オス犬を飼う上で飼い主さんが考えなくてはならないことの一つに、「去勢手術をするべきかどうか」が挙げられます。
愛犬の去勢手術は、しなくてはならないものではありません。
そのため、最終的には飼い主さんの判断に委ねられます。
しかしそうなると、去勢手術をするべきかどうか迷ってしまう飼い主さんは多いでしょう。
そこで今回、去勢手術の実施状況や手術時期、費用などについて、飼い主さんにアンケート調査を実施しました。
愛犬の健康と幸せを願う飼い主さんにとって参考になる情報が満載なので、是非とも目を通してみてください。
犬の去勢手術をする飼い主は多い
アンケートによると、オス犬の飼い主さんの約7割が、愛犬に去勢手術を受けさせていることがわかりました。
多くの飼い主さんが、愛犬の健康や行動管理を踏まえたうえで、去勢手術を選択しているということです。
続けて「なぜ去勢手術を受けたのか、なぜ去勢手術を受けていないのか」というアンケートをとりました。
寄せられた回答がこちらです。
【去勢手術を受けさせた飼い主さんの理由】
- 病気予防のためと、少しでもストレスを減らせるようにしたかったからです。
- 病気のリスク軽減や性格が穏やかになるなどの情報を知ったからです。
- マーキングや警戒吠えが激しく、少し穏やかになればいいなと思いました。
- 望まない妊娠を避けるためです。
去勢手術を受けさせた飼い主さんの多くが、病気予防を主な理由として挙げていました。
加えて、マーキングや無駄吠えといった問題行動の抑制、そして望まない繁殖の防止も、去勢手術を決断する大きな要因となっていることがうかがえます。
より快適な共同生活を送るための選択として、去勢手術を行っている飼い主さんが多いようです。
【去勢手術を受けさせていない飼い主さんの理由】
- 年齢が行き過ぎて、今更やるのは可哀想に感じたからです。
- まだ成長段階で様子を見ているためです。
- 将来的に犬の子供が欲しいからです。
- 費用が掛かる点をためらってしまっているのが正直なところです。
去勢手術を受けさせていない飼い主さんの理由には、手術のタイミングを逃してしまったことや、愛犬の成長を見守っているといった回答が多く見られました。
また、将来的に子犬を望んでいるケースや、費用面での負担を懸念している声も少なくありません。
去勢手術にはメリットが多い一方で、飼い主さんのライフスタイルや考え方、経済的な事情が判断に影響を与えていることが分かります。
「生後6ヶ月前後」の犬に去勢手術をする飼い主が最多
去勢手術を実施した飼い主さんに調査を行ったところ、生後6ヶ月前後で去勢手術を受けている犬が最も多いという結果になりました。
次いで、1歳が44人、2歳が11人と、年齢が上がるにつれて人数が減っています。
つまり、多くの飼い主さんが、愛犬の成長の早い段階で手術を検討していることがわかります。
去勢手術に年齢制限はありませんが、できるだけ早めに行ったほうが体の負担は少なくなります。
そのため、子犬のうちに去勢手術を行う飼い主さんが多いのでしょう。
犬の去勢手術をしてよかった点・よくなかった点は何?
犬に去勢手術を受けさせた飼い主さんに「犬が去勢手術を受けてよかった思う点・よくなかったと思う点を教えてください」と尋ねたところ、以下のような回答が寄せられました。
リアルな声をもとに、去勢手術のメリット、デメリットについて考えていきましょう。
犬の去勢手術をするメリット
- 無駄吠えやマウンティング行為が減りました。
- マーキング行動が減り、穏やかな性格のまま成長してくれました。
- 病気の不安が減少したので安心感が増しました。
- 病気にかかるリスクが減ってよかったです。
去勢手術を受けさせてよかったと感じる点としては、無駄吠えやマウンティング、マーキングといった問題行動の減少が多数挙げられました。
去勢手術によって、愛犬がより穏やかな性格になり、快適に共同生活を送れるようになったと感じる人が多いようです。
また、生殖器系の病気(精巣腫瘍や前立腺肥大など)を予防できる安心感をメリットとして挙げる声も多く、去勢手術は愛犬の長期的な健康維持に貢献していることが分かります。
犬の去勢手術をするデメリット
- 食欲が増して、犬がかなり太りました。
- 太りやすくなって体重の管理が大変になったことです。
- 子供を作れなくなったことを後悔しました。
- 手術後ぐったりした姿を見て心が痛みました。
一方で、去勢手術を受けさせて「よくなかった」と感じる点では、体重増加に関する意見が多く寄せられました。
術後は、消費するエネルギーの減少やホルモンバランスの変化などで、犬が太りやすくなる傾向があります。
そのため、体重管理に苦労する飼い主さんは少なくないようです。
その他、愛犬の手術後の様子を見て、精神的な負担を感じたという飼い主さんも見られました。
犬の去勢手術の平均費用は「2万円~3万円」
犬に去勢手術を受けさせた飼い主さんに「去勢手術にかかった費用はどのくらいでしたか?」と尋ねたところ、「3万円台」が最も多く、次いで「2万円台」という結果になりました。
このことから、多くの飼い主さんが去勢手術に2万円から3万円程度の費用をかけていることがわかります。
手術費用は動物病院や犬の体重などによって変動しますが、この価格帯が一般的な目安といえるでしょう。
なお、自治体によっては去勢手術の助成金制度を設けている場合もあります。
費用負担を軽減するためにも、お住まいの自治体に助成金の有無を確認してみることをおすすめします。
去勢手術後に入院する犬は「約4割」
犬に去勢手術を受けさせた飼い主さんに、去勢手術後の入院の有無について尋ねたところ、「いいえ(入院なし)」と回答した飼い主さんが85人と半数以上を占めました。
一方で「はい(入院あり)」と回答した飼い主さんも47人と、約4割に上ります。
動物病院の方針や犬の状態によって、術後に入院をするかどうかは違ってきます。
事前にかかりつけの動物病院に、手術後の入院の有無や期間について確認しておくことが重要です。
万全を期すのであれば、去勢手術後は経過観察のために、愛犬を入院させてあげた方がいいかもしれませんね。
犬の去勢手術を検討している場合は獣医師に相談しよう!
今回のアンケート調査では、多くの飼い主さんが愛犬の去勢手術を選択し、そのメリットを実感していることがわかりました。
去勢手術は、愛犬の健康管理や問題行動の改善に役立つ選択肢の一つです。
しかし、手術の必要性や適切な時期、費用、術後のケアなどは、個々の犬の状態や飼い主さんのライフスタイルによって異なります。
愛犬の去勢手術を検討しているのであれば、まずはかかりつけの獣医師に相談することをおすすめします。
獣医師は、愛犬の年齢や健康状態、性格などを考慮し、去勢手術のメリット・デメリットを具体的に説明してくれます。
また、手術費用や入院の有無、術後の注意点についても詳しく教えてくれるでしょう。
納得のいく形で愛犬にとって最善の選択ができるように、疑問や不安があれば積極的に質問し、十分に情報収集することが大切です。
【調査概要】
- 調査方法:インターネットアンケート
- 調査対象:オス犬を飼っている成人男性・成人女性
- アンケート母数:200名
- 実施日:2025年6月27日
- 調査実施主体:株式会社ゆすず「コノコトトモニ」