犬が口をなめる3つの理由とは？かわいいけどやめさせた方がいい訳としつけ方

犬が飼い主さんに飛びついて飼い主さんの口元をなめるのはどうしてかご存知でしょうか。

実は犬が飼い主さんの口をなめるのは、祖先であるオオカミの行動が関係しているのです。

今回は犬が飼い主さんの口をなめる理由について解説していきます。

 

犬が飼い主さんの口をなめる3つの理由

犬が飼い主さんの口をなめるのには、どのような理由があるのでしょうか。

ここでは、犬が飼い主さんの口をなめる3つの理由を解説します。

 

犬が口をなめるのは愛情表現

犬が口をなめるのは、愛情表現の一種です。

飼い主さんに会えたことが嬉しくて、顔や口をなめて「好き」という気持ちを表現しています。

また、飼い主が落ち込んでいる時にも、元気づけようとして顔や口をなめることがあります。

顔や口をなめると、飼い主が笑顔になるということが分かっているのです。

 

お腹がすいたとのアピールで口をなめる

お腹がすいたことのアピールで口をなめる場合もあります。

これは、犬の祖先であるオオカミの習性によるものです。

オオカミの子どもはお腹がすくと、親の口をなめて「ご飯ちょうだい」とアピールします。

このオオカミの習性が今でも犬の遺伝子に残っており、お腹がすいた時に口をなめようとするのです。

 

敬意を示しているから口をなめる

犬が口をなめるのは、敬意を示しているからという説もあります。

オオカミには、リーダーへの服従心を示す際にも口をなめるという習性があります。

群れの下位の個体が上位の犬の口をなめ、自分の敬意をアピールしているのです。

この行動が犬の本能として残っており、飼い主をリーダーと認めている場合には口をなめて敬意を示します。

 

犬が飼い主の口をなめる時の注意点

犬に愛情表現をしてもらえるのは嬉しいですが、注意しておかなければならない点もあります。

ここでは、犬が口をなめる時の注意点を解説します。

 

犬も人間も病気になる可能性がある

犬が口をなめると、犬も人間も病気になる可能性があります。

口をなめることで、お互いの口内にある病原菌が移動してしまうかもしれないからです。

犬が口をなめて感染する恐れがあるのは「動物由来感染症」「人畜共通感染症」と呼ばれる病気です。

具体的には

• パスツレラ症
• カプノサイトファーガ・カニモルサス症
• レプトスピラ症　など

が挙げられます。

このような病気が赤ちゃんやお年寄りなど免疫力が低い人に感染すると、重症化する可能性もあるので特に注意が必要です。

 

周囲の人間や犬に感染させてしまう

感染した犬や人間の行動により、更に周囲に感染が広がってしまう恐れもあります。

犬が他の犬をなめたり遊びに来た人の口をなめたりすると、相手にも病気がうつってしまうかもしれません。

また、なめられるのが苦手という人にとっては、犬がなめてくること自体を嫌がることもあるでしょう。

 

愛犬が口をなめるのをやめさせるためのしつけ方法

最後に、愛犬が口をなめるのをやめさせるためのしつけ方法を解説します。

 

なめるのをやめたら褒める

犬が口をなめるのをやめた時、褒めるようにするといいでしょう。

なめるのをやめた時に褒めれば、犬は「なめなかったらいいことがある」と学習します。

繰り返ししつけて、口をなめることをやめさせましょう。

ただし、無理にやめさせたり怒ったりすると、犬にとってストレスになってしまいます。

あくまで、優しくやめさせるようにしてください。

 

犬がなめようとしたら「待て」「ふせ」「おすわり」などの指示を出す

犬が口をなめようとしたら、「待て」「ふせ」「おすわり」などの指示を出すのも効果的です。

嬉しさのあまり興奮して口をなめようとしてきている場合、指示を出すことで落ち着かせられます。

指示を出す際は、落ち着いた声で優しく言うようにしてください。

 

なめようとしたら黙って去る

犬が口をなめようとしたら、完全に無視してしまうのもいいでしょう。

なめてこようとする瞬間に黙って立ち上がり、その場からいなくなってください。

犬の興奮が落ち着いたあとに、またコミュニケーションを取るようにしましょう。

 

不安やストレスの原因を解消する

不安やストレスが原因で口をなめようとする場合は、単純になめるのをやめさせるだけでは解決しません。

不安やストレスの原因そのものを解消してあげる必要があります。

「あまりかまってあげられていない」「留守番が多くなってしまっている」など心当たりがある場合は、積極的にコミュニケーションを取ってあげてください。

それでも過度に口をなめてくる場合、心身に病気が隠れている可能性があるため病院に連れていきましょう。

また、不安やストレスを感じるような原因が思い当たらない場合も、病院で診断してもらうことをおすすめします。

 

犬には口をなめる以外の愛情表現をしてもらおう

犬が飼い主さんの口をなめるのは、愛情表現や祖先であるオオカミだった頃の名残です。

この行動は自然なものであり、犬からしたら本能で行っていることなのですが、病気の感染を起こす原因になる可能性があるので、口をなめないようにしつけたほうがいいでしょう。

愛情表現は口をなめる以外にもありますので、「いっぱい撫でてあげる」「たくさん遊んであげる」などの方法でコミュニケーションをとるようにしてください。