犬にとって唸る行動は、相手に対して「これ以上嫌なことをすると攻撃する」という意思表示です。
唸るのをやめさせるためには、犬がどうして唸るのかの原因をきちんと見極めなければいけません。
まずは犬が唸る原因を突き止めて、愛犬の気持ちを理解してあげることが大切です。
犬が唸るのはなぜ?考えられる理由5選
犬が吠えたり唸ったりするのは、本能からの行動です。
犬が唸るタイミングは
- 怖いときや何かに対して警戒しているとき
- 痛いとき
- 嫌悪感を感じているとき
- 遊んで興奮しているとき
などが挙げられます。
このように犬はさまざまな理由で唸りますが、唸ったことだけを叱るのでは何の解決にもなりません。
どんな理由で犬が唸ったのかを理解して、その理由に合わせた解決方法を見極めることが大切です。
怖くて威嚇している
何かに怯えていて、怖い気持ちから唸り声をあげることがあります。
犬は恐怖を感じると、耳をペタッと垂らし尻尾を足の間に巻き込んで身体の下に隠します。
このような行動をしながら唸っている場合、自分の身を守るために威嚇をしているのです。
また「これ以上やったら攻撃するぞ!」という意味を含めている場合もあります。
餌やおもちゃを取られたくない
自分の大好きなおもちゃを取り上げられそうになったとき、怒って唸ることがあります。
取ろうとしている相手を威嚇して、奪われないようにしているのです。
それでも取ろうとすると噛み付くこともあるため注意しましょう。
これは、自分の大事なものを守ろうとする犬の本能からの行動なのです。
自分の方が優位だと示している
耳をピンと立て毛を逆立てて唸っている場合は、強気になって威嚇していることを示しています。
自分の方が優位だというアピールをしているのです。
犬は集団で生活をしていた動物で、群れの中でリーダーの指示に従って暮らしていました。
自分が飼い主さんよりも優位に立っていると思っているわんちゃんは、威圧的な態度をとることがあります。
仲間や子どもを守ろうとしている
母犬が子育てをしているときに、子どもに近づくと唸られることがあります。
これは子どもを守ろうとする気持ちからの唸りです。
また、自分の知らない人が飼い主さんのそばに近づいた時、飼い主さんを守ろうとして唸り声をあげることもあります。
遊びがエスカレートして興奮している
犬同士や飼い主さんと遊んでいるときに犬が唸ることがありますが、これはケンカをしているわけではなく遊びの延長でついつい声が出てしまうためです。
人間でいうと「えーい!」「おりゃー!」というような、掛け声みたいなものだと考えると分かりやすいのではないでしょうか。
犬が唸る時のしつけ方法
犬が唸ってしまったら、どのようにしつければいいのでしょうか。
ここでは、犬が唸る時のしつけ方法を解説します。
大事な物とおやつを交換する
大事な物を守ろうとして唸る場合は、おやつと交換するようにしてください。
無理やり取ってしまうと、ただ「物を奪われる嫌な経験」をさせるだけです。
おやつと交換することで「飼い主にこれを渡すといいことがある」と学習し、素直に応じてくれるようになるでしょう。
交換の練習としては、おもちゃとして犬にロープを噛ませ、「交換」と伝えた後におやつを与えます。
おやつを食べ終わった後は再びロープで遊んであげ、「ロープを放してもいいことがある」と学習させましょう。
爪切りや足拭きなどはおやつを使う
爪切りや足拭きなどのケアを嫌がって唸る場合は、ケアの後におやつを与えるといいでしょう。
おやつを与えることで、「この後にいいことがある」と学習し、犬の警戒心を解くことができます。
無理やりケアをするとかえって警戒心を高めてしまうため、NGです。
上下関係を学習させる
犬が優位に立とうとして唸るのなら、きちんと上下関係を学習させるといいでしょう。
飼い主が上の立場であることを理解すれば、唸ってはいけないという指示を聞いてくれるようになります。
唸った時はキッパリとやめるように言い、指示どおりやめられたら褒めてご褒美をあげてください。
ポイントとしては
- 唸るのをやめた直後に褒めてご褒美を出す
- しつこく叱ったり手を出したりしない
ことが大切です。
犬が唸るときにやってはいけないNG行動
「犬が唸ったら叱る」を繰り返すのはNGです。
犬を一方的に抑圧するだけになり、唸ることをやめなくなる可能性があります。
場合によっては、「この人に唸っても意味がないから攻撃しよう」と、前触れなく攻撃してくるようになるかもしれません。
「唸るのをやめたらいいことがある」と学習させるために、唸るのをやめた直後に褒めたりご褒美をあげたりするのが効果的です。
犬が唸る原因を突き止めて解決しましょう
愛犬が唸るのは、何かしらの原因に対して負の感情を持っているからです。
怯えている場合もありますし、怒っている場合もありますが、まずは愛犬が何に対して唸っているのかを飼い主さんが理解してあげてください。
唸る癖を改善するためには時間がかかることもありますが、正しい対処法を続けていくことでいつかは改善されるはずですので、諦めずに継続していきましょう。