パグ パグ

パグ

パグは噛み癖が少なく、とてもおだやかな性格なので、初心者でも飼いやすい犬種といわれています。小さい子どもや他のペットに対しても友好的で、トラブルに発展することはほとんどありません。

また、短頭種であるパグは、暑さで体温が上昇しやすく、特に夏場は熱中症や脱水症状にかかりやすいので、こまめな温度調整をしてあげましょう。長時間の散歩はあまり向いていませんが、肥満になりやすい体質なので、愛犬のために散歩は毎日することをおすすめします。

見た目が似ていることからフレンチブルドッグとよく間違われやすいですが、フレンチブルドッグはスクリューテールと呼ばれる短いしっぽと、丸みのある立ち耳が特徴です。一方で、パグのしっぽは高い位置でクルンと巻いており、垂れ耳であるという違いがあります。

 

犬種の特徴

適応性
アパートマンションでの
生活に適応できるか、
飼育スペースが必要か 5 out of 5 stars
初心者の飼いやすさ 5 out of 5 stars
繊細さ・神経質・内向的 3 out of 5 stars
1匹でいても耐えられるか 1 out of 5 stars
寒さへの耐性 2 out of 5 stars
暑さへの耐性 1 out of 5 stars
親しみやすさ
家族への愛情表現・社会性
・愛情欲求度の多さ 5 out of 5 stars
子どもとの仲良くなる度合い 4 out of 5 stars
他の犬に優しいか 4 out of 5 stars
見知らぬ人でも優しいか 4 out of 5 stars
健康面
脱毛量(抜け毛の量) 5 out of 5 stars
よだれの多さ・唾液量 1 out of 5 stars
手入れの簡単さ 5 out of 5 stars
一般的な健康度合い
(病気になりやすさ) 1 out of 5 stars
体重が増えやすいか 5 out of 5 stars
しつけしやすさ
トレーニングが簡単か 3 out of 5 stars
頭の良さ 2 out of 5 stars
かみ癖(狩りへの欲求) 2 out of 5 stars
吠え癖 2 out of 5 stars
行動面
運動量、散歩時間
(エネルギーレベル) 3 out of 5 stars
1日の餌(ドッグフード)の量 4 out of 5 stars
活発さ・活発度・遊び心 5 out of 5 stars

パグについて

犬種グループ 第9グループ
愛玩犬
コンパニオン・ドッグ&トイ・ドッグ
COMPANION DOGS AND TOY DOGS
家庭犬、伴侶や愛玩目的の犬
大きさ(体高) 25〜28cm
平均体重(理想の体重) 6.3~8.1kg
平均寿命 12〜15歳
繁殖目的(用途) 愛玩犬
毛の特徴 オーバーコート(上毛)とアンダーコート(下毛)の二重構造になっています。
毛色(カラー) フォーン、ブラック、シルバー、アプリコットがあり、いずれもマズル(マスク)は黒色です。
グルーミング・トリミングの必要性 カットは必要ありませんが抜け毛が多いダブルコートのため、こまめなブラッシングが必要です。
成犬になるまでの期間 パグは8〜10ヶ月ほどで体の成長が止まります。子供の頃から落ち着いた性格の個体が多いため、成長を通して精神的にはあまり大きな変化が見られません。
飼養頭数 4,934頭
レア度(日本での登録犬数 ケネルクラブ) 11位(一般社団法人ジャパンケネルクラブ 2019年調査)

 

犬種の詳細

 

愛嬌たっぷりの表情が魅力

クリクリとした大きな目やどこか困ったような表情が魅力的なパグは、「ブサかわ」の愛称で親しまれています。耳は、短く巻いているローズ耳と、前に垂れたボタン耳の2種類があり、鼻は、横からみるとぺちゃっとしていて短いのが特徴です。つぶれた鼻が空気の通り道である気道を狭めている影響で、パグはいびきをかきやすくなっています。

また、お尻を直接地面につけて足を投げ出す、パグ独特の座り方から「パグ座り」と呼ばれています。脱力感たっぷりのだらしない姿はとても愛嬌があり、パグが人気犬種である理由の一つとなっています。

明るく落ち着いているけど頑固な一面も

パグは、愛くるしい見た目のイメージ通り、明るく陽気な性格をしています。また、落ち着きがあっておっとりしているため、攻撃性が低く、小さい子どもや犬に慣れていない人とでも仲良くできます。家の中では、飼い主の後を追って膝の上に乗ったり、添い寝したりするのが好きで、長時間の留守番は苦手な子が多いです。

その一方で、プライドが高く頑固な一面もあります。もともと独立心があり、自分を持っているため、自分の意思を意地でも通そうとするときがあります。聞き分けのいい子に育てるためにも、子犬の頃からしつけを行うことが大切です。

他の犬種と比べても抜け毛が多い

パグの毛色は、代表的なフォーンの他に、ブラック、シルバー、アプリコットの4色があります。後頭部から尾にかけて黒い線があり、「トレース」と呼ばれています。

被毛はダブルコートで、換毛期にはアンダーコートがごっそり抜けるので、こまめにブラッシングをしてあげましょう。毛が短く、ブラシが皮膚に直接触れることもあるので、皮膚に当たっても痛くない素材のラバーブラシや獣毛ブラシを使うことをおすすめします。

肥満になりやすいため運動が必須

パグはそれほど活発ではないうえに食いしん坊なので、肥満になりやすいといわれています。肥満を予防するためにも毎日2回、20分程度の散歩をしてあげましょう。散歩中は、大きく突出した目に小枝などが当たって怪我をしてしまわないよう、細心の注意を払ってあげてください。

また、マズルが短いパグは気道が狭く、呼吸が苦手です。運動時や興奮時に限らず、安静時にもガーガーという呼吸音を鳴らしながら一生懸命に息を吸い込もうとする時があります。このような症状は「短頭種気道症候群」と呼ばれ、暑い気候や肥満などが原因で起こります。呼吸不全になってしまうのを防ぐため、気温に応じて散歩の時間を変えたり、室内の温度を調節してあげたりしましょう。パグはもともと激しい運動が向かない犬種なので、食事で体重管理をしてあげることも大切です。愛犬の状態を確認しながら食事の量や回数を調節してあげてください。

 

歴史

パグは、紀元前200年頃には既に存在していたのではないかといわれているほど、古い歴史を持つ犬種です。当時の中国王朝で飼育されていた犬がパグの原型といわれ、皇室で大切に飼われていました。かつては大型犬であったと推定されており、時代とともに飼育しやすいよう小型化されたと伝えられています。

その後、1600年代初頭に、パグはオランダの東インド会社との交易によってヨーロッパに入ってきました。すぐにヨーロッパ全土に広まり、特にオランダの王室や貴族からの人気が高く、絵画にも度々登場するほど寵愛されていたようです。他にも、ウィリアム三世やビクトリア女王、ナポレオンの妻ジョセフィーヌ・ボナパルトなど多くの貴族や貴婦人達からパグは可愛がられました。

パグが日本に入ってきたのは1900年代前半で、それ以降、国内においても愛玩犬として広く知られるようになりました。

パグという犬種名の由来は、一説によると、ラテン語で「握りこぶし」を意味する「パグナス」だとされています。くしゃくしゃのパグの顔が人間の握り拳に似ていることから、こう呼ばれるようになり、次第に現在の「パグ」に変化していきました。オランダでは「モプスホンド(おどけた犬)」、ドイツでは「モプス(しかめつら)」、フランスでは「カーリン(パグ愛好家の俳優の名前)」と呼ばれることもあるそうです。

 

サイズ

成犬時で6〜8kg程度の小型犬で、女の子よりも男の子が大きくなりがちです。体質的に脂肪を蓄えやすいため、肥満にならないよう要注意です。

 

犬種の性格

パグは愛玩用に交配された犬種なので、猟犬や使役犬のような気性は持ち合わせておらず、落ち着いていて人好きな性格をしています。賢いので簡単な芸は覚えてくれますが、使役犬としての役割をこなすには難しい犬種ですので、いわゆるペットとして愛情を注いであげましょう。

パグは公園で駆け回るような激しい遊びよりも、飼い主さんの膝の上に座って抱っこされるような、落ち着いた状況を好む傾向があります。だからといって遊びが嫌いというわけではなく、落ち着いた状況で飼い主さんとの触れ合いを楽しんでいます。あまり自らアピールしてくるタイプではありませんが、人懐っこい性格の個体が多いため、たくさん構ってあげるととても喜んでくれます。

稀に外で元気に走り回ることが好きな性格の子もいますが、パグのような気管支が狭い短頭種は酸欠になりやすいため注意してください。酸欠になると最悪の場合、命に関わる場合もございますので、休み休み遊ばせてあげましょう。

 

なりやすい病気

目が大きいパグは角膜炎やドライアイなどの眼疾患がしばしば見られます。顔のシワに皮膚炎を起こすケースも多いです。また、パグでの発生率が高いことから「パグ脳炎」と名付けられた病気もあります。

 

角膜潰瘍

パグは目が大きくて、個体によっては突出している場合もあるため、他の犬種と比べると目の角膜が傷つきやすくなっています。放置すると失明や眼球破裂を引き起こすこともあるため、目の赤みや涙が見られた場合は早期の治療が重要です。

皮膚病

パグは深いシワがあることや遺伝的に皮膚が弱いことから、皮膚病を発症しやすい犬種といわれています。パグがかかりやすい皮膚病は、アトピー性皮膚炎、アレルギー性皮膚炎、膿皮症の3つです。症状としては、顔や首のシワをはじめ、脇や足、鼠径部、耳など、体全体に痒みが引き起こされます。日頃から愛犬の様子を観察しながら皮膚を衛生的に保ち、ストレスを与えすぎないことが大切です。

壊死性髄膜脳炎(パグ脳炎)

大脳皮質の炎症によって壊死が起き、全身に神経症状が現れる疾患です。医学的に原因は究明されていませんが、重症化すると昏睡状態や死に至る場合もある危険な病気のため、日頃から様子がおかしな点はないか注意深く観察する必要があります。

 

臭い(体臭)

パグの顔の皺は湿っていて汚れも溜まりやすいため、他の犬種よりも臭くなりがちです。特に汚れのせいで炎症をおこしてしまうと、強い臭いを発するようになってしまうため、日常的にしっかりケアをしてあげましょう。

 

毛並みのお手入れ・グルーミングのしやすさ

パグは毛が短いためお手入れが楽そうに見えますが、実は非常に抜け毛が多い犬種です。特に夏場は洋服が毛まみれになってしまうほどですので、こまめなブラッシングで抜け毛を取り除いてください。

顔のシワは細菌の温床になってしまいますので、定期的に拭き取って清潔にしておきましょう。

また、パグはマズルが短いため歯間が狭く、歯周病になりやすいといわれています。歯がびっしりと並んでいるため歯磨きはやりづらいですが、歯周病予防のためにできるだけ行ってください。

 

食事

パグの成犬は平均体重がおよそ6.3~8.1kgなので、1日に445〜538kcalを必要とします。さらに、子犬の時は成長のためにたくさんの栄養を必要とするため、フードの量を増やしたり、子犬用のフードを与えてあげましょう。

パグには、一般的に犬が食べてはいけないとされているネギ類、ぶどう、チョコレート、カフェインが含まれるもの、人間の食べ物は与えないでください。これらの食材は、中毒などの危険な症状を引き起こす恐れがあります。

 

しつけ

パグは利口な犬種ですが、頑固さも持ち合わせています。そのため、一度覚えたことをそのまま貫き通す傾向があり、修正させるのが大変です。事前に家族間でコマンドを統一させるなど、慌てず丁寧に、ブレのないしつけを行いましょう。

また、子犬の頃からいろいろな物や環境を経験させて、さまざまな刺激に慣れさせることが大切です。健康管理をしやすいように、足先やしっぽ、耳、口周りなど、体を触られることにも慣れさせておきましょう。

縄張り意識が低いパグは、吠えることは少ないといわれています。しかし、嬉しさのあまり興奮して吠えることもあるので、まずは落ち着かせ、安心させてあげてください。

また、フレンドリーな性格から、見ず知らずの人にでも構わず飛びついてしまうことがあります。犬が苦手な人の場合は怖がらせてしまったり、小さな子どもや高齢者の場合はケガをさせてしまったりする可能性もあるので、リードを短く持ち、飛びつこうとしたらすぐ制止できるようにしましょう。

 

他のペットとの共存度

パグは犬種を生み出す段階で適切に訓練されており、誰とでも仲良くできる性格になるよう作られた犬種のため、他のワンちゃんたちとももちろん上手に付き合っていくことができます。さらにしっかり社会化トレーニングを行っておけば、猫やウサギといったさまざまな小動物とも信頼関係を築くことが可能です。

また、パグは優しい性格で、小柄な割にしっかりとした体格をしているため、人間の子どもや大型犬の子犬とも相性が良い犬種です。ただし、構造上あまりアクティブな遊びをすると体調を崩しかねないため、激しいスポーツで遊ぶよりも、ある程度落ち着きのある遊びの相手として向いているでしょう。

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