夏野菜の中でもシャキシャキとした食感が人気の「きゅうり」。
野菜が大好きな愛犬に与えてあげたいと思われる飼い主様もいらっしゃるのではないでしょうか?しかし、愛犬には与えてはいけない野菜もあるので「愛犬にきゅうりを与えても大丈夫なの?」という飼い主様が心配される点もあります。
ここでは、きゅうりは犬にとってどんな効果があるのか、与え方や効能について詳しくご紹介します。
犬にきゅうりを食べさせても構わないの?
野菜を好むわんちゃん達には歯ごたえのある「きゅうり」を食べさせてあげたいと思われる飼い主様もいらっしゃいます。シャキシャキとした食感と豊富な水分が魅力のきゅうりは、愛犬が食べても害のない野菜に入るので安心して与えることのできる野菜です。
また夏野菜の中でも「きゅうり」は95%が水分であるとされており、以前は世界一栄養がない野菜とも言われていました。しかし、近年の研究ではきゅうりの様々な効能が発見されており、夏バテ予防やダイエット、美白効果まで見つかりました。
ここではきゅうりの詳しい効果と成分をご紹介します。
きゅうりの成分は犬に害を与えないものなので大丈夫!
きゅうりの成分には、玉ねぎなどのネギ科のような犬にとって有毒成分「アリルプロピルジスルフィド」などの成分は一切含まれていせん。むしろ、夏にはぴったりの夏バテ予防のカリウムや夏の大病である夏血栓を防ぐシトルリンなど進んで摂取しておきたい成分が含まれています。
また夏の大病と呼ばれる夏血栓とは、高血糖が原因で血管内が傷付くことがあります。この血管内の傷がかさぶたになることで、その部分に血が溜まり「血栓」という血の塊ができますが、血流の流れにのって脳や心臓に血栓が流れてしまうと突然死の原因にもなるので注意が必要です。きゅうりに含まれるシトルリンの効果とは、血管の拡張作用があるので、血栓になる原因を防いでくれることが期待されます。
つまり、きゅうりは人にも愛犬にも効果的な成分が含まれているということですね。実はきゅうりには、まだまだ知っておきたい愛犬に効果的な成分があります。
きゅうりに含まれている成分はこちら!
ビタミンC
人であれば美白効果とも言われているビタミンCですが、愛犬にとっても皮膚トラブルの改善や綺麗な皮膚や被毛の維持、免疫力をアップしてくれるなど健康維持には必要な成分です。愛犬は自分の体内でビタミンCを生成していますが、病気や老化などで生成量が減ることもありますので、補助としてビタミンCが含まれるきゅうりなどの食材を与えてあげることは大切です。
Bカロテン
Bカロテンは体内に入ると必要に応じてビタミンAに変化する成分なので、BカロテンとビタミンAの効果は、抗がん作用や免疫アップだけでなく視力維持や皮膚や粘膜の健康維持、また病原菌から喉や肺を守る働きがあるためクーラーをきかせることが多い夏にはおすすめです。
カリウム
夏は何かと塩分を摂取することが多くありますが、カリウムは過剰に摂取した塩分に含まれるナトリウムを体内から排出してくれる効果があります。このため大量に汗をかくと水分や塩分だけでなく同時にカリウムという成分も失われています。そんなカリウムが愛犬に与える効果は人と同じで、ナトリウムの排出や血圧を下げる効果、利尿作用やむくみの軽減などがあります。
ホスホリパーゼ
あまり聞き慣れない成分ホスホリパーゼとは酵素の一種類で、脂肪を分解する働きがあります。きゅうりに含まれる、このホスホリパーゼを摂取することでダイエット効果があると言いますが「きゅうりダイエット」は人間用であるため愛犬が肥満気味であっても適量を与えることが大切です。
きゅうりの水分
人の場合であると夏場は汗をかいて体内の水分が不足しがちになりますが愛犬達も、人と同じのように体内の水分を消費しているので夏場の水分補給は重要です。
特に、夏野菜の中でも「きゅうり」は95%が水分という豊富な水分量を有します。
このため愛犬に、きゅうりを与えることはきゅうりに含まれる効果的な成分と同時に豊富な水分を体内に摂取できるため夏場の脱水症状を防ぐことも可能です。
きゅうりが嫌いな子には無理に与えないようにしましょう
勿論、愛犬にも人と同じように好みがあるため「きゅうり」が嫌いという子もいます。体に良いからといって無理に食べさせることは止めてあげましょう。
愛犬に野菜など健康食材を与えるときに大切なことは、「愛犬が喜んで食べてくれること」が一番重要です。やはり、愛犬が喜んで「きゅうり」を食べてくれる姿を見る方が飼い主様も嬉しいだけでなく愛犬も自分が好きな食材を食べることが一番の幸せなのではないでしょうか。飼い主様と愛犬のためにも、きゅうりが嫌いな子には無理に与えないようにしましょう。
犬にきゅうりを与える際のポイントや注意点とは?
生のままで、すりつぶして食べさせましょう!
愛犬にきゅうりを与える際、特に重要なポイントはきゅうりに含まれるホスホリパーゼなどの酵素の力を有効活用するためには「生のままで、すりつぶして与えること」が一番の方法であると言われています。
きゅうりをすりつぶす方法ですが、酵素は熱に弱いため、熱が発生しにくい低速ジューサーの活用またはすり鉢などですりつぶした汁などを使用することがおすすめの与え方です。
リンゴ酢を少し加えて与えるのも良いんです!
もちろん、きゅうりは生のまま食べても問題ないと言えますが、きゅうりの成分にはビタミンCを破壊する「アスコルビナーゼ」という酵素も含まれているため、アスコルビナーゼの働きを弱めるリンゴ酢などを少し加えることでより効果的に与えることができます。
きゅうりには絶対味を付けないようにしましょう
人が食べるのと同じように、きゅうりにマヨネーズやドレッシングなどで味を付けて与えることはしないよう絶対に気を付けてください。ドレッシングにはオニオンが入っていることもあり、マヨネーズには愛犬に不要な成分が多く含まれています。
愛犬の体に害のある成分が含まれていては、せっかくのきゅうりの栄養素が台無しになってしまう恐れもあります。このため、飼い主様はきゅうりに味がないからと、マヨネーズやドレッシングで味を付けて愛犬に与えることがないように注意してください。
きゅうりの食べ過ぎにより健康面への害が懸念されることも
きゅうりを愛犬が欲しがるからと与え過ぎ、食べ過ぎは嘔吐や下痢などの健康面への悪影響が懸念されます。人と違い愛犬の消化器官は野菜などの食材を消化することが得意ではないので与える量は気を付けてあげる必要があります。また初めて、きゅうりを愛犬に与える場合は、2~3cmくらいの大きさを目安に小さくカットして小型犬であれば3分の1以下からの少量で与え初めてください。
食べさせ過ぎると吐く原因になったり嘔吐を引き起こすこともある
愛犬がきゅうりを食べ過ぎるとどうなるの?という飼い主様の疑問も多くあります。上で記載した通り、きゅうりは95%が水分であるため食べ過ぎると胃酸過多によって嘔吐や下痢の原因になります。このほか、きゅうりは体を冷やす効果があるので継続的に食べ過ぎていた場合は体内の血流が悪くなり、内臓機能の低下で便秘になる原因にもなります。
きゅうりを食べると結石が出来るの?
飼い主様の会話で「きゅうりを食べると結石ができる…」そんな話しを一度は耳にしたこともあるかも知れません。では、本当にきゅうりには愛犬に結石ができる成分が含まれているのでしょうか?
ここで、きゅうりと結石の関連性について見てみましょう。
きゅうりに含まれる成分は結石との関連性は考えにくい
飼い主様の間できゅうりを食べると結石ができると囁かれていますが、愛犬達の尿路疾患である結石に影響する成分は、シュウ酸カルシウムやマグネシウムです。
しかし、きゅうりに含まれるシュウ酸カルシウムやマグネシウムといった成分はごく僅かであるため、きゅうりを食べることで愛犬が結石になる原因には至らないと考えられています。
愛犬にきゅうりを食べさせる際はアレルギーに注意!
きゅうりのアレルギー性について
愛犬の体に良いからと「きゅうり」を食べさせ続けることには注意が必要です。
実は、きゅうりなどウリ科には「リゾチーム」というタンパク質のアレルゲンが含まれています。また、きゅうりやトマト、リンゴなどには「サリチル酸化合物」というアレルギーのような症状を引き起こす成分が含まれているとされています。
きゅうりアレルギーで引き起こる症状は以下のようなものがあります。
・口の中に違和感
・唇や口の周り、顔などが腫れる
・くしゃみや咳などの呼吸に異常
・湿疹など皮膚への異常
・腹痛や嘔吐または下痢などの症状
このような症状が愛犬に見られた場合は、きゅうりアレルギーである可能性があるので愛犬にきゅうりを与えることを止めて、動物病院に相談してください。また、アレルギー体質の愛犬でなくとも愛犬に同じ野菜や食材を継続して食べさせ続けることはアレルギーが引き起こる原因になります。
愛犬の健康のために野菜を与える際には、毎日同じ野菜ではなく適度なローテーションを組むことが上手な野菜の与え方としておすすめです。
きゅうりの手作りレシピで愛犬に美味しく食べてもらいましょう!
きゅうりに含まれる成分には注意点もありますが、もちろん夏野菜であるきゅうりには暑い夏にこそ、おすすめしたい効果的な成分がたくさん含まれています。
そんな夏におすすめのきゅうりの手作りレシピをご紹介していきますので、ぜひ手作りレシピを活用して、愛犬に美味しくきゅうりを食べてもらいましょう!
愛犬も大好きになる!きゅうりを添えた豚しゃぶレシピ
材料(1食分)愛犬の体重17kgあたり:豚肉100g、キャベツ60g、きゅうり10g、味付き昆布:少々
① きゅうりは千切りにしておく。キャベツをひとくちサイズにカットして、鍋に入れて火にかける
② ①に豚肉を加えて一緒に煮立て、火が通ったら皿に盛りつける
③ ②がほどよく冷めたら①で千切りにしておいたきゅうりを乗せて、最後に味付き昆布を少々トッピングして出来上がり
豆腐と夏野菜を使ったボリューミーサラダ
材料(1食分)愛犬の体重6kgあたり:豚ひき肉30g、なす20g、きゅうり10g、ミニトマト1個、豆腐50g、オリーブオイル:適量
① 野菜と豆腐を愛犬に合わせた適度な大きさにカットする
② 熱したフライパンにオリーブオイルを引いて、豚のひき肉を炒める
③ 豚肉に火が通ったら、なす、きゅうり、ミニトマトの順に炒める
④ 最後に③と豆腐と混ぜて、皿に盛りつけてほどよく冷めたら出来上がり
まとめ
夏野菜の中でもシャキシャキとした食感が人気のきゅうりにはアレルギーなどの注意点もありますが、人や愛犬が暑い夏を乗り切るために必要な成分がたくさん含まれていました。
ここで、きゅうりの効果と成分をまとめましょう。
皮膚や被毛の艶を改善・維持するビタミンC
視力維持や免疫力アップのBカロテン
夏血栓を防ぐシトルリン
ナトリウムの排出や夏バテ予防のカリウム
ダイエット効果があるホスホリパーゼ
脱水症状を防ぐ95%のきゅうりの水分量
もちろん、きゅうりは効果的な成分を多く含んでいますが、食べ過ぎは嘔吐や下痢などの健康面への影響があるので、必ず適量を与えるように注意が必要です。
また、飼い主様が愛犬にきゅうりを与える際には毎日同じ野菜ではなく適度なローテーションを組むことや初めて生のきゅうりを与える際には3分の1以下の少量を「すりつぶして」リンゴ酢を少し加えたものがおすすめです。
愛犬の様子を見ながらぜひ手作りレシピなどを活用して、愛犬に美味しくきゅうりを食べてもらいましょう!