ビタミンやミネラル、食物繊維など栄養豊富な「ブロッコリー」。
ブロッコリーは、犬の健康維持に役立つ食材なので、基本的に食べさせても問題ありません。
しかし、安全に与えるための方法や適量など、いくつかの注意点があります。
場合によっては、避けた方がいいケースもあるので事前にチェックしておきましょう。
この記事では、ブロッコリーを与える際のポイントやメリット、注意点について詳しく解説します。
犬はブロッコリーを食べても大丈夫!
結論から言うと、犬にブロッコリーを与えても大丈夫です。
ここでは、ブロッコリーを与える際のポイントを紹介します。
犬にブロッコリーの芯を与えても大丈夫?
ブロッコリーは蕾だけでなく、芯も犬に与えることができます。
ただし、硬いブロッコリーの芯は消化しにくい傾向があります。
そのため、愛犬が食道に詰まらせてしまう恐れがあります。
とくに、食道が細い小型犬や子犬は注意が必要です。
犬にブロッコリーの芯を与える際は、安全に食べられるように工夫してあげましょう。
ブロッコリーの調理方法については、後ほど詳しく解説します。
犬にブロッコリーを与えるときの適量
犬にブロッコリーを与えるときは、適量を守りましょう。
主食に総合栄養食を与えていれば、基本的にそれ以外の食事は必要はありません。
ブロッコリーを与えすぎると、主食を残して栄養が偏ったり、消化器系の不調を引き起こしたりする可能性があります。
あくまでも、ブロッコリーはおやつやトッピングとして考えて、主食をきちんと食べられるように工夫しましょう。
犬に野菜を与える際の許容量は、1日に必要なカロリーの10%以内です。
しかし、ブロッコリーは低カロリーなので、カロリーで判断すると量が過剰になってしまうことがあります。
犬の年齢や健康状態、運動量によっても適量は異なりますが、以下の目安を参考に、愛犬に合わせて量を調整しましょう。
| 犬の体重 | 1日のブロッコリー給与量 |
| 超小型犬 (3kg以下) |
〜20g (1房程度) |
| 小型犬 (3kg~8kg) |
〜45g (3房程度) |
| 中型犬 (8kg~20kg) |
〜80g (5房程度) |
| 大型犬 (20kg~) |
~100g (6~7房程度) |
犬にブロッコリーを与えるメリット5選

「緑黄色野菜の王様」として知られるブロッコリーには、犬の健康維持に役立つ栄養素がたくさん含まれています。
ここでは、犬にブロッコリーを与えるメリットを5つ紹介します。
| ブロッコリーの主な栄養素 | 可食部100gあたり |
| エネルギー | 37kcal |
| ビタミンC | 140mg |
| β−カロテン | 900μg |
| カリウム | 460mg |
| カルシウム | 50mg |
| マグネシウム | 29mg |
| リン | 110mg |
| 鉄 | 1.3mg |
| 食物繊維 | 5.1g |
抗酸化作用のあるビタミンCを摂取できる
ブロッコリーには、100gあたり140mgと、レモンの2倍以上ものビタミンCが含まれています。
ビタミンCはコラーゲンの生成を促し、皮膚や粘膜、骨、血管などの健康を保つ働きがあります。
他にも、強い抗酸化作用によって、病気や老化予防、免疫力の向上も期待できます。
犬は体内でビタミンCを合成できますが、ストレスや老化、健康状態によって必要量が増えることがあります。
とくに、肝臓に疾患がある犬や関節トラブルを抱えている犬、皮膚が弱い犬、運動量が多い犬には、ビタミンCを積極的に与えるのがおすすめです。
βカロテンが目の健康維持に役立つ
ブロッコリーに含まれるβ-カロテンは、体内でビタミンAに変換されます。
ビタミンAは「目のビタミン」とも呼ばれており、視力維持や白内障の予防など、目の健康を保つ効果が期待できます。
さらに、皮膚や被毛、歯、粘膜の健康もサポートします。
また、ビタミンCと同じく、強力な抗酸化作用もあるので、病気や老化の原因となる活性酸素を減らす効果も期待できるでしょう。
ミネラルが体のさまざまな機能を正常に保つ
ブロッコリーにはカリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄など、犬の体に必要なミネラルがバランスよく含まれています。
これらのミネラルはお互いに助け合いながら、体のさまざまな機能を正常に保つ役割を担っています。
ミネラルの主な働きは以下の通りです。
- 骨や歯の構成成分になる
- 体液のバランスを調節する
- 酵素の働きを活性化する
- 神経や筋肉の動きを正常に保つ
なかでもブロッコリーには、体液の浸透圧を調整したり、余分なナトリウムを排出したりする働きがあるカリウムが多く含まれています。
食物繊維が便通を改善する
食物繊維には、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があります。
ブロッコリーには両方の食物繊維が含まれており、とくに不溶性食物繊維が豊富です。
不溶性食物繊維は腸内で水分を吸収して膨らみ、便のカサを増やして、腸のぜん動運動を促す働きがあります。
ブロッコリーを適量与えることで、便通の改善や便秘予防が期待できるでしょう。
スルフォラファンに抗酸化作用が期待できる
ブロッコリーには、「スルフォラファン」という成分も含まれています。
この成分はイオウ化合物の一種で、強い抗酸化作用や解毒作用があることから、近年注目を集めています。
とくに、ブロッコリーの新芽である「ブロッコリースプラウト」に多く含まれているのが特徴です。
病気や老化の予防のほか、近年ではがんを予防する効果も期待されています。
ただし、これらの効果については、犬での有効性を示す確かなデータはまだ得られていないので、注意してください。
犬にブロッコリーを与えるときの注意点
犬にブロッコリーを与えるときは、調理方法や与え方にも注意する必要があります。
また、健康状態によって、ブロッコリーを与えない方がいい場合もあります。
ここでは、注意するべきポイントを紹介します。
塩や油を使わずに加熱して与える
生のブロッコリーは消化しにくく、細菌が付着している可能性もあります。
食中毒のリスクを避けるためにも、犬に与える際は必ず加熱するようにしましょう。
とくに、硬い芯の部分は皮を剥くのがポイントです。
調理する際は、犬の体に負担をかけないように、塩や油は使わずにお湯だけで茹でましょう。
ブロッコリーに含まれるカリウムやビタミンCは水に溶けやすいので、電子レンジを使ったり蒸したりする方法もおすすめです。
犬が食べやすいサイズにカットする
ブロッコリーを犬に与える際は、喉に詰まらせないように食べやすいサイズにカットしましょう。
小さく刻んだりミキサーにかけたりすることで、消化がしやすくなります。
新芽のブロッコリースプラウトも与えられますが、細長い形状なので喉に引っかかる可能性があります。
そのまま与えず、細かくカットしてあげることが大切です。
とくに、消化機能が未熟な子犬や、消化機能が低下している老犬には、より細かくして与えるようにしましょう。
アレルギーが出ることがある
ブロッコリーに対してアレルギーが出る犬もいます。
そのため、初めて与える際は少量だけ与えて、下痢や嘔吐、かゆみなどのアレルギー症状が出ないか確認することが大切です。
体調に異変がないようであれば、徐々に量を増やしていきましょう。
異変が現れた場合は、早めに動物病院を受診してください。
また、ブロッコリーはアブラナ科の野菜なので、アブラナ科アレルギーのある犬には与えないようにしましょう。
腎臓病がある犬や甲状腺機能が低下しているときには与えない
ブロッコリーにはカリウムが多く含まれているので、腎臓病がある犬に与える際には注意が必要です。
腎臓の機能が低下している犬は、余分なカリウムをうまく排出できず、高カリウム血症を引き起こしてしまう可能性があります。
また、ブロッコリーに含まれる「グルコシノレート」という成分には、甲状腺ホルモンの分泌を阻害する作用があります。
そのため、甲状腺機能が低下している犬にも与えないようにしましょう。
尿路結石の既往歴がある犬や消化機能が弱っている犬には与えない
ブロッコリーにはシュウ酸が多く含まれているので、過剰に摂取してしまうと尿路結石の原因になることがあります。
そのため、尿路結石を患っている、または過去に患ったことがある犬には与えないようにしましょう。
また、ブロッコリーは食物繊維が豊富で水分量も多いので、過剰に摂取すると消化不良を引き起こす可能性があります。
消化機能に異常があったり、消化機能が弱っていたりする犬に与える際は、少量にとどめることが大切です。
犬にブロッコリーを与えるときは適量や注意点を守ろう

ブロッコリーは栄養豊富で、さまざまな健康効果が期待できます。
基本的には犬も食べることができるので、おやつやトッピングに取り入れてみるのもいいでしょう。
今回紹介した情報を参考にして、適量や注意点を守りながら健康維持に役立ててみましょう。
ただし、愛犬の体質や健康状態によっては、ブロッコリーを避けた方がいい場合もあるので注意が必要です。
愛犬にブロッコリーを食べさせていいか不安なときは、かかりつけの動物病院に相談してください。




















