犬は普段から肉球を地面につけて歩き生活しています。
そのため、真夏日の散歩でアスファルトを歩くことが原因で犬の肉球がやけどをしてしまうことがあるのです。
この記事では、ワンちゃんの肉球がやけどしてしまった場合の症状や対策・対処法など役立つ情報をご紹介します。
肉球をやけどしてしまっている恐れがある場合
犬が歩くのを嫌がったり、足裏を気にして舐めているなどの症状が見られるときは肉球をやけどしてしまっている恐れがあります。
ここでは肉球をやけどしてしまっている恐れがある場合、犬に見られる症状についてお話します。
足をひきずって歩く・歩くことを嫌がる
犬が肉球をやけどしてしまうと足をひきずって歩いたり、歩くことを嫌がることがあります。
肉球は歩く時に必ず地面につける部位なので、やけどをしていると歩きたがらなくなります。
軽いやけどであれば、犬は痛みに強い動物なので多少は我慢して歩くこともありますが、悪化しやすい部位でもあります。
足を引きずって歩く・歩くことを嫌がる素振りを見せる場合は必ず足や肉球を確認しましょう。
肉球の色が普段と違い黒ずんでいたり真っ赤になっている
犬が肉球をやけどしてしまうと普段の色と異なることがあります。
普段より黒ずんでいたり、真っ赤になっている場合は注意が必要です。
いつもより少し色が変わっている程度であれば軽いやけどで済んでいることもあります。
しかし、歩くことで悪化しやすくなるため、肉球の色がいつもと違うようであれば早めにかかりつけの動物病院に相談しましょう。
肉球の色は犬により異なるため、毎日散歩の後などに愛犬の肉球の色や形状について確認しておくといいでしょう。
肉球が膨れ上がっている・水ぶくれができている
犬が肉球をやけどしてしまうと肉球が膨れ上がっている・水ぶくれができているなどの症状が見られます。
この症状が見られる場合、肉球のやけどが悪化していることが考えられますので、出来るだけ早く動物病院を受診することをおすすめします。
肉球のやけどは犬が歩くことですぐに悪化してしまう危険性がありますので、少し様子を見るなどはしないほうがいいでしょう。
異常に足先を気にした素振りを見せる
いつもは気にしていないのに、異常に足先を気にした素振りを見せる場合は肉球をやけどしてしまった可能性が高いです。
歩く時に躊躇するだけでなく、肉球をしきりに舐めるなどの素振りを見せることもあります。
肉球を一日中舐めているようであれば、やけど部分が炎症を起こし指間炎を発症している可能性もあります。原因はやけどの他に、爪の疾患や皮膚病・感染症・足裏バリカンなども考えられます。あわせて肉球の間の皮膚が赤くなっていたり腫れていたりする様子が見られた場合は動物病院で受診してもらいましょう。
指間炎の治療法は発症した原因によって異なりますが、薬での治療や薬浴(薬用シャンプーで定期的に身体を洗う治療法)・エリザベスカラーを使った方法などがあります。
獣医師さんの指示に従い、治療に専念しましょう。
犬の肉球やけどの治療・対処法
犬の肉球がやけどしてしまった場合、悪化しやすい部位でもあるため早めに動物病院などで治療を行うなどの対処法が必要になります。
ここでは犬の肉球がやけどしてしまったときの治療法や対策法についてご紹介します。
やけどの症状が軽症の場合
軽いやけどの場合は、水で濡らしたタオルで保冷剤を巻いて冷やしましょう。
犬は基本的に足先を触られることや濡れることを嫌がる動物ですが、嫌がってもしっかり冷やすようにしましょう。
足にタオルなどを巻きつけることも嫌がる犬が多いので、普段から足先を触ることで、慣れさせておくことが重要です。
肉球のやけどは軽症でも初期治療をしっかり行わないとすぐに悪化してしまいます。
軽く赤い、犬が少し気にする程度だからといって軽く見ずに、しっかり冷やし、自宅で治療をすることが難しいようであればかかりつけの動物病院で獣医師さんや動物看護師さんに早めに相談してみるのもいいでしょう。
やけどが軽症でも、犬が気にして舐めることで悪化することもありますので、エリザベスカラーなどを使用し、治療中は犬が舐めないように工夫すると悪化を防ぐこともできます。
やけどが重症・または犬が酷く痛がる場合
肉球のやけどが重症・または犬が酷く痛がる場合は、すぐに水などで冷やしましょう。
しっかり冷やさないと水ぶくれや肉球が腫れ上がる可能性があります。
散歩や室内も極力歩かないように狭いケージやクレートなどに入れておいたほうがいいでしょう。
出血などをしている場合は、そのまま放置してしまうと細菌などが入り炎症を引き起こしてしまう可能性もあるので清潔にしておくことが重要です。
重度のやけどや犬が酷く痛がる場合は冷やすなどの応急処置を行った後、出来るだけ早く動物病院を受診したほうがいいでしょう。
放置してしまうとやけどの炎症が悪化し、細菌感染などを起こすこともありますので、内服薬や塗り薬などの外用薬を処方してもらいましょう。
肉球は犬が立つ、歩くなどの基本的な動作をする際に必ず地面につける部位です。
自分の体重を支えるため負荷が更にかかりすぐに悪化します。
特にやけどが重症で犬自身痛みもひどい時は殆どの場合は歩くことを嫌がりますが、飼い主さんがそれに気が付かずに散歩を続けてしまい悪化して炎症、化膿などを引き起こすこともあります。
炎症し化膿してしまうと完治するまでに長い時間がかかり、犬への運動制限も行われるためかなりのストレスを与えてしまいます。
出来るだけ早く治療を行い早期完治を心がけましょう。
判断しづらい場合はすぐに専門の動物病院へ
肉球のやけどは飼い主さんが散歩前の地面の温度を気にする、肉球の色や形状などを毎回細かく確認していないと気が付かない症状です。
特に春から夏、夏から秋になる季節の変わり目の散歩には外気温が涼しくなるため地面の温度まで気にしないことが多いです。
さらに、肉球の色が犬ごとに違うため毎日、毎回散歩の後などに確認している飼い主さんですら軽度の肉球のやけどには気が付きにくいです。
飼い主さん自身でこれはどうなんだろうと感じる場合、または自分で判断ができない場合はかかりつけの動物病院などの専門機関に相談するようにしましょう。
おそらく電話で相談しても「診察してみないとわかりません」といわれることがほとんどですので、診察時間内に動物病院を受診しましょう。
中には犬の肉球のやけどに気が付くのが遅れ、動物病院の診察時間外になってしまった…なんてこともあるでしょう。
夜間や早朝などはほとんどの動物病院は診察を行っていないため、どうしたらいいのか困る飼い主さんも多いかもしれません。
肉球のやけどが軽症であれば、気づいた時点で患部を冷やしクレートなどに入れて運動制限を行いましょう。また、エリザベスカラーなどを装着し悪化を防ぎ、次の日の診察時間内に診察をしてもらいましょう。
やけどが重度の場合や犬が酷く痛がる場合は水で冷やすなどの応急処置を行い、夜間も診察を行っている動物病院を探し電話で相談してみてください。
今の状態で受診が必要なのか、翌日の診察時間内での診察まで待っていいのか、今できる応急処置などについて指示を仰ぎましょう。
犬の肉球やけどを防ぐためにできる対策・対処法
犬の肉球のやけどは飼い主さんでは気付きにくく、軽度であればちょっとした体調不良で片付けられてしまうこともあります。
しかし、肉球は体温調節の役割を持ち犬が毎日体重などの衝撃を支えるためにも重要な部位です。
そのため、やけどをした場合はすぐに悪化してしまい完治には時間がかかります。ここではそんな肉球の火傷リスクを減らすために、飼い主さんができる予防対策や対処法・注意点についてご紹介します。
アスファルトの散歩はできるだけ避けましょう
夏場だけでなくアスファルトの散歩は太陽光の熱を吸収し鉄板のように熱くなり大変危険です。
アスファルトの散歩コースはできるだけ避けるようにしましょう。
しかし、近年ではほとんどの道がアスファルトばかりで土の場所を探すほうが困難ですよね。
どうしてもアスファルトの上を散歩しなければいけない場合は、必ず地面を手で触れて地表面温度を確かめるようにしましょう。
飼い主さんが触れて熱いと感じる場合は、犬の肉球がやけどしてしまう可能性が高いため散歩は中止してください。
夏場は熱中症対策のためにも、アスファルトの温度を確認し散歩を行う飼い主さんが多いですが、春や秋などの涼しい季節は忘れがちです。
火傷対策として、夏場以外も散歩をする前にアスファルトの温度を手で触り確かめるように心がけましょう。
夏場は早朝や夕方に散歩するようにしましょう
夏場は特に地面の温度が上昇し、数歩歩いただけでもやけどしてしまいます。
火傷予防のためにも、夏場は早朝や夕方などの地面の温度が低くなる時間帯に散歩するようにしましょう。
早朝や夕方でも地面の温度が高く手で触れた時に熱いと感じる場合は散歩を中止してください。
また熱中症予防のために、こまめな水分補給も忘れないようにしましょう。
散歩時に犬用の靴下を履かせるなどの対策を行いましょう
犬の肉球のやけどは、ほとんどが散歩時の地面の温度が高いために引き起こされます。
散歩時には犬用の靴下を履かせるのも予防法の一つです。
犬用の靴下はゴムなどの素材でできているため熱などを通しにくく、地面の温度がある程度高くてもやけどをしないで済みます。
しかし、ペット用の靴下は足先に直接履かせるため違和感から嫌がり歩かない、歩き方が変になる、靴下を履くことを嫌がることがあります。
散歩時に靴下を履かせる場合はしっかり慣れさせておきましょう。
部屋の空調にも十分注意をはらいましょう
犬の肉球のやけどは外の散歩で起こることが多いですが、家の間取り等によっては室内で起こる可能性もあります。
部屋の地面も日が長時間当たることで熱くなり、犬たちがその場を歩くことで軽度のやけどを負うこともあるのです。
そのため、部屋の室温や空調などにも気を配り、床が熱くなりすぎないように注意しましょう。
犬は人間よりも皮膚が薄いために、低い温度でもやけどを起こします。
低温火傷を防ぐために、床暖房を設置している家では床の温度などにも注意しましょう。
熱をもつ家電や道具には絶対に近づかせないようにしましょう
熱を持つ家電や道具にも犬を近づけないように注意しましょう。
あまりやけどが起こることは少ないですが、炊飯器や電子レンジ、オーブントースターなどのキッチン周りには入らないように仕切りなどを設置しましょう。
特に注意してほしいのが、冬場の暖房器具です。
犬が暖房器具に近づきすぎてやけどをする事故はよく起こることなので、柵をするなど工夫しましょう。
肉球ワックスで普段からケアをしてあげましょう
肉球は犬が動くときなどに必ず使われる部位です。
そのため普段から肉球ワックスなどでケアするようにしましょう。
肉球は乾燥しやすい部位でもあるためワックスを塗ることで乾燥を防ぎ、やけどなどのケガもしにくくなります。
まとめ
今回は犬の肉球がやけどしてしまった場合の対策・対処法をご紹介しました。
犬の肉球は普段から使われる部位なので、やけどなどの怪我をしやすい部位でもあります。
肉球のやけどは軽症だと症状もわかりにくいために、気がつくのが遅れる飼い主さんもいます。
犬の不調に気づくためには犬を普段から観察しておくことが重要です。
散歩の後などに犬の肉球の色や形状、柔らかさなどを確認しておくことが病気の早期発見・早期治療に繋がります。
夏場だけでなく、春や秋などの時期でも地面の温度が上昇しやけどをする可能性がありますので、注意しながら散歩を行うようにしましょう。