豆腐を作る過程で生まれるおからは、食物繊維や植物性タンパク質を豊富に含むヘルシーな食材です。
そんなおからを、愛犬の健康維持やダイエットサポートに役立てたいと考えている飼い主さんも多いのではないでしょうか。
結論からいうと、おからは犬に与えても問題ありません。
ただし、与える量や与え方を間違えると、消化器への負担や体調不良につながる可能性があります。
また、生おからとおからパウダーでは特徴が異なるので、それぞれの違いをしっかりと理解しておくことも大切です。
この記事では、犬におからを与える際の基本知識やメリット、適切な量、注意点について詳しく解説します。
犬におからをあげても大丈夫!基本の知識
おからは基本的に犬に与えても問題ありません。
おからは豆腐を作る過程で生まれる搾りかすであり、豆腐も犬に与えても問題ない食材だからです。
健康な犬であれば、普段のフードに少量トッピングしたり、おやつ代わりに与えたりすることができます。
ただし、卯の花やおからクッキーなど、人向けに味付けされた加工品は犬には向いていません。
塩分や糖分のほか、犬が食べると危険な食材が含まれている可能性もあります。
愛犬に与える場合は、味付けされていない生おからや、おからパウダー(乾燥おから)を選ぶようにしましょう。
生おからとおからパウダーの違い
おからには、大きく分けて「生おから」と「おからパウダー(乾燥おから)」の2種類があります。
生おからは、大豆の搾りかすそのもので、水分を多く含んだしっとりとした状態が特徴です。
大豆本来の風味を感じやすい反面、傷みやすく、冷蔵保存でもあまり日持ちしません。
一方、おからパウダーは生おからを乾燥させて粉末状にしたもので、保存性に優れています。
生おからに比べて保管しやすく、フードに混ぜたり手作りごはんに活用したりと、使い勝手が良いのも魅力です。
それぞれ特徴が異なるので、愛犬の食事スタイルや飼い主さんの使いやすさに合わせて選ぶといいでしょう。
おからに含まれる犬に嬉しい栄養素
おからには、大豆由来の植物性タンパク質をはじめ、ビタミンやミネラルなどさまざまな栄養素が含まれています。
なかでも食物繊維が豊富で、愛犬の健康維持をサポートしてくれる食材として注目されています。
おからに含まれる主な栄養素は以下の通りです。
| 栄養素 | 種類・成分 | 特徴と主な働き |
| タンパク質 | 植物性タンパク質 | 筋肉、骨、臓器、皮膚、被毛などを構成する成分であり、健康維持に欠かせません。 |
| 食物繊維 | 不溶性食物繊維 | 水分を吸収して膨らみ、腸のぜん動運動を促します。 |
| ビタミンB群 | ビタミンB1/B2/B6 ナイアシン |
エネルギー代謝を助け、疲労回復や皮膚・被毛の健康を支えます。 |
| ミネラル類 | カリウム カルシウム マグネシウム 鉄 |
骨の形成、血圧安定、心機能の維持、血液の酸素運搬に関わります。 |
| その他成分 | イソフラボン サポニン セレン レシチン |
抗酸化作用による免疫向上や、脳神経の健康維持をサポートします。 |
このように、おからには愛犬の健康維持に役立つ栄養素がバランスよく含まれています。
ただし、おからだけで必要な栄養を補えるわけではありません。
あくまでも主食を補うトッピングや副食として活用することが大切です。
犬におからを食べさせるメリット

おからには、愛犬の健康維持に役立つ栄養素が豊富に含まれています。
適量を取り入れることで、腸内環境のサポートや体重管理などに役立つ可能性があります。
ここでは、おからを食事に取り入れることで期待できる代表的なメリットを紹介します。
腸内環境を整える
おからには不溶性食物繊維が豊富に含まれています。
不溶性食物繊維は水分を吸収して膨らむ性質があり、腸を刺激して便の排出をサポートしてくれるのです。
そのため、便秘気味の犬の排便をサポートする効果が期待できるでしょう。
また、便のかさが増えることで腸の動きが活発になり、腸内環境の維持にも役立つと考えられています。
ただし、与えすぎると便が硬くなったり、かえって便秘の原因になったりすることもあります。
愛犬の便の状態を確認しながら、適量を与えることが大切だといえるでしょう。
ダイエットのサポートをしてくれる
おからは低カロリーで食物繊維が豊富なので、ダイエット中の愛犬にも取り入れやすい食材だといえます。
生おからのカロリーは100gあたり88kcal。
おからパウダーは100gあたり333kcalですが、おからパウダーは水分を吸収すると大きく膨らみます。
そのため、少量でも満腹感を得やすいのが特徴です。
普段のフードに適量のおからを加えることで、食事量を増やしたような満足感を得られ、食べ過ぎ防止に役立つことがあります。
ただし、おからだけでダイエット効果が得られるわけではありません。
運動や食事全体のバランスも意識しながら取り入れることが大切です。
【体重別】犬に与えていいおからの量
おからを与える際は、主食の代わりではなく、トッピングやおやつとして取り入れるようにしましょう。
一般的に、副食やおやつは1日に必要な総摂取カロリーの10%以内に収めることが推奨されています。
おからも与えすぎると栄養バランスが偏る原因になるので、適量を守るようにしましょう。
愛犬の体重別の目安量は以下の通りです。
| 犬のサイズ (体重) |
1日の 必要カロリー |
生おから の最大量 |
乾燥おから の最大量 |
| 小型犬 (5kg) | 374kcal | 約42.5g | 約11.2g |
| 中型犬 (15kg) | 854kcal | 約97.0g | 約25.6g |
| 大型犬 (30kg) | 1436kcal | 約163.2g | 約43.1g |
参考:日本食品標準成分表(八訂)増補2023年
※ 生おからは88kcal/100g、乾燥おからは333kcal/100gで算出。
※ 避妊・去勢をした健康な成犬の場合
上記の量は、あくまでカロリー計算に基づいた1日の上限目安です。
実際には、ほかのおやつやトッピングを与えている場合、その分のカロリーも考慮する必要があります。
また、初めて与える場合は表の量ではなく、ごく少量から始めるようにしてください。
体質によってはお腹がゆるくなったり、消化器に負担がかかったりすることもあります。
まずは小さじ1杯程度から試し、体調や便の状態を確認しながら徐々に調整していくと安心です。
愛犬におからを与えるときの注意点

おからは犬に与えても問題ない食材ですが、与え方を間違えると体調不良の原因になることがあります。
とくに食物繊維が豊富なので、量や与え方には注意が必要です。
ここでは、おからを与える際に知っておきたい注意点を紹介します。
おからの与えすぎに注意する
おからには豊富な食物繊維が含まれており、適量であれば健康維持に役立つ可能性があります。
しかし、与えすぎると消化器に負担がかかり、便秘や下痢、嘔吐などの原因になることもあります。
また、食物繊維を過剰に摂取すると、ほかの栄養素の吸収に影響を与える可能性もあるので注意が必要です。
初めて与える場合は少量から始めて、愛犬の便の状態や体調を確認しながら量を調整してください。
毎日大量に与えるのではなく、適度な頻度で取り入れることが大切です。
おからは大豆アレルギーのある犬には与えない
おからの原料は大豆です。
そのため、おからは大豆アレルギーを持つ犬には与えないようにしましょう。
また、これまで大豆製品を食べたことがない犬の場合も注意が必要です。
初めて与える際はごく少量から始めて、体調に変化がないかを確認してください。
おからのアレルギー症状としては、以下のようなものがあります。
- 皮膚の赤みやかゆみ
- 顔や目の周りの腫れ
- 下痢や嘔吐
- 耳を頻繁にかく
- 体をしきりにかく
こうした症状が見られた場合は、おからを与えるのを中止し、かかりつけの獣医師に相談しましょう。
おからパウダーはふやかしてから与える
おからパウダーは非常に吸水性が高く、水分を含むと大きく膨らみます。
そのまま与えると口の中や喉の水分を吸収し、飲み込みにくくなる可能性があります。
また、一度に大量に与えてしまうと、消化器への負担につながることも考えられるので注意が必要です。
おからパウダーを与える際は、水やぬるま湯でしっかりと戻してから使用するようにしましょう。
とくにシニア犬や小型犬の場合は、十分に水分を含ませて食べやすい状態にしてあげると安心です。
生のおからは傷みやすいので加熱してから与える
生おからは水分を多く含んでいるので、傷みやすい食材です。
豆腐の製造工程で加熱処理されていることが一般的ですが、購入後の保存状態によっては品質が劣化することがあります。
そのため、安全に与えるためにも、家庭で再度加熱してから与えるようにしてください。
また、生おからは冷蔵保存でも日持ちしにくいので、できるだけ早めに使い切るようにしましょう。
使い切れない場合は、小分けにして冷凍保存しておくのがおすすめです。
しかし、鮮度が落ちたおからを与えてしまうと、下痢や嘔吐などの原因になる可能性があるので注意してください。
おからを与えてはいけない持病のある犬
おからにはさまざまな栄養素が含まれていますが、愛犬の健康状態によっては注意が必要な場合があります。
とくに食事管理が必要な病気を抱えている犬は、おからを与える前に獣医師へ相談する必要があるでしょう。
ここでは、注意が必要な代表的なケースを紹介します。
尿結石を患っている犬
おからには、マグネシウムやカルシウムなどのミネラルが含まれています。
尿結石の種類によっては、ミネラルの摂取量に配慮が必要になる場合があります。
そのため、ストルバイト結石やシュウ酸カルシウム結石などの尿結石を患っている犬は注意が必要です。
ただし、すべての尿結石の犬におからが禁止されるわけではありません。
病気の状態や療法食の内容によって対応が異なるので、自己判断せず獣医師に相談したうえで与えるようにしましょう。
腎機能が低下している犬
腎機能が低下している犬も、おからを与える際には注意が必要です。
腎臓病の犬は、ミネラルやタンパク質の摂取量を調整する必要がある場合があります。
おからにはミネラルや植物性タンパク質が含まれているので、病状によっては食事管理に影響することも考えられます。
ただし、腎臓病だから必ず与えてはいけないというわけではありません。
病気の進行度や現在の食事内容によって適切な対応が異なるので、かかりつけの獣医師に相談して判断することが大切です。
正しい量と与え方でおからを愛犬の健康に役立てよう

おからには、植物性タンパク質や食物繊維など、愛犬の健康維持に役立つ栄養素が多く含まれています。
適量を取り入れることで、腸内環境のサポートや体重管理に役立つ可能性もあるでしょう。
一方で、与えすぎると消化器への負担につながることがあり、大豆アレルギーや持病がある犬には注意が必要です。
愛犬の体調やライフステージに合わせて、適切な量と与え方を心がけるようにしましょう。
おからを与えていいか不安な場合や、持病がある場合は、事前にかかりつけの獣医師へ相談することをおすすめします。




















