愛犬が散歩中に歩かなくなると、困ってしまいますよね。
しかし、犬が散歩中に歩かないのは、単なるわがままが原因とは限りません。
体調や天気、散歩コースなどさまざまな原因が考えられます。
この記事では、犬が散歩で歩かない原因について解説します。
散歩中に歩かないときの対処法や注意点についても解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
犬のわがまま?散歩で歩かない原因8選
犬が散歩中に歩かなくなるのは、どうしてなのでしょうか。
ここでは、犬が散歩で歩かない原因について解説します。
病気や怪我をしているから
散歩好きだった犬が急に歩きたがらなくなった場合は、病気や怪我をしている可能性があります。
たとえば、肉球や爪の怪我、関節炎、ヘルニアなどが原因で痛みを感じているのかもしれません。
支障なく歩いているように見えても、本能的に痛みを隠していることがあります。
犬が足を気にしながら歩いていたり、いつもと様子が違ったりするときは、できるだけ早く動物病院で診察してもらいましょう。
散歩に嫌なイメージがあるから
犬が散歩中に歩かなくなる原因として、過去の散歩がトラウマになっていることも考えられます。
散歩中に他の犬から吠えられたり、大きな音や車に驚いたりした経験のある犬は、散歩に対して嫌なイメージを持ってしまうことがあります。
とくに、散歩に慣れていない子犬期は、散歩を怖がって歩かなくなることが多いです。
無理矢理散歩させようとすると、散歩自体を嫌いになってしまうことがあるので、まずは散歩の楽しさを教えてあげる必要があります。
散歩コースが嫌いだから
飼い主が犬の嫌いな散歩コースを選んでいるせいで、犬が歩かなくなっている可能性もあります。
「ニオイが好きじゃない」「人通りが多くて騒がしすぎる」など、犬によって嫌いな散歩コースは異なります。
愛犬がどのような道や場所で歩かなくなるのか観察して、理由を探るようにしましょう。
ニオイを嗅ぎたいものがあるから
犬は散歩中にニオイを嗅ぎたいものを見つけると、歩かなくなってしまうことがあります。
犬の嗅覚は人間の100万倍鋭いとも言われていて、人間にはわからないニオイも敏感に嗅ぎ取っています。
そのため、他の犬のマーキングや落ちているものなど、気になるニオイを嗅ぐことに集中して歩かなくなる犬は多いです。
とくに、雄の犬は発情期の雌犬のニオイを本能的に嗅ぎ取って反応してしまいます。
歩かないと良いことが起こると思っているから
歩かないと良いことが起こると思っている犬は、散歩中に歩かなくなることがあります。
過去に立ち止まった犬をだっこしてあげたり、おやつをあげたりしたことはありませんか?
そういった飼い主の対応のせいで、「歩かない方が飼い主に構ってもらえる」「立ち止まるとおやつがもらえる」と犬が学習している可能性があります。
犬に間違った学習をさせてしまっているので、飼い主が自分の行動や犬との接し方を考え直す必要があるでしょう。
散歩に適した天気じゃないから
散歩に適した天気じゃないと、犬も人間と同じように散歩が嫌になることがあります。
寒かったり、雨が降っていたりすると、歩きたがらなくなることがあるでしょう。
とくに、暑すぎる場合は注意が必要です。
犬は人間よりも背が低いので、地面の照り返しによる負担が大きく、熱中症になるリスクも高まります。
加齢で体力や筋力が落ちているから
加齢によって体力や筋力が落ちたせいで、犬が散歩中に歩かなくなることもあります。
以前は問題なく歩けていた散歩コースでも、愛犬が年をとると途中で疲れてしまうことがあります。
犬の様子をきちんと観察して、無理をさせないようにしてあげてください。
身につけている服やアイテムが気に入らないから
犬は身につけている服やアイテムが気に入らないときも、散歩中に歩かなくなることがあります。
たとえば、装飾の多い服やハーネス、重い首輪、雨具、犬用の靴などは犬が嫌がりやすいです。
とくに、雨具や犬用の靴といった身につける機会が少ないアイテムは、犬が慣れていないので嫌がることがあるでしょう。
犬が散歩で歩かないときの対処法
犬が散歩で歩かないときに、飼い主はどう対応するべきなのでしょうか。
ここでは、犬が散歩で歩かないときの対処法について解説します。
散歩や散歩用のグッズに慣れさせる
犬が散歩に慣れていなかったり怖がったりする場合は、散歩や散歩用のグッズに慣れさせることから始めてみましょう。
とくに、子犬はまだ外の世界に慣れていなくて、不安に感じていることが多いです。
無理に歩かせようとするのではなく、徐々に慣れさせることを意識してみてください。
いきなり外を散歩するのではなく、家の中で散歩の練習をするのもおすすめです。
実際の散歩と同じように首輪やハーネスを着けて慣れさせていきましょう。
一緒に遊ぶときや餌を与えるときに着けておくと、首輪やリードをつけることが楽しいことだと思ってくれる可能性があります。
首輪やリードなどの散歩グッズに慣れてきたら、家の周りの静かな道で短時間の散歩から始めて、少しずつ散歩コースを広げてみてください。
散歩に楽しいイメージを持たせる
犬が散歩に悪いイメージを持っているときは、楽しいイメージに変えてあげましょう。
「歩いたら飼い主が褒めてくれた」「歩いたら飼い主がご褒美をくれた」など、散歩に対してポジティブな記憶が上書きされれば、自分から散歩したがるようになるかもしれません。
ただし、ご褒美としておやつをあげるときはタイミングに注意しましょう。
頭の良い犬だと、おやつがもらえるまで歩かなくなることがあります。
犬にとって、歩くことがおやつ目的にならないように気をつけてください。
散歩コースや時間帯を変える
犬が毎回同じ場所で立ち止まったり、同じ時間帯に散歩を嫌がったりするときは、散歩コースや時間帯を変えることも検討しましょう。
いつもと違う道や快適に散歩できる時間帯を選ぶことで、素直に歩いてくれるようになる可能性があります。
また、散歩コースを変えることで新しい景色や初めての犬などに出会い、犬の気分転換になることもあるでしょう。
散歩中にこまめにコミュニケーションをとる
散歩中は、愛犬とこまめにコミュニケーションをとることをおすすめします。
「アイコンタクトをとる」「声をかけてあげる」といったやりとりをすることで、犬の不安を和らげたり、犬の気持ちに気づいてあげたりしやすくなります。
愛犬が、他の犬に興奮しやすいタイプや落ち着きのないタイプの場合は、普段から「おすわり」や「待て」の訓練をしておくのも効果的です。
愛犬が別のものに興奮しているときに、「おすわり」や「待て」などのコマンドを出すことで落ち着かせることができるでしょう。
飼い主が主導権を握るように意識する
犬が「歩かなければおやつがもらえる」「歩かない方が構ってもらえる」と思っている場合は、飼い主が主導権を握るように意識しましょう。
犬の要望に応えてばかりいると、さらに歩かなくなってしまう可能性があります。
すぐに抱っこしたり、おやつをあげたりせずに、犬が歩くまで根気強く待ちましょう。
普段から飼い主がしっかりと主導権を握り、「何でも思い通りになるわけではない」と犬に認識させることが大切です。
ニオイを嗅ぐ行動をきちんと管理する
犬がニオイを嗅ぐことに夢中になって歩かなくなってしまうときは、ニオイ嗅ぎの行動をきちんと管理しましょう。
飼い主が主導権を握り、ニオイ嗅ぎをしていい場所を決めてあげてください。
電柱や草むらなど、犬がニオイを嗅ぎたがる場所に近づいたら、アイコンタクトをしたり、声をかけしたりして注意を引きましょう。
また、いつまでもニオイを嗅がせるのではなく、飼い主さんからの合図で離れられるように練習するのもおすすめです。
疲れた様子を見せたら休憩させる
犬が散歩中に疲れた様子を見せたら、休憩させてあげましょう。
とくに、年をとっている犬や肥満気味の犬は、休憩しながらゆっくり散歩しないと体に負担がかかってしまいます。
休憩するタイミングは、犬が疲れて動かなくなる前にしましょう。
犬が疲れて立ち止まってから休憩してしまうと、「ちょっと疲れたら歩かなくてもいいんだ」と勘違いさせてしまう可能性があります。
犬の様子をしっかり観察して、疲れた様子が見えたら、飼い主さん主導で休ませてあげてください。
犬が散歩で歩かないときの注意点
犬が散歩中に歩かなくなると、困ってしまいますよね。
しかし、無理やり歩かせようとしたり、感情的になってしまったりすると、散歩自体嫌いになってしまう可能性があるので気をつけましょう。
最後に、犬が散歩で歩かないときの注意点について解説するので、愛犬と楽しく散歩をするためにも以下の行動は避けるようにしてください。
犬を無理矢理引きずらない
犬が散歩中に歩かなくなったからといって、無理矢理引きずるのはやめましょう。
犬を無理矢理引きずってしまうと、以下のような悪影響を及ぼす可能性があります。
- 肉球を傷つけてしまう
- 喉に負担がかかってしまう
- 首輪で首が絞まって苦しくなる
- ハーネスが体に食い込んで痛くなる
- 犬に恐怖心を与えてしまう
とくに、アスファルトなどの硬い地面の上だと、肉球が傷つきやすいので注意が必要です。
肉球が傷ついてしまうと、痛みが原因でさらに歩かなくなってしまうかもしれません。
また、飼い主に恐怖心を覚えてしまった犬は、散歩中だけでなく、家の中でも落ち着けなくなってしまうことがあります。
感情的になって怒らない
犬が散歩中に歩かなくても、感情的になって怒ってはいけません。
犬が怖がってトラウマを抱えてしまうと、歩かなくなるだけでなく散歩自体が嫌になってしまいます。
散歩嫌いになると、運動不足やストレスのせいで病気につながる恐れもあります。
また、場合によっては、愛犬との信頼関係が壊れてしまうこともあるでしょう。
感情的になって怒るのではなく、冷静にいけないことを叱るようにしてください。
まとめ
犬が散歩中に歩かなくなるのは、単なるわがままだけが原因とは限りません。
病気や怪我をしていたり、加齢で体力が落ちていたりする可能性があります。
また、散歩コースやアイテム、当日の天気に問題があることも考えられます。
散歩コースを変えたり、適度に休憩を挟んだりして、上手に対処しましょう。
「無理矢理引きずる」「感情的になって怒る」といった行為はやめてください。
愛犬の気持ちを理解して、一緒に楽しく散歩しましょう。