健康診断を受けて愛犬の健康状態をチェックしよう! 健康診断を受けて愛犬の健康状態をチェックしよう!

犬の健康・ケガ・病気

健康診断を受けて愛犬の健康状態をチェックしよう!

少し前までは動物病院に行くのは予防注射の時と病気になった時だけという飼い主さんも多くいましたが、最近では犬の健康診断を受けましょうというお知らせを動物病院から届くことも多くなったように感じます。愛犬が若い時は必要ないと思っていたけれどシニア期に入るタイミングで健康診断を受ける飼い主さんも増えてきました。でも犬の健康診断って何をするのかわからない、入院が必要なの?動物病院って普段からかなりお金がかかるから費用も高いんじゃない?と思いますよね。ここでは、犬の健康診断の必要性や、健康診断の項目、費用、自宅でできる健康チェックなどをご紹介します。

犬は我慢強い生き物です

犬は人間と比べて我慢強い生き物です。そのため、怪我をしていても、体調が悪くても飼い主さんにも隠して我慢してしまいます。自宅でも暗く狭い見つかりにくい場所にずっと動かずにじっとしていることもあります。いつもより動きが少ない、暗くて狭い場所にずっといるなどの様子が見られた場合は体調が悪いのを我慢している可能性が高いです。飼い主さんが「いつもと比べて何かおかしいな」と感じた時は早めに動物病院に連れていき、かかりつけの獣医師さんに相談することをおすすめします。中には動物病院を受診しても我慢し痛みがないフリを続ける犬もいますので、どこがどう違うのか、いつもはこうなのに今日はこうしている、などしっかり説明することが重要です。犬が強がり症状を見せないあまりに「勘違いかな?」と病気を見逃してしまう可能性もあります。飼い主さんの感覚が大事になります。普段から愛犬の様子を観察しておき体調の良い時を覚えておきましょう。

 

長生きをしてもらうためにも、定期的に受けましょう

犬には個体差があります。体温や血液検査の正常値、体の構造など犬により違います。そのため、長生きをしてもらうためには健康時の犬を知る必要があります。健康時から定期的に健康診断を受診しておくことでかかりつけの動物病院に愛犬の正常値を測定してもらうことができます。病気になった時に、犬の正常値を知ることでより正確な診断や治療を受けることができるため、定期的な健康診断は長生きするためには欠かせないものになります。

 

シニア犬(7才以上)になったら特に注意したい項目

犬は人間より速いスピードで年をとるため7才以上で「シニア犬」になります。シニア期に突入すると、体や筋肉、内臓などの臓器が衰えていくため、何らかの病気を引き起こす可能性が高くなります。

シニア犬になったら特に注意したい項目は、「関節や筋肉などの体の構造関係」、「ガンなどの病気」、「心臓や腎臓などの疾患」、「白内障などの目の病気」、「口腔内の病気」などです。

特にダックスやコーギーなどの胴長短足の犬は「ヘルニア」を引き起こしやすい犬種です。関節や骨などの体の構造関係の病気には特に注意しましょう。ヘルニアは一度引き起こされると癖になりやすく再発する可能性も高くなります。内服などの治療で数日間の入院でほとんど完治することもありますが、中には下半身麻痺を引き起こし歩けなくなることもあります。他にもシニア犬になると運動量や代謝機能の低下により肥満になりやすくなります。ドッグフードを変更する、給与量を検討するなどの対応が必要です。

病気関係ではガン、心臓や腎臓、目などの病気に罹りやすくなります。ガン、心臓、腎臓などの病気は見た目では判断することが難しく、病気が進行してから見つかることが多いです。定期的に血液検査やレントゲン・超音波検査などの画像診断検査を行うことで病気の早期発見に繋がります。

歯の病気は口を開けて口腔内の様子を観察することで診断することができます。柔らかいものばかり食べていたり、人間の食事を与えている家庭ではドッグフードなどの硬い食事を食べている犬に比べて歯石や歯垢が付きやすく歯周病を引き起こしやすくなります。歯周病は進行すると歯が抜けるだけでなく全身性の疾患を引き起こすこともある怖い病気です。歯の健康維持もシニア犬にとって重要な項目の一つです。

 

犬の健康診断って何をするの?

健康診断の内容は動物病院により異なりますが、基本的には飼い主さんとの問診、触診、便検査、尿検査、血液検査、レントゲン検査、超音波検査を行います。飼い主さんとの問診で追加検査などを行うかを決めていきます。検査には時間がかかるために、午前中に動物病院で預かり、昼間の検査・手術の時間帯に行い午後退院するということが多いです。

 

健康診断の項目をご紹介

健康診断の項目は一般的に問診、触診、便検査、尿検査、血液検査、レントゲン検査、超音波検査などです。

問診では飼い主さんから犬を預かる時に元気や食欲の有無、便や尿の様子、何か変わったことはないかなど犬の様子を詳しく聞き取ります。飼い主さんからの「気になること」は病気の早期発見のヒントになることもありますので、何か気になることがあればしっかり伝えましょう。

触診では犬の体全身を触り、診察を行います。実際に触り動かすことで関節の変化や皮膚の状態、口腔内・目・耳の状態など細かく見ることができます。この検査では診察することで見つけることができる病気や体の変化などを診ていきます。

便検査では便を採取して便の状態、腸内の細菌のバランスや寄生虫の有無などの検査を行います。腸内の環境が乱れると下痢や便秘などの症状に繋がり、普段の生活から見つけることができますが、寄生虫感染症に関しては虫が出てこない限り見た目で判断することは難しいです。寄生虫感染症は散歩中に他の犬の便の匂いを嗅いだ、アウトドアでネズミやカエルなどに遭遇したなどで感染する可能性がある感染症です。

尿検査では尿を採取して尿の状態、PH、尿結石の有無などの検査を行います。尿検査をすることにより腎臓や泌尿器疾患の早期発見に繋がります。

血液検査は赤血球数、白血球数、貧血の有無、血糖値、腎臓・肝臓の数値やコレステロール値などの項目を行います。腎臓や肝臓の働きや血液の病気なども調べることができます。検査の結果によっては検査項目を追加することもあります。手術前などの検査や、ほとんどの方が毎年行うフィラリア症の検査時に採血を行う際に行うこともあり、健康診断の時期によっては省略する場合もあります。

レントゲン検査では基本的に腹部と胸部の2部位撮影を行います。レントゲン検査では空気などは黒く写り、骨や水などは白く写ります。体の構造や、肺などの臓器の観察ができます。

超音波検査では胸部と腹部を検査します。レントゲン検査とは異なり、動きまで観察することができます。心臓の検査で心疾患の有無や町の働きなども観察できます。

 

料金はどのくらいかかるの?

健康診断にかかる費用は動物病院により異なります。そのため、一概には言えませんが、だいたい2~4万円ほどです。健康診断としてセット料金になっている病院もあれば、個別で行った検査の費用を請求する病院もあります。さらに、地域により金額に差があり、都内の動物病院のほうが少し高めに設定されているようです。

動物病院によってはコースによって検査内容や費用などが異なり、飼い主さんの経済状況や犬の年齢や健康状態によって選ぶことができるシステムもあるようです。一度かかりつけの動物病院に相談してみるといいでしょう。

 

ペット保険って適応されるの?

ペット保険は基本的に適応外です。ペット保険は予防や予防目的の検査関係は保険適応外になるので「健康診断」には保険が効きません。しかし、健康診断にした検査で見つかった病気に関しては保険が適応されます。

ペット保険は病気が見つかった際に費用を負担してくれるため加入しておくと経済的にもいいですが、契約条件によっては更新時にすべてリセットされて、現在治療中の病気は更新後に適応外になるというケースも有るようです。ペット保険に加入する際は、しっかり規約を確認してからにしましょう。

 

病院に行かなくても郵送で健康診断が受けられるサービスも

近年では人間も病院に行かずに検査を受けられるサービスが充実していますが、実は犬も病院に行かずに郵送で健康診断を受けられるサービスがあります。自宅で愛犬の尿や便を採取し、ポストへ投函し10日から2週間程度で検査の結果が届きます。検査内容は利用するサービスによっても異なりますが、ガン、炎症、尿結石、感染症、尿路結石、糖尿病、腎機能・腎障害などが分かります。病院が嫌いな犬や忙しくてなかなか動物病院に連れて行くことができない飼い主さんにはおすすめです。

自宅でできる愛犬の健康チェック

健康診断は病気の早期発見にも繋がりますが、自宅でも簡単にできる愛犬の健康チェック方法もあります。自宅でできる健康チェック方法として、「体温・心拍数の測定」、「排泄物の観察」、「食欲・元気」、「歩様」、「皮膚の状態」、「口腔内の状態」、「目・耳・鼻の状態」などを観察します。

まずは体温・心拍数の測定です。体温を測定するためには肛門に直接体温計を差し込んで測定する方法があります。しかし、自宅では暴れてしまい難しい場合もあるため、日頃から体を触っておき平均体温はこの温度と体でおぼえておくのもいいでしょう。心拍数は股動脈という脈が犬の内股を通っていて触ることで測定することができます。1分間に何回拍動したかを数えます。

排泄物の観察では便と尿の様子を観察します。便では便の形状、便の色、回数などを調べる他にも不要な割り箸などを用いて便の中を観察しキチンと食べたものを消化できるかなどを観察します。他にも便をするときの愛犬の様子も観察しておきましょう。尿では、尿の色、回数、尿がザラザラしていないかなどを観察します。便同様、尿をする際の愛犬の様子も観察します。痛がっている、時間がかかる場合は何らかの病気の可能性が高いので早めに動物病院を受診しましょう。

食欲・元気ではいつもと比べてどうかということを観察します。愛犬の普段の様子を知っているのは飼い主さんだけなので、とても重要になります。いつもと異なる行動をする場合は他にも症状がないか観察しましょう。

歩様では歩き方を観察します。散歩している際や家でリラックスしている状態の際に観察するとよりわかりやすいです。足を引きずっていたり、たくさん舐めていたり、気にする様子が内科などを調べましょう。

皮膚の状態では毛をかき分けて直接皮膚を観察します。赤みや傷などがないか、寄生虫感染はないかなどを調べます。毛をかき分けて全身の皮膚を観察するのは大変ですが、できるだけ広範囲の皮膚の状態を見るようにしましょう。皮膚疾患はできるだけ早い段階で治療を開始すると完治までのスピードが早くなります。梅雨の時期から夏場の湿った時期は特に注意しましょう。

口腔内の状態では歯の歯垢・歯石の付着具合や歯肉の炎症度合いを観察します。成犬の約8割は歯周病になっていると言われるほど、犬には多い病気です。歯垢であれば歯磨きなどで除去できますが、歯石になってしまうと動物病院で歯石除去処置をしてもらわないと取れません。日頃から歯磨きを行いましょう。

目・耳・鼻の状態では目の粘膜、白目の部分の観察、耳の中の観察、鼻の観察を行います。目は粘膜の部分の色を見ることで貧血の有無がわかり、目や白目の部分を観察することで角膜に傷がないかなどを確認することができます。耳の中の観察では外耳炎や耳の中に傷がないかを調べることができ、鼻の観察では鼻水の色で最近感染の有無などを調べることができます。

自宅では簡単に健康チェックができますが、治療を行うのは動物病院ですので、なにかおかしいと感じた際は出来るだけ早く動物病院を受診し、病気の早期発見早期治療を心がけましょう。

 

まとめ

ここでは犬の健康診断の必要性や、健康診断の項目、費用、自宅でできる健康チェックなどをご紹介しました。愛犬にはできるだけ長く生きてほしいと思うのはどの飼い主さんも同じです。飼い主さんの判断次第で愛犬の寿命を短くすることも長くすることもできます。普段から愛犬とコミュニケーションを取り、いつもとおかしいと感じた際は一人で悩まずかかりつけの動物病院に相談することをおすすめします。

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