犬の多頭飼いで注意すべき3つのことと迎える前の準備やしつけ・散歩方法 犬の多頭飼いで注意すべき3つのことと迎える前の準備やしつけ・散歩方法

犬のしつけ・お手入れ

犬の多頭飼いで注意すべき3つのことと迎える前の準備やしつけ・散歩方法

犬が好きな人なら一度は多頭飼いをしたいと思ったことがあるのではないでしょうか?多頭飼いは難しい、大変だと思われてしまいがちですが、きちんとした準備をすれば初心者でも十分することができます。そこで今回は多頭飼いのメリットやデメリット及び注意点をまとめて紹介いたします。

犬の多頭飼いのメリットは?

犬の多頭飼いのメリットやデメリットと注意点

犬を飼い始めてしばらくするともう一匹飼いたいと思う方も多いのではないでしょうか?犬に囲まれて暮らす生活は、犬好きにとっては憧れの生活ですよね。そこでまずは1頭飼いにはない多頭飼いのメリットをご紹介いたします。

多頭飼いは先住の犬が他の犬のしつけをしてくれる

多頭飼いのメリットの一つが先住犬が新しく仲間に入ってきた犬のしつけをしてくれることです。
先住犬が同じ場所でトイレをしているのを見て、新しく仲間に入った犬は先住犬と同じ場所でトイレをするようなったという例もあります。

このように先住犬が新しく入ってきた犬のしつけをしてくれます。

自然と犬に社会性が身につく

犬の多頭飼いのメリットやデメリットと注意点

犬はもともと群れを作って生活する動物なので、多頭飼いをすることで新しく入ってきた犬は他の犬とのやりとりを通して自然とルールを覚え、社会性を身につけていきます。

1頭だけで飼われている犬は、他の犬との交流が少ないため自分を人間と勘違いしているケースが多く、飼い主よりも自分がえらいと考え飼い主の言うことを聞かないケースも多々あります。

しかし多頭飼いなら群れのリーダーになった犬がルールや教育を行ってくれるので、社会性が身に付いておりこうさんになるケースが多いです。

多頭飼いはお留守番させやすくなる

飼い主が外出中で犬だけでお留守番させたとしても、他の犬と一緒にお留守番をするので1頭飼いに比べるとストレスが少ないと言えます。

多頭飼いのデメリットは?

犬の多頭飼いのメリットやデメリットと注意点

多頭飼いにはメリットもあればデメリットもあります。万全な状態で新しい犬を迎えるためにはデメリットも把握しておくことが大切です。次は多頭飼いのデメリットについてご紹介いたします。

多頭飼いは病気のリスクが高くなる

子犬が持ち込んでくる代表的な病気にはケンネルコフなどの感染症や耳ダニなどの寄生虫があります。

先住犬がしっかりワクチン接種をしていればそこまで心配する必要はありません。
しかし、もしワクチン接種をしていない状態で新しい犬を迎える場合、新しく迎える犬が病気を持っていたら他の先住犬に病気が感染してしまう恐れがあります。

このような最悪のケースを防ぐためにも新しく迎い入れる犬は、1週間くらい他の犬と離してから合流させることで病気が他の犬に広がるリスクを軽減することができます。

多頭飼いは犬同士がストレスを感じてしまう可能性がある

犬の多頭飼いのメリットやデメリットと注意点

もし犬同士の相性が悪かった場合、ストレスを感じて大腸炎や食欲不振などを起こしてしまうことがあります。

また先住犬が一匹だった所に新しい犬が加わることで、先住犬がヤキモチを焼いたり、新しい犬にじゃれつかれることでストレスを感じてしまうこともあります。そのため新しい犬を迎える時には先住犬の変化にも注意を向ける必要があります。

多頭飼いを始めることで飼い主の負担が増える

犬の数が増えるほど、その分の餌代やトリミング代など経済的な負担は増えていきます。
それだけでなく、犬を飼育するためのスペースや無駄吠えなどのしつけができていないと近所迷惑になってしまうこともあり、飼い主への負担が増えてしまう恐れも考えられます。

このような理由からも多頭飼いすることはメリットだけではないことがわかります。

多頭飼いを始める時に確認したい4つのこと

犬の多頭飼いのメリットやデメリットと注意点

せっかく新しい犬を迎えて多頭飼いを始めるなら、先住犬にできるだけ配慮してスタートすることが大切です。そこで次は多頭飼いを始める時に確認したいことをご紹介いたします。

犬の多頭飼いの性別の組み合わせはどうする?

性別の組み合わせによっては注意しなければいけない点が異なります。

競争が起こりにくく最も飼いやすい組み合わせがオスとメスです。ただし避妊や去勢手術をしておかないと望まない妊娠をしてしまう恐れがあるので注意してください。

すべて同じ性別の場合は犬同士で競争が起こってしまう可能性があります。オスに比べるとメスの方が気性が大人しいため比較的飼いやすいでしょう。オスの場合は年齢が近くて、元気な犬同士の場合は縄張り争いが起こってしまう可能性があるので注意が必要です。

サイズの組み合わせはどうする?

同じサイズ同士の場合、パワーや運動量の差がないのでケガのトラブルなどが少ないです。
一方、サイズ差がある場合はどうしても大きな犬が小さな犬をケガさせてしまうことがあります。

また体のサイズが違うと歩幅が違うため、散歩も別々にするか、もしくは大型犬の歩幅をコントロールするなどの工夫が必要です。

多頭飼いなら気を付けたい先住犬との相性は?

先住犬との相性も確認したいポイントです。相性を確認する時に抑えておきたいのが性格です。

多頭飼いをするなら、先住犬も新しく迎える犬も犬同士の交流を好む社交的な性格をしているのがベストです。

のんびりした大人しい犬同士の場合は喧嘩が起こりにくい組み合わせですが、飼い主が気づいていないところでストレスを感じてしまうケースがあるので注意してあげる必要があります。

活発な性格の犬同士は一緒に遊ぶため、犬たちを大人しくさせるのに飼い主が疲れてしまう恐れがあります。

のんびりとした犬と活発な犬の場合は、活発な犬がのんびりとした犬を追い回すことで、のんびりとした犬がストレスを感じてしまうことがあります。

もし多頭飼いをしている犬の中に、攻撃的で犬嫌いの犬がいる場合は犬同士がストレスを抱えてしまうことがあるので、生活スペースを分けてあげましょう。

多頭飼いの環境は整っている?

多頭飼いを始める時は犬同士の組み合わせだけでなく、生活環境が整っているかを確認する必要があります。

多頭飼いをするなら、犬の数だけケージやトイレなど生活に必要なものを揃える必要があります。また、これらを置くためのスペースも確保しなければいけません。

そして犬の数が増えるだけ費用もかさみます。一般社団法人ペットフード協会が発表した「犬猫飼育実態調査」によると、犬1頭あたりの生涯に必要な経費は1,209,862円と言われているため、1頭増えるごとに120万円程度必要になると考えておいた方がいいでしょう。

新しい犬の迎え方

犬の多頭飼いのメリットやデメリットと注意点

先住犬にストレスを与えずに新しい犬を迎えるには事前の準備がとても大切です。準備すべきことには飼い主としての心構えだけでなく、ケージを準備するなど物理的準備も必要になってきます。

多頭飼いをする前に準備すべきこと

多頭飼いは思っている以上に飼い主側に負担が増えます。エサ代などの経済的負担、お世話をするための時間的負担、またご家族と同居されているならご家族の了解などこのように準備すべきことがあります。

これらの準備が整ったら次は新しい犬を迎えるための環境を準備します。

犬の数だけケージを準備する

多頭飼いの場合、ケージは犬の数だけ準備する必要があります。ケージは犬にとっては縄張りのようなものなので、犬がストレスなく静かに過ごしていくためにケージは欠かせません。

多頭飼いを始めたばかりの時は先住犬も新しく迎い入れた犬も他の犬と生活することに慣れていないので、ストレスを感じてしまうことがあります。そのため犬が一匹で過ごす場所を準備してあげる必要があります。

また、病気にかかった場合にはケージに入れて他の犬と離したり、病院に連れていく必要もあるので必ずケージを準備しましょう。

ベッドを準備する

ベッドもそれぞれの犬に準備する必要があります。新しい犬を迎える時には新しいベットを準備してあげましょう。
中には新しいベットを準備してあげても一つのベットで寝てしまうことがあります。そのような時はそのまま一緒に寝かせてあげてください。

トイレを準備する

トイレもできるだけ犬の頭数分準備します。この時に自分のトイレがどれかをきちんと認識させるためにトイレトレーニングをする必要があります。

多頭飼いを始めるための引き合わせの手順

犬の多頭飼いのメリットやデメリットと注意点

スムーズに多頭飼いを始めるためには、先住犬と新しい犬を正しく引き合わせてあげる必要があります。先住犬と新しい犬の引き合わせ方は次の通りです。

  1. 新しい犬が子犬ならケージに入れて、先住犬の横でおすわりさせます
  2. 距離を十分に保ってケージ越しに引き合わせます
  3. しばらく様子を見て、少しずつ近づかせて様子を見ます
  4. お互いに喧嘩しないようなら、子犬をケージから出してお互いの犬の匂いを嗅がせます
  5. 先住犬と新しい犬が仲良く遊んでくれたら、引き合わせは成功です

最初に引き合わせる時に犬がストレスサインを出していないか、しっかり観察しながら慎重に距離を縮めましょう。

ケージから出して引き合わせた時に、おやつをあげるのもポイントです。犬は緊張している時はおやつを食べないので、おやつを食べるようならリラックスしている証拠です。

もし新しい犬のワクチン接種が終わっているなら、一緒に散歩させてあげるのもいいでしょう。

多頭飼い時のしつけ方や散歩の方法

犬の多頭飼いのメリットやデメリットと注意点

多頭飼いで気を付けたい食事のあげ方

食事を与える時は他の犬のエサを食べてしまわないように、それぞれの犬ごとにお皿を準備しましょう。もし他の犬のエサを食べようとする犬がいるなら、別々のケージで与えてあげるのがいいでしょう。

多頭飼いのしつけの仕方

犬には犬のルールと上下関係があるため、その関係を飼い主が乱さないようすることが重要です。
例えばおもちゃやエサの取り合いで下位の犬が負けて飼い主が下位の犬をかばうと、犬の上下関係を乱して混乱させてしまうので注意しましょう。

多頭飼いで気を付けたい散歩の方法

散歩をさせる時は犬ごとにリードやハーネスを準備しましょう。

飼い主の歩くペースに合わせて散歩を進めることができないのであれば、まずは一匹ずつ散歩をさせてください。飼い主の歩くペースで散歩ができるようになってきたら、一緒に散歩に連れて行っていいでしょう。
この時にいつもならしないような行動をとってしまうこともあるので、一緒に散歩に連れて行く時は注意が必要です。

多頭飼いは愛情のかけ方を気を付けよう

愛情は均等にかけてあげることが大切です。
新しい犬に対して飼い主の注目が集まってしまうと、先住犬はヤキモチを焼いてしまうこともあります。その一方で飼い主が先住犬の方ばかりに愛情をかけてしまうと新しい犬は疎外感を感じてしまう恐れもあります。

このような事態にならないように、愛情は均等にかけるようにしてください。

多頭飼いで起こるトラブルと対処方法

犬の多頭飼いのメリットやデメリットと注意点

先住の犬との喧嘩

相性が悪くて喧嘩をしてしまうようなら、専門のトレーナーに相談しましょう。

喧嘩が続いている時は、家では一定の距離を保って生活させるようにします。もし喧嘩の原因になっているものがわかっているなら、それらからしばらく遠ざけることもポイントです。

思いがけない妊娠

異性同士の組み合わせの場合は注意しないと妊娠してしまう可能性があります。思いがけない妊娠を防ぐためにも、多頭飼いをする場合は事前に不妊治療をしておきましょう。

近隣とのトラブル

多頭飼いになれば鳴き声や臭いなど、一頭飼いに比べると近所への配慮が必要です。

特に多頭飼いの場合は群れになることで一匹が吠えだすとそれに同調して他の犬も吠え出します。それにより鳴き声で近隣の方に迷惑をかけてしまうこともあるので、防音対策をしっかりしておきましょう。

警戒心の強い番犬気質の犬はちょっとしたことで吠えてしまうので、多頭飼いとして迎える犬はおっとりとした犬を選ぶのもいいでしょう。

ぺットがOKな賃貸物件の場合も、契約条件の中に小型犬1頭などの条件がついているところもあるので、賃貸物件に住んでいる場合は事前に契約条件を確認しましょう。

愛犬にストレスを与えずに楽しく多頭飼いを始めよう!

犬が好きな人にとってたくさんの犬を飼うことは夢の一つではないでしょうか?
多頭飼いは事前に準備しておくことで、初心者でも問題なくスタートさせることができます。多頭飼いは飼い主だけではなく、もともと一緒に生活している先住犬にも大きなストレスを与えてしまうため、しっかり準備をしてから楽しく多頭飼いを始めましょう。

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