栄養価の高い野菜「ゴーヤ」。
とはいえ犬に与えてもよいものなのでしょうか?
また、愛犬が誤って食べてしまい、不安に思っている人もいるかもしれません。
結論からいうと、犬はゴーヤを食べても大丈夫です。
むしろ、ほどよく摂取させることで健康維持に役立つ食材のひとつといえます。
この記事では、犬にゴーヤを与える際の量や注意点を解説していきます。
犬はゴーヤを食べても大丈夫!
カロリーが少なく栄養価が高いため、犬の食事にも積極的に取り入れたいゴーヤ。
犬がゴーヤを食べることで中毒になる心配はないので、安心して食べさせることができますよ。
ただし、消化面を考えると、生で与えるのは控えたほうがよいでしょう。
ゴーヤに中毒成分はない
ゴーヤは犬にとって中毒となる成分はないため、安心して与えることができます。
しかし、ゴーヤには独特な苦味があることはよく知られており、この苦味を嫌がる犬もいるかもしれません。
実はゴーヤの苦味には『モモルデシン』という身体に良い成分が含まれています。
モモルデシンの主な効果は血糖値や血圧を下げてくれたり、胃の粘膜を守り調子を整えてくれたりすること。
夏の食欲増進に役立つので、愛犬が嫌がらないのであれば積極的に与えてあげたいですね。
ゴーヤは犬の健康に役立つ栄養素がたっぷり!
モモルデシン以外では、以下の栄養素が犬の健康をサポートしてくれます。
栄養素 | はたらき |
カリウム | ・ 塩分排出による血圧維持 ・ 利尿作用で体内の水分量を調整し、代謝アップ |
βカロテン | ・ 抗酸化作用 ・ 免疫力アップ |
ビタミンK | ・ 出血時の止血効果 ・ 骨のタンパク質とカルシウムの結合活性化し骨を丈夫にする |
ビタミンC | ・ 抗酸化作用 ・ コラーゲン生成補助 ・ 免疫力アップ |
このようにゴーヤには、犬の体を丈夫に保ち免疫力をアップさせるビタミン類や、塩分の調整をしてくれるカリウムなどが豊富に含まれています。
ゴーヤを生で与えても大丈夫?
ゴーヤを生で与えるのはNGです。
犬は野菜の消化が苦手な動物であるため、ゴーヤを生で与えることで消化不良や下痢になる可能性があります。
犬が消化不良や下痢を起こさないためには、ゴーヤをしっかりと加熱してから与えてくださいね。
また、子犬は消化器官が未発達のため要注意!
加熱したゴーヤであっても、消化不良を起こしやすくなります。
与えるメリットよりも身体への負担の方が大きくなるため、子犬のうちはゴーヤを与えないようにしましょう。
犬が食べてもいいゴーヤの量
犬が食べてもいいゴーヤの量は体重によって変わりますが、摂取カロリーの10%以内が適量になります。
体重別の量としては以下の量が目安になります。
【超小型犬(体重4kg未満)】 (チワワ、トイプードルなど) |
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1日の摂取カロリー | 摂取できるゴーヤの量 |
約112kcal〜317kcal | 11kcal〜31kcal (30g〜90g) |
【小型犬(体重10kg以下】 (柴犬、ミニチュアダックスフンドなど) |
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1日の摂取カロリー | 摂取できるゴーヤの量 |
約374kcal〜630kcal | 37kcal〜63kcal (110g〜190g) |
【中型犬(体重25kg以下)】 (ボーダーコリー、ビーグルなど) |
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1日の摂取カロリー | 摂取できるゴーヤの量 |
約677kcal〜1253kcal | 67kcal〜125kcal (200g〜375g) |
【大型犬(体重25kg以上)】 (ゴールデンレトリバー、セントバーナードなど) |
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1日の摂取カロリー | 摂取できるゴーヤの量 |
約1290kcal〜2563kcal | 129kcal〜256kcal (385g〜770g) |
飼い主が知っておきたい!犬にゴーヤを与える際の注意点
ゴーヤは栄養価が高いので、犬にも積極的に与えたい食材です。
ただし、犬にゴーヤを与える際は、安全に食べてもらうためにも次の4つのポイントに注意しましょう。
ゴーヤの種・ワタは取りのぞく
犬にゴーヤを与えるときは、種とワタを必ず取り除きましょう。
ゴーヤの種やワタを犬が誤って飲み込んでしまうと、喉に詰まらせてしまったり、消化できずに腸閉塞を引き起こしたりする可能性があるためです。
種そのものに中毒成分はありませんが、種のまわりの果肉が甘いため、好んで食べてしまう犬も中にはいます。
愛犬が安全に食べられるように、飼い主さんがしっかり配慮をしてあげましょう。
アレルギーのある犬は要注意!
ゴーヤに中毒成分はないとお伝えしましたが、アレルギーについては気をつける必要があります。
犬にどのようなアレルギーがあるかは、与える前に見極めるのが難しいので、まずは少量から与えてみてください。
与えてから1時間以上は犬が辛そうにしていないか様子を見るようにし、嘔吐をしないようであれば、少しずつ量を増やしてみてください。
どんな食材でも初めて与えたときは、犬の様子を注意深く見てあげてくださいね。
腎臓病の犬にはゴーヤを与えない
腎臓病を抱えている犬はカリウムの排出がうまくできないので、ゴーヤを与えてはいけません。
血中のカリウム濃度が基準値を超えると、主に以下の症状を引き起こします。
- 四肢のしびれ
- 筋力の低下
- 嘔吐
- 不整脈
血中のカリウム濃度が高くなると『高カリウム血症』になる確率が上がり、最悪の場合は生命の危険も考えられます。
いくら身体に良いといわれる栄養素であっても、犬の状態によっては毒になることがあるのです。
愛犬に腎臓病があるときは、カリウムに注意することを念頭に置き、必ず獣医師に相談してから与えるようにしてください。
味付けして与えるのはNG!
人間がゴーヤを食べるときの代表的な料理としてゴーヤチャンプルーがありますが、犬にはご法度です!
なぜならば、犬にとっては味付けしてあるご飯は『塩分過多』となってしまうからです。
塩分の取りすぎは腎臓病にもつながります。
犬は人間と同じようにゴーヤを摂取できますが、人間と同じ調理方法で与えないように気をつけましょう。
犬はゴーヤを食べられる!しっかり加熱して与えよう!
犬の健康を維持するための食材のひとつとして、低カロリーで栄養価の高いゴーヤはとても適しています。
特に夏の暑い時期は、わんちゃんも夏バテ気味になりますよね。
そんなときは、食欲を増進してくれるゴーヤを『夏バテ予防』として与えるのもおすすめです。
ただし、この記事でお伝えしてきたとおり、どんな状態で与えても良いというわけではありません。
まずは、犬の持病やアレルギーの有無を確認し、量や調理方法をしっかり守って安全に犬の健康向上につとめましょう。
まとめ
- 犬はゴーヤを食べられる
- 生のままゴーヤを与えるのはNG。細かく切って加熱する
- 栄養価が高いため、健康維持にもおすすめ
- 犬の持病やアレルギーには注意する
- 犬の体重別の量を守って与えすぎに注意
- 塩分過多にならないように味付けはしない