甘くて栄養価の高いぶどうは愛犬に食べさせたいと思う飼い主さんもいるでしょう。
しかし、犬にとってぶどうは中毒症状や急性腎不全を起こす恐れがある危険な食材なので与えてはいけません。
この記事では、犬にぶどうを食べさせてはいけない理由と誤食してしまった時の対処法について紹介します。
犬にぶどうを与えてはダメな理由
犬にぶどうを与えてしまうと、中毒性症状を引き起こしたり急性腎不全を引き起こしたりする可能性があります。
犬の健康に悪影響を与える恐れがあるため、犬にぶどうを与えるのは絶対にやめてください。
以下に、ぶどうを与えてはダメな理由を詳しく解説しているので、きちんと目を通しておきましょう。
中毒性症状を引き起こす
2001年頃から、ぶどうやレーズンを大量に摂取した犬が中毒症状になったという事例が多く報告されるようになりました。
中毒症状の原因は明確にはわかっていませんが、最近ではカビ毒による汚染、重金属汚染、殺虫剤や農薬による汚染が中毒症状の原因ではないかと言われています。
急性腎不全を引き起こす
ぶどう中毒が重症化してしまうと、最悪の場合、急性腎不全を起こすこともあります。
腎不全になると血液中の老廃物や毒素をろ過できなくなるので、高カリウム血症や尿毒症を引き起こします。
急性腎不全は突然起こり、数時間から数日で症状が悪化し、最悪の場合死に至ることもある非常に怖い病気です。
犬がぶどう中毒になった時の症状
- 元気がなくなる
- 食欲不振
- 水をたくさん飲みだす
- 嘔吐
- 下痢
- 動きたがらない
- 食欲不振
- 嘔吐
- 脱水症状
- よだれが出る
- ほとんど排尿しなくなる
- 腎臓に痛みを感じることで背中を丸める
ぶどうを食べてから2〜5時間後に上記のような症状が出てきたら、ぶどう中毒や急性腎不全を起こしている恐れがあります。
全ての犬がぶどう中毒を起こすわけではありませんが、初めてぶどうを大量に食べた場合や、ぶどうを食べて上記の症状が表れた場合は、早めに動物病院を受診してください。
ぶどうの皮を剥けば犬にあげても大丈夫?
犬がぶどうを食べることで中毒症状が発生する原因ははっきりしていませんが、皮に付着している農薬が原因なのではないかという話が有力となっています。
理由としては、過去の症例の多くは皮付きのぶどうを食べて中毒症状を起こしたというデータが多いからです。
しかし、結局のところ原因ははっきりしておらず、皮を剥いて食べれば大丈夫だと断言できないので、基本的にはぶどうを与えないようにした方が良いでしょう。
ぶどうの加工品は?
レーズンはぶどうをドライフルーツ化させた食べ物なので与えてはいけません。
ぶどうを乾燥させることで、含まれている成分がギュッと濃縮されることになりますので、生のぶどうを食べるよりも危険です。
生のぶどうと比べて、ほんの少量食べただけでも腎臓病を引き起こしてしまう恐れがありますので、レーズンは絶対に与えないようにしてください。
犬がぶどうを誤食してしまった時の対処法
愛犬にぶどうを与えないようにしていても、目を離した隙に誤って食べてしまう可能性はゼロではありません。
最後に、愛犬がぶどうを食べてしまった時の対処法を解説します。
すぐに動物病院へ連れていく
犬がぶどうを食べてしまうと、急性腎不全になってしまう恐れがあります。
嘔吐や下痢、食欲不振などの明らかな症状がなくても早めに動物病院を受診しましょう。
脱水症状が見られたり尿の量が少なかったりする場合は、急性腎不全を発症している可能性があります。
100%発症するわけではありませんが、初めてぶどうを大量に食べてしまった場合は特に注意が必要です。
病院で適切な処置をしてもらうためには
- ブドウを食べた時間
- 量
- 状態(皮ごと食べたなど)
- 食べた後の症状
などをできるだけ詳しく説明できるようにしておきましょう。
ぶどうを食べた場合の検査や治療法とは
ぶどう中毒・急性腎不全になってしまった場合の検査方法や治療法はいくつかあります。
代表的なものとしては
- ぶどうを吐かせる嘔吐処置や胃洗浄
- 嘔吐や下痢によって失われた水分を補うための点滴(輸液)
などが挙げられます。
犬の症状から急性腎不全を発症している恐れがある場合は、腎臓の数値のチェックや炎症のマーカーなどの検査を実施します。
検査結果から腎臓にダメージを受けている可能性があれば、点滴治療や対処療法を繰り返しおこうなうため長期の入院や通院をすることになります。
このように急性腎不全になった場合は、死に至らなくても長期的な治療が必要となり、犬にとっても飼い主にとっても大きな負担となってしまいます。
また、急性腎不全の治療費は入院費用を含めて5万から10万円前後と経済的負担も大きいです。
犬がぶどうを誤食してしまわないよう注意
犬がぶどうを食べてしまう原因としては、誤食してしまうことが多いです。
甘い香りのするぶどうは犬にとって美味しそうに見え、食いしん坊で好奇心旺盛であれば特にパクッと食べてしまいます。
誤飲してしまわないように
- 犬でも届くテーブルの上などにぶどうを置かない
- 自宅でぶどうを食べる時に誤って床に落とさない
などの注意が必要です。
また、ぶどうと同じくレーズンが使用されているお菓子やパンにも注意しましょう。
犬にとってぶどうは毒になることを忘れないで!
ぶどうは犬にとって大変危険な食べ物です。
下痢や嘔吐などの中毒症状を引き起こすだけでなく、急性腎不全の原因になってしまうこともあります。
生のぶどうはもちろん、レーズンなどが入ったお菓子やパンなども、必ず愛犬が届かない場所に保管しておくことが大切です。
大切な愛犬がぶどうを誤飲してしまわないように飼い主さんが細心の注意を払ってあげましょう。