愛犬が突然しゃっくりを始めたら、「病気になったのではないか?」と心配になりますよね。
しかし、犬のしゃっくりは必ずしも病気とは限りません。
犬のしゃっくりには、「問題のないもの」と「病院を受診すべきもの」があります。
今回は、犬を飼っている成人男女200名を対象に実施したアンケート調査を元に、犬のしゃっくりの原因や対処法について詳しく解説していきます。
病院に行くべき基準についても解説しているので、飼い主の皆さんはしっかりとチェックしてください。
犬がしゃっくりをするのは珍しいことではない
今回、犬を飼っている200人に『あなたの愛犬は、「しゃっくり」をしたことがありますか?』というアンケートを取りました。
アンケートの結果は以下の通りです。
「愛犬がしゃっくりをしたことがある」という飼い主さんは、半数以上にのぼることがわかりました。
犬のしゃっくりは、人間と同じく横隔膜が痙攣して起こる生理現象です。
早食いやストレスなどによって横隔膜が刺激されると、犬も人間と同じようにしゃっくりが出ることがあります。
犬がしゃっくりをする原因
先ほどのアンケートで「はい」と答えた117名に、『愛犬がしゃっくりをするタイミングとして、最も多いのはどんな時ですか?』というアンケートを取りました。
アンケートの結果は以下の通りです。
この結果から、犬のしゃっくりには特定のタイミングがあることがわかります。
ここからは、考えられる主な原因について詳しく解説します。
早食いによる横隔膜への刺激
アンケートで最も多かったのが、「食事や水を飲んだ後」でした。
フードを急いで食べたり水を一気に飲んだりすると、胃が膨らんで横隔膜が刺激されます。
そのため、早食いのわんちゃんほど、しゃっくりが出やすくなるのです。
また、食後にすぐ運動したり食べ物がわんちゃんに合っていなかったりした時も、胃にガスが発生し胃が膨らむことがあります。
過度の興奮やストレス
過度の興奮も、しゃっくりが出る原因になります。
遊びに夢中になったり飼い主さんとじゃれたりして興奮すると、わんちゃんの呼吸は早く浅くなります。
この呼吸の変化によって横隔膜が刺激され、しゃっくりが引き起こされるのです。
また、ストレスにより交感神経が緊張し、しゃっくりが出ることもあります。
夢を見ている
夢を見ている時の挙動が、しゃっくりに見えることもあります。
人間と同じように、犬も睡眠中に夢を見ます。
夢の内容によっては、身体がぴくっと動いたり声を出したりすることがあり、それがしゃっくりに見えることもあるのです。
息苦しそうに見えるなどの異常がなければ、特に問題はありません。
子犬で身体がまだ未発達だから
子犬は、成犬よりもしゃっくりが出やすいとされています。
子犬はまだ身体が十分に発達しておらず、横隔膜に関連する神経が未熟です。
また、食べ方が下手で空気を大量に飲み込んでしまったり、お腹の調子が不安定で胃や腸にガスが溜まりやすくなったりすることもあります。
そのため、成犬に比べてしゃっくりの頻度が高い傾向があるのです。
成長とともにしゃっくりの頻度は減っていくことがほとんどなので、異常が見られなければ心配する必要はありません。
愛犬がしゃっくりをする時の対処法
愛犬がしゃっくりをしている時、飼い主さんはどう対応しているのでしょうか?
『愛犬がしゃっくりをしている時、あなたはどのように対応していますか?』というアンケートを取った結果、以下の通りになりました。
アンケート結果から、「様子を見る」という飼い主さんが最も多いことがわかります。
ただし、「できるだけ早くわんちゃんのしゃっくりを和らげてあげたい!」という飼い主さんもいるでしょう。
ここでは、愛犬がしゃっくりをする時の対処法を3つ紹介します。
安静にさせる
愛犬のしゃっくりを和らげたい時は、安静にさせることが大切です。
落ち着いて休める環境を用意したり優しく声をかけて撫でたりすれば、自然としゃっくりは止まるでしょう。
お水を飲ませる
しゃっくりが出た時は、少量の水を飲ませるのも効果的です。
呼吸の乱れが原因でしゃっくりが出ているのであれば、少量の水を与えると呼吸が整い、しゃっくりが止まりやすくなります。
ただし、大量の水を飲ませると誤嚥を招いたり胃が拡張してしまったりするので、量には気をつけてください。
おもちゃで気を引く
しゃっくりを和らげたい時は、わんちゃんが好きなおもちゃで気を引くのもいいでしょう。
また、知育玩具を活用するのもおすすめです。
遊びに夢中になったり頭を使って集中したりすれば、しゃっくりが気にならなくなることがあります。
病院に行くべきしゃっくりの基準
『あなたはこれまでに、愛犬のしゃっくりを見て不安になったことはありますか?』というアンケートを取ったところ、2割近い飼い主さんが「愛犬のしゃっくりを見て不安になったことがある」と回答しました。
何が原因で不安になったのか、寄せられたコメントを見ていきましょう。
- 「しゃっくりが長時間続いたために何か他に原因があるのではないかと不安に感じてしまった。」
- 「しゃっくりが長く続いている時に、病気の兆候かもしれないと心配になりました」
- 「心臓病持ちで呼吸器系が弱いので」
このように、しゃっくりが長時間続いたり持病持ちであったりする場合に、不安を感じる飼い主さんが多いようです。
では、どのような症状が出ていたら愛犬を病院に連れて行くべきなのでしょうか。
最後に、愛犬を病院に連れて行くべきしゃっくりの基準を解説します。
しゃっくりが1時間以上続いている
通常、犬のしゃっくりは数分で止まることがほとんどです。
しかし、1時間以上続く場合は、何か他の原因が隠れている可能性があります。
特に呼吸器系に何か異常が見られる場合は注意が必要です。
わんちゃんが息苦しそうにしていたら、すぐに病院に連れて行きましょう。
毎日しゃっくりしている
しゃっくりが毎日のように出ている場合も、病院に連れて行くべきです。
何か健康上の問題が発生している可能性があります。
特に、ごはんを食べた後に必ずしゃっくりが出るという場合は、病院を受診するべきです。
しゃっくりの頻度が増えてきた
以前に比べて明らかにしゃっくりの頻度が増えている場合は、病気のサインかもしれません。
特に高齢の犬の場合、しゃっくりの裏に何か病気が隠れている可能性があります。
病院を受診し、健康に問題がないか診察してもらうことをおすすめします。
しゃっくり以外の症状がある
- ぐったりしている
- 食欲がない
- 咳が出る
- 呼吸が苦しそう
- 発熱
- 嘔吐
などの症状があるのなら、即座に病院に連れて行くべきです。
肺炎や胃捻転、熱中症といった重篤な病気の可能性も考えられます。
愛犬に心配な症状が見られる場合は、迷わず動物病院で獣医師に相談してください。
犬がしゃっくりをするのは問題ないが、異常があれば病院へ行こう
犬のしゃっくりは、早食いや興奮など一時的な症状の場合が多いです。
時間が経てば自然と治るので、過度に心配する必要はありません。
しかし、しゃっくりが長時間続いたり、頻度が増えたり、他の症状を伴ったりするのであれば、病気の可能性も考えられます。
愛犬の様子をよく観察し、いつもと違うと感じた時は、迷わずかかりつけの動物病院に相談してください。
【調査概要】
- 調査方法:インターネットアンケート
- 調査対象:成人男性・成人女性
- アンケート母数:男女200名
- 実施日:2025年9月13日
- 調査実施主体:株式会社ゆすず「コノコトトモニ」