ボーダーコリーは、被毛が長めの中型犬であり、飼い犬としても人気が高い傾向があります。
一般的に、ボーダーコリーは賢い犬種として知られていますが、中には「運動量が多くて飼いづらい」「凶暴化しやすい」という意見も稀に見られます。
では、なぜ賢い犬にもかかわらず、ボーダーコリーは「飼うのが難しい」といわれることがあるのでしょうか。
そこで今回の記事では、ボーダーコリーの特徴や飼うときのポイントについて詳しく解説していきます。
ボーダーコリーってどんな犬?
ボーダーコリーとはそもそもどんな犬なのでしょうか。
その外見的特徴やルーツについて詳しく見ていきましょう。
大きさや見た目の特徴
ボーダーコリーは体高が53㎝前後、体重13〜25kgほどの、やや大きめの中型犬です。
体高よりも体長がやや長く均整の取れたスマートな体型をしていて、いかにも運動神経が良さそうなイメージを与えます。
顔つきは凛々しく、耳は立ち耳~半立ち耳で精悍な見た目をしているので、国内外でも人気の高い犬種です。
被毛の特徴
ボーダーコリーはダブルコートの被毛です。
長めの「ラフコート」と、短く真っ直ぐな「スムースコート」の2種類に分けられ、どちらも毛量にボリュームがあるのが特徴といえます。
毛色については、日本では「ブラックアンドホワイト」のカラーが有名ですが、「グレーアンドブラック」や「チョコアンドホワイト」など、35種類以上の毛色が存在します。
いずれにせよボリュームのある被毛が特徴であり、被毛の美しさを保つためにも日頃からしっかりと手入れしてあげる必要があるでしょう。
ボーダーコリーはイギリス生まれの牧羊犬
ボーダーコリーの祖先は、バイキングがイギリスに持ち込んだトナカイ用の牧畜犬だといわれています。
この牧畜犬とイギリスにもともといた犬が交配を繰り替えし、誕生したのがボーダーコリーなのです。
ボーダーコリーは牧羊犬として活躍してきた歴史があるので、人との作業を好む傾向があります。
ディスク競技をはじめとするドッグスポーツでも活躍することが多いのは、ボーダーコリーが牧羊犬であった名残といえるでしょう。
ボーダーコリーはどんな性格の犬なの?

基本的にボーダーコリーは、飼い主に対して非常に忠誠心の高い犬種です。
信頼した相手に対しては一途で、言うこともよく聞いてくれる傾向があります。
好奇心も旺盛であり、しっかりと教え込めばさまざまなことを吸収してくれるでしょう。
しかし、その賢さや洞察力の高さゆえに、警戒心が強く神経質な一面もあります。
ボーダーコリーの長所を生かすためには、幼少期からのしつけと飼い主との信頼関係の構築が重要なポイントとなるのです。
オスとメスの性格の違い
ボーダーコリーは、オスかメスかで性格に違いが出てきます。
オスの方がやんちゃな傾向が強く、運動量もメスと比べて多いです。
また、しっかりとしつけないと警戒心の強い犬になりやすいことがあります。
そのため、子犬の頃から飼い主との共同作業で、信頼関係を築くことが大事です。
一方、メスはオスに比べて穏やかで、優しい性格の子が多い傾向があります。
そのため、多頭飼いしたい場合や他の動物がいる場合は、友好的なメスの方が向いているといえるでしょう。
ボーダーコリーは凶暴化しやすい?
「ボーダーコリーは凶暴化しやすい」という意見に、心配になっている人もいるかもしれません。
しかし、きちんとしつければボーダーコリーが凶暴化することはほぼありません。
元々賢い犬であり従順で愛情深い性格なので、信頼関係のある相手であればきちんと言うことを守ってくれます。
しかし、運動不足やコミュニケーション不足によるストレスが原因となって、問題行動を起こすようになるケースもあります。
ボーダーコリーが運動を好む犬種であることを踏まえた上で、しっかり運動量を確保してあげることが大切です。
たくさん運動させてきちんと愛情を注いであげれば、凶暴化せず賢い犬でいてくれるでしょう。
ボーダーコリーが飼いにくいって本当?飼いにくいと言われる理由
中には「ボーダーコリーは飼いにくい」「初心者向きではない」という意見もあります。
その理由は以下の通りです。
運動の時間と量を豊富に確保する必要がある
ボーダーコリーは元々牧羊犬だった犬種なので、たくさん運動することを好みます。
そのため、体を動かす時間が十分確保できていないと、ストレスを溜め込んでしまうことがあるのです。
散歩は基本的に1日2回、それぞれ1時間以上行うのが理想的だといわれています。
また、散歩以外でも体を動かす遊びをさせたり、自由に走り回れるような環境を作ってあげたりすることも大切です。
ゆえに、「たくさん運動させられない家庭だと飼育が難しい」「忙しい飼い主にとっては飼いづらい犬」という印象になってしまうのでしょう。
知能が高くてしつけが難しい
ボーダーコリーは知能が高く、それゆえにしつけが難しいという一面があります。
ボーダーコリーは周りの環境や飼い主の様子などから、「こうすれば人間が要望通りに動いてくれる」と予測することができます。
その頭の良さが、場合によっては裏目に出てしまうことがあるのです。
「吠えればエサが貰える」「服を噛めば散歩に連れて行ってくれる」などと学習して、何度もその行動を繰り返してしまうケースもあるでしょう。
こうしたボーダーコリーの賢さがしつけの難しさに繋がり、「初心者向きではない」と思われる要因となることもあるのです。
動くものに反応する習性がある
牧羊犬だったボーダーコリーは、「動くものに反応する」という習性を持っています。
そのため、散歩中に車や自転車といった動くものを追ってしまうことがあるのです。
この癖を早めに直さないと、愛犬が事故に遭ったり、飼い主が引きずられて怪我をしたりする恐れがあります。
とはいえ、動くものに反応するのはボーダーコリーの元々の習性なので、止めさせるのにはかなり根気が必要でしょう。
時間をかけてじっくり犬と向き合える人でなければ、ボーダーコリーの飼育は難しいかもしれません。
ボーダーコリーを飼うときのポイント4選

最後に、ボーダーコリーを飼うときに押さえておくべきポイントを解説していきます。
「ボーダーコリーを飼いたい」と考えている人は、必ずチェックしてくださいね。
運動量を毎日きちんと確保する
繰り返しになりますが、ボーダーコリーはたくさんの運動を必要とする犬種です。
そのため、ボーダーコリーを飼うのであれば、運動量を毎日きちんと確保してあげる必要があります。
- 1日2回、それぞれ1時間以上散歩できる時間はあるか
- 家の中でも自由に動き回れる場所はあるか
- 生活サイクルや家の環境がボーダーコリーと合っているか
など、しっかりと見極めなければいけません。
家の近くにドッグランがある場合は、そうした施設も活用しながら、しっかりと運動させてあげるようにしましょう。
子犬の頃からきちんとしつける
ボーダーコリーを飼育する場合、子犬の頃からきちんとしつける必要があります。
知能の高いボーダーコリーは、すぐに家の中のヒエラルキーを見抜いてしまいます。
飼い主が頼りなく愛犬を甘やかしてばかりいると、すぐに言うことを聞かなくなってしまうでしょう。
信頼関係構築のためにも、しつけのときは毅然とした態度で臨まなければなりません。
とくに、吠え癖や車追いといったボーダーコリー特有の習性は、子犬の頃にしっかりとしつけておく必要があります。
しつけが難しいと感じたときは、ドッグトレーナーに相談するのもおすすめですよ。
被毛の手入れを定期的に行う
ボーダーコリーの被毛はダブルコートなので、抜け毛が多く毛玉もできやすいです。
そのため、被毛の手入れは定期的に行う必要があります。
ブラッシングはできれば毎日、換毛期には1日2回程度するのがおすすめです。
また、シャンプーは月に1〜2回程度、年齢や汚れ具合に応じて洗ってあげるといいでしょう。
シャンプー後は風邪や雑菌の繁殖を防ぐためにも、しっかりとドライヤーで乾かしてあげることが大事です。
熱中症対策をしっかりする
ダブルコートのボーダーコリーは暑さに弱いです。
熱中症予防のためにも、夏場はしっかりと暑さ対策をする必要があります。
室内は25度前後を保つようにして、散歩も暑い日中は避け早朝や夜の涼しい時間を選ぶようにしましょう。
夏のアスファルトは熱くなっているので、火傷しないように地面の温度にも気をつけてあげてください。
ボーダーコリーを飼うときは特徴を理解してあげよう
ボーダーコリーは賢く飼い主に忠実な犬ですが、その性質には注意が必要な部分も少なくありません。
「活発で運動を好む」「子犬の頃からしっかりしつける必要がある」といった、ボーダーコリーの特徴をよく理解して飼育することが何よりも大切です。
ボーダーコリーの習性を踏まえてしっかりとサポートしてあげれば、その賢さを発揮して飼い主の言うことをよく理解してくれる、最高のパートナーになってくれるでしょう。
時間をかけてしっかりと信頼関係を築いて、ボーダーコリーと楽しい共同生活を送っていってくださいね。




















