、光沢感のある滑らかな毛質が特徴のスムースコートに分けられます。
ロングコートは、揺れ動く耳や尻尾の飾り毛が、チワワの愛くるしさをより一層引き立てます。シャンプーのすすぎ残しがあったり、ドライヤーで乾かし足りなかったりすると、皮膚病の原因になるので、しっかりとお手入れをしてあげてください。
スムースコートは、艶やかですっきりとした印象があります。毛が短いので表情や体の状態が分かりやすく、お手入れも簡単ですが、ロングコートと同じくシャンプーとブラッシングは欠かせません。
どちらのタイプも毛は厚くないため、冬の寒さは苦手です。洋服を着せるなどの工夫をしましょう。夏の暑さにも強くないので、1年を通して温度管理を十分にしてあげてください。
豊富なカラーバリエーション
チワワの毛色のカラーバリエーションは、実に多種多様です。単色だけでもブラック、チョコレート、レッド、クリーム、ホワイト、金色に近い茶系のフォーンなどたくさんの種類があります。その他、2色で構成されるパーティーカラー、3色で構成されるトライカラー、まろ眉のような斑点があるタンカラーなどがあります。ブルー、グレー、薄いベージュのイザベラ、全身に虎のような縦縞がまだらに入ったブリンドルは、レアカラーです。
気を付けたい健康トラブル
頭部は、リンゴのような形をしているため、「アップルヘッド」と呼ばれています。頭頂付近の骨と骨のつなぎ目(泉門)に空洞があるので、硬いものにぶつけないように注意することはもちろん、決して頭を叩いたりしてはいけません。
また、小さくて骨が細いため、落下による骨折にも注意しましょう。華奢なのでついついそっと抱っこをしたくなるかもしれませんが、チワワが急に動くと地面に落ちてしまう可能性があるので、抱っこをする際はぎゅっと包み込むようにして安全を確保してください。
歴史
チワワは、紀元前5世紀頃のマヤ文明でチワワを思わせる小型の犬をかたどった遺跡が発掘されているほど、古い歴史を持つ犬種です。起源については諸説ありますが、その中でも有力な説が2つあります。
1つは、チワワの祖先は「テチチ」であるという説です。テチチは、現在のメキシコ辺りで栄えたトルテカ帝国やアステカ帝国で飼育されていました。
もう1つは、中国に存在していた毛のない子型犬「チャイニーズ・クレステッド・ドッグ」がチワワの祖先であるという中国原産説です。チワワは、このチャイニーズ・クレステッド・ドッグとテチチの末裔の交配により誕生したともいわれています。
19世紀に入り、メキシコのチワワ州で小さな3頭の犬が発見されました。発見された土地がチワワ州であったため、その犬たちはチワワと名付けられ、現在のチワワのもとになったといわれています。今日のチワワは、アメリカでさらに改良されたのち、1904年にアメリカの犬種登録協会(AKC)に正式に登録されました。日本でチワワが飼われるようになったのは1970年頃のことで、都市化が進むと最小の犬種といわれるチワワは飼いやすい大きさのペットとして注目されるようになり、さらに人気犬種となっていきます。
サイズ
体重1.5〜3㎏程度の超小型犬種です。近年では500g程度のさらに小型の個体や3kgを超える大きめの個体も増えています。
犬種の性格
勇敢で活発な性格で、相手に物怖じせず接することができる社交的な犬種です。
また、頭がよく大胆不敵で見知らぬ人には吠えて警戒するため、国によっては小さいながらも番犬として活躍していたこともあります。吠えて威嚇はしますが、しっかりしつけされていれば攻撃的にはならないため、無駄に噛みつくようなことも滅多にありません。
元々の気質は勇敢な性格の個体が多いのですが、体が小さいため怪我をしてしまう機会も多く、幼い頃に恐い目にあってしまうと臆病な性格に育つ場合もあります。社会化期にしっかりトレーニングを行っておくことで、物怖じせず警戒して吠えることもない良い性格に育ちますので、早いうちからさまざまなものに慣れさせておきましょう。
オスの方が活発でリーダーシップが強く、メスの方が落ち着きがあって愛情深い性格の個体が多いため、初めてチワワを飼う方には比較的メスの方がしつけやすい傾向にあるようです。
なりやすい病気
チワワの頭は特徴的な形をしており、先天的に頭部に関する病気を患っていることがあります。小型犬に多く見られる膝蓋骨脱臼や気管虚脱にも注意が必要です。また、興奮状態や寒気があるわけでもないのに震えが見られる場合がありますが、メカニズムは解明されていません。
水頭症
脳を守るために、脳の周りには脳脊髄液が溜まっていますが、過剰に溜まることで脳が圧迫される場合があります。生まれつき脳脊髄液が多い先天性と、脳出血や脳腫瘍が原因で発症する後天性があります。水頭症には治療法がなく、重症の場合は生後数ヶ月のうちに命を落としてしまいます。しかし、軽度であればステロイドで体液による圧迫を軽減することができるので、愛犬に異変を感じたら放置せず、早めに動物病院を受診してください。
泉門開存
チワワは頭のてっぺんに窪みが見られる場合があります。他の犬種の子犬でも見られますが、通常は成長とともに完全に閉じます。窪みに衝撃が加わることで脳に障害が起きたり、最悪の場合命を落としてしまうこともあるため最善の注意が必要です。
臭い(体臭)
チワワは体臭がきつい犬種ではありません。
ただし、顎が小さいため歯並びが悪い子も多く、歯石が付いてしまうと強い口臭を発します。また、鼻が低い子は鼻涙管がしっかり通っておらず、涙が出やすいため、涙やけで顔周辺に臭いを感じる場合もあります。
毛並みのお手入れ・グルーミングのしやすさ
チワワには長毛の「ロングコート」と、短毛の「スムースコート」という2種類の毛質があります。
毛の長さに関わらず抜け毛が多いため、ロングのチワワは「スリッカーブラシ」や「ピンブラシ」で、スムースのチワワは「ラバーブラシ」を使用した、こまめなブラッシングが必要です。また、毛が伸び続けることはないためカットは必要ありませんが、抜け毛対策のためにも月に1〜2回のシャンプーをしてあげましょう。
食事
チワワの成犬は平均体重がおよそ1.5〜3kgなので、1日に152〜255kcalを必要とします。さらに、子犬の時は成長のためにたくさんの栄養を必要とするため、フードの量を増やしたり、子犬用のフードを与えてあげましょう。
チワワには、一般的に犬が食べてはいけないとされているネギ類、ぶどう、チョコレート、カフェインが含まれるもの、人間の食べ物は与えないでください。これらの食材は、中毒などの危険な症状を引き起こす恐れがあります。
しつけ
チワワは、頭が良く、飼い主に対して従順なので、しつけがしやすい犬種です。一方で、臆病で繊細な性格から警戒心が強く、攻撃的な行動を起こしてしまうこともあるので、子犬の頃からしっかりしつけておくことが大切です。ただし、他の犬種と比べて衝撃にとても弱いため、体罰は決してよくありません。叩かれたことによる恐怖しか記憶に残らないどころか、チワワによっては自己防衛や逆ギレで噛んでくることもあります。悪いことをした時は、短くわかりやすい言葉で叱り、言う事を聞いた時には思いっきり褒めてあげましょう。
また、無駄吠えなどの威嚇行動をとらないようにするために、自信をつけさせることが大切です。家族以外の人や他の犬などと触れ合う機会を定期的に設けて、社会性を養いましょう。
他のペットとの共存度
チワワは勇敢で活発な性格の個体が多いため、他の犬や小動物ともうまく付き合っていくことも可能です。とても小さな体の割に大胆不適なので、リーダーシップを発揮して自分よりもはるかに体格が良い犬を従える場合があります。新しくやってきた後輩犬のお世話をしてくれるので良いのですが、後からチワワを飼い始める場合は先住犬のストレスにならないように、適切に接していきましょう。
チワワは付き合い上手なので多頭飼育でもストレスを感じにくいのですが、大型犬との同居や幼い人間のお子様がいるご家庭では、チワワ自身が怪我を負ってしまう恐れがありますので、飼い主さんは常に見守っておくよう注意してください。