愛犬が可愛くて、ついつい甘やかしてしまうということもあるでしょう。
しかし、犬をいい子に育てたいと思うならば、しつけをしっかり行わなければなりません。
今回は、犬のしつけの中でも重要な「ちょうだい」について紹介していくので、実践してみてくださいね。
ちょうだい(離せ)を教えることのメリット
犬のしつけといえば「おすわり」や「まて」、「おて」などがありますが、「ちょうだい」に関してはあまり重要視していない人もいるでしょう。
しかし、「ちょうだい」を覚えさせることは犬にとっても飼い主にとっても大切なことなので、わんちゃんのことを考えるならしっかり覚えさせておきましょう。
犬には占有性の本能があると言われています。
もともと犬は狩りをして食料を得ていた狼の血を引いているので、手に入れた獲物を自分のものにしておきたいという本能があるのでしょう。
占有性はある程度であれば可愛いものですが、度が過ぎると問題行動となってしまいます。
例えば散歩中に犬が道端の草を食べてしまうこともあるかもしれませんが、これが犬にとって毒になりうる植物だった場合、体に悪影響を及ぼす可能性があるのです。また、道端に落ちているタバコなどにも注意しなければなりません。
さらに、「ちょうだい」をちゃんとしつけていないと、犬同士のトラブルを招いてしまう可能性があるのです。
ドッグランなどで他の犬のおもちゃを取ってしまうとケンカに発展することもあります。
また、散歩中に会う人々の持ち物をかじって壊したり、洋服を引っ張って迷惑をかけてしまうこともあるでしょう。
そうなると他の方とのトラブルにもつながりかねません。
こうした事態を防ぐためにも、日頃からしっかり「ちょうだい」を覚えさせて不測の事態に備えることが大切なのです。
ちょうだい(離せ)の教え方
「ちょうだい」についての重要性を紹介しましたが、実際にはどんなふうに教えたらいいのかわからないということもあるでしょう。
ここからは「ちょうだい」を覚える際のポイントを紹介していきます。
おもちゃで遊んでいるときのちょうだい(離せ)の教え方
愛犬がおもちゃで遊んでいるとき、そろそろやめさせようと思っておもちゃを取ろうとすると犬が手放すまいと噛む力を強くしてしまうことがあるでしょう。
力づくでとろうと思っても犬がどんどん頑なになってしまいますし、逆効果になってしまうことがあります。
そのようなときにもスムーズに離させることができるように、遊びの延長として覚えさせるといいでしょう。
おもちゃを使って愛犬に「ちょうだい」を教える方法としては、まず愛犬の興味が少なめのおもちゃを選んで引っ張りっこ遊びをしましょう。
そのまま少し遊び、タイミングを見て「ちょうだい」と声をかけます。
この時、犬に引っ張られてもては前後に動かさないようにすることが大切です。
「ちょうだい」のコマンドを出しても最初は口を話そうとしないかもしれませんが、それでも犬が話すまで手を動かさずに止めておきましょう。
そのうち犬が放したら、その時は目一杯褒めておやつをあげるようにするといいでしょう。
犬はおもちゃを離したら遊んでもらえないと思って頑なに食いついている可能性があるので、おもちゃを離したらまた遊んであげるようにしましょう。
こうすることで「おもちゃを離しても遊んでもらえる」と安心させることができるのです。
愛犬がどんなに強い力で引っ張ってもムキになって引っ張らず、あくまで冷静に対応しましょう。
頑なに離さないときのアドバイス
手順を踏んで「ちょうだい」のコマンドを覚えさせようとしても、なかなかうまくいかないということもあるでしょう。
そんな時には、やり方を少し工夫してみるとうまくいくことがあるので、試してみましょう。
犬が遊びに夢中で興奮状態にある時は、おもちゃをなかなか離してくれないでしょう。
そのような時にはおもちゃの持つ部分を少し変えて、犬が咥えている方の面積を狭めます。
そうすると犬はおもちゃを咥えにくくなりますから、離しやすくなるのです。
また、おもちゃを動かして遊んでいる途中でぱたっと動きを止めると、犬は興味を失っておもちゃを離すことがあります。
犬は狩りをしていた歴史がありますから、動くものに対しては興味を持ちますが動かなくなったら興味を失ってしまうこともあるのです。
「ちょうだい」というコマンドを覚えさせる際には、指示語を連呼していると犬が言葉を無視してしまうようになるので、注意しましょう。
指示を覚えさせる際には、1回だけコマンドを出してその後は「離す」という行為を覚えさせることが大切です。
なかなか「ちょうだい」を覚える際には、おやつを用意しておくと効果的です。
おやつは犬にとってうれしいものなので、これがあるとコマンドを覚えようと頑張ることができます。
散歩中のちょうだい(離せ)の教え方
基本的には自宅で「ちょうだい」を覚えさせることが重要ですが、散歩中など外にいるときに犬の興味をそらしたいということもあるでしょう。
道端に生えている草などに犬が興味を示すと、危険なこともあるので、出先でも「ちょうだい」ができるようにしつけておかなければなりません。
散歩中に「ちょうだい」をしつけるためには、まず人気のない公園などに行くことが大切です。
人が沢山いると犬も注意力が散漫になり集中できなくなってしまうので、しつけには不向きな環境となってしまいます。
静かな環境で犬の足元におやつを置き、犬が食べようとしたらグッとリードを引っ張り、犬を静止させてください。
これを数回繰り返し、犬に落ちているものを食べないように学習させます。
わんちゃんがある程度いうことを聞くようになってきたら、お座りをさせて飼い主の手からおやつをあげてください。
こうすることで、飼い主の手からもらうもの以外は食べてはいけないことを教えることができます。
犬が何かを拾い食いしそうになったときに慌てて「ダメ!」と制止してしまうこともあるかもしれませんが、これをすると犬が慌てて渡すまいと飲み込んでしまうことがあるので、注意が必要です。
あくまでも冷静に対応し、犬を慌てさせないようにしましょう。
まとめ
犬に「ちょうだい」を覚えさせることは、誤飲防止に役立つとても重要なことです。
しっかりしつけをしていないと道に落ちているものをなりふり構わず口に入れて体調を崩してしまうこともあるので、一度時間をとってしっかりと覚えさせるようにしましょう。
しっかりと「ちょうだい」を覚えさせることができれば他の犬や人とのトラブルも起こりにくくなりますし、犬と飼い主のコミュニケーションが取りやすくなるので、もっと絆が深まるでしょう。
しつけは根気がいるものですが、犬は頭のいい生き物です。
しっかりと何度も繰り返し教えることで、きちんと覚えてくれるので、根気よく教えてあげましょう。