愛犬におやつを催促されると、可愛くてついつい与え過ぎていませんか?
夜食や犬用おやつは、肥満や消化不良、偏食などの原因になることがあります。
けれども、上手に活用すれば犬にとってメリットがたくさんあります。
今回は、犬の夜食やおやつについて期待できる効果や注意点などを幅広くご紹介します。
犬に夜食はあげた方がいいの?
一般的に夜食は、犬にとって肥満の原因となるため避けた方が良いと考えられています。けれども、朝方嘔吐するなら、夜食が嘔吐対策になることもあります。
夕食から翌日の朝食までの時間が長すぎると、胃は長時間空の状態です。
すると胃の中に胃酸が多く分泌され胃液を吐くことがあります。朝ごはんを食べる前に黄色っぽい胃液を吐く場合は夜食を与えて様子を見ましょう。
犬に夜食をあげる際に気をつけるべきポイント
犬に夜食をあげる際は、肥満の原因にならないよう量に注意して、与える時間帯をしっかりと決めましょう。
量は変えずに回数を増やす
夜食を与える場合は肥満に細心の注意が必要です。
1日の餌全体の給与量は変えず、夜食分の回数を増やす形で対応しましょう。
今までと同じ量の食事でも、タイミングをわけて回数を増やすことで空腹時間が短くなり嘔吐症状の緩和に役立ちます。
大まかな時間帯を決めておく
人間同様に、犬にとっても食事をする時間帯を決めておくことは健康維持のために大切です。
犬に夜食を与える場合、日によって時間帯が異なると犬の体に負担がかかります。
人間も毎朝食事を食べていない人が急に朝食を食べたり、普段寝ている時間帯に食事をとったりすれば胸やけの原因になります。
犬も同様に普段の食事の時間帯を急に変えると消化機能に支障をきたす原因になるので、夜食も決まった時間帯に与えましょう。
ひとつ注意したいのは、きっかり時間を決めないことです。何時にあげると決めてしまうと要求吠えをするようになってしまうケースがあるからです。
そのため、何時から何時までの間と大まかな時間帯を決めてあげるようにしましょう。
また、はじめて夜食を与える場合はごく少量から慣らしていくことが大切です。
犬におやつはあげた方がいいの?
総合栄養食のペットフードとは異なり、おやつは必ず犬に与えなければいけないものではありません。
しかし、おやつは上手に活用すれば、わんちゃんも喜ぶし、しつけにもなるという相乗効果を生みます。
さらに、犬とのコミュニケーションや遊びにも活用できます。
最近の犬用おやつは、種類豊富で素材にこだわった商品も数多くあるため、時に犬の健康維持に役立つこともあります。
アレルギーも考慮して愛犬にぴったりな高品質のおやつを選び、給与量や注意点を守って与えましょう。
犬のおやつの役割とあげる際の注意点
おやつは上手に活用することでさまざまな役割を担うので、注意点をしっかり守っておやつを有効活用しましょう。
おやつの役割
おやつはご褒美や遊び、コミュニケーションをはじめとしたさまざまな役割を担い、時に犬の口腔内や体の健康維持に役立つこともあります。
ご褒美
おやつは栄養面のみを考慮するとあまり必要性はありませんが、犬のしつけの際にはとても大切な役割を果たします。
犬のしつけの基本にご褒美を利用して飼い主のコマンド(指示)に従わせる方法があります。
飼い主に従えば、何かしら良いことがあると教えて物事を学習させるのです。
飼い主が十分に褒めることも犬にとってご褒美になりますが、あわせておやつを利用するとさらに効果が発揮されます。
遊び
おやつは犬の遊びにも活用可能です。
おやつを利用した代表的なおもちゃに知育玩具で有名なコング社のコングシリーズがあります。
知育玩具の中におやつを隠すことで犬は遊びながら脳を鍛えることができるのです。
遊びのみならず集中力の維持にも役立ち、さらには、老犬特有の認知症予防効果も期待できます。
犬にとって遊ぶことはストレス発散にもなります。
大好きなおやつを使用した知育玩具で遊ぶことには、さまざまなメリットが期待できるのです。
コミュニケーション
犬は自分に美味しいものをくれる飼い主さんに好意をいだきます。
そして、おやつをもらって喜んでいる愛犬を見ると飼い主さんも嬉しい気持ちになりますよね。
おやつはわんちゃんと飼い主さんの絆を深めるための大切なコミュニケーション手段にもなるのです。
他にも、飼い主さんがどちらかの手におやつを隠してわんちゃんに当てさせるゲームもコミュニケーションの一環となります。
犬とのコミュニケーションの形にはいろいろありますが、おやつを活用してコミュニケーションを図るのもひとつの方法です。
口腔内の健康維持
一般的に犬の口腔内の健康維持には毎日の歯ブラシが効果的ですが、どうしても歯磨きを嫌がる子も多いでしょう。
そんな時は歯磨き効果のあるおやつを利用しましょう。
多くの歯磨き用おやつはガム状、またはジャーキー状になっており、噛むことで歯に付着した食べ物のカスや歯垢を取り除く効果が期待できます。
さまざまな歯磨きおやつがありますが、口臭予防や歯周病予防に有効とされるグロビゲンPG配合の商品がおすすめです。
サプリメントとして活用
最近の犬用おやつには、サプリメントのように個々の犬に必要な栄養素を補給できるものも数多くあります。
例えば老犬なら、老犬特有の関節炎に配慮したグルコサミンやコンドロイチン配合のおやつ、抗炎症効果や老化防止、心臓や腎臓の保護作用が期待できるオメガ3脂肪酸配合のおやつなど種類豊富にあります。
このように、個々の犬に必要な栄養素をおやつで補うことができるのです。
また、名目はサプリメントとして販売されているものの、おやつ感覚で食べられる嗜好性の高いサプリメントも販売されているので、上手に活用すると良いでしょう。
おやつをあげる際の注意点
おやつをあげる際は、肥満、アレルギー、消化不良、偏食、栄養バランスの5つに気をつけなければいけません。
肥満の原因
おやつの与え過ぎは肥満の原因となるので、十分注意しましょう。
明治大学が2016年に行った調査によると、現在日本国内で飼われている犬の54.9%が肥満気味、または肥満であるといわれており、ダイエットが必要な状況です。
(参考:https://petomorrow.jp/news_dog/43592/2)
肥満は病気の間接的原因にもなります。
糖尿病のみならず股関節の病気や椎間板ヘルニアを発症しやすくなる可能性があるのです。
その他、心臓や肝臓、呼吸器官にも負担がかかりやすくなるため、食事制限をしながらおやつの与え過ぎにも細心の注意を払いましょう。
アレルギーの原因
犬のおやつにはアレルゲンとなる物質が含まれていることがあります。
多くのおやつは犬の嗜好性を上げるために保存料、着色料、香料などの添加物を使用しているため、それらに対してアレルギー反応を起こす場合があります。
添加物のみならず、食べ慣れていない食材に対してアレルギー反応を起こすこともあるので、はじめて与えるものは少量ずつ試し、アレルギー反応が起こらないか確認しましょう。
また、発がん性が懸念される石油由来成分が含まれていないおやつを選ぶことも重要です。
消化不良の原因
犬のおやつには小麦や米類などの穀物が主成分のものが多々あります。
一般的に犬の消化器官には動物性たんぱく質が適しており、あまり穀物の消化を得意としません。
穀物を多く使用したおやつの与え過ぎは、下痢や嘔吐をはじめとする消化器疾患を引き起こす要因となるので注意が必要です。
また、おやつの主成分も犬の消化機能に適した材料であるかしっかりと確認しましょう。
犬の免疫細胞の約6〜7割程度が腸に集中しているため、腸をはじめとする消化器官への負担は犬の免疫力低下の原因にもなります。
偏食になる可能性も
おやつの与え過ぎは偏食の原因になる可能性があります。
通常おやつは主食であるドッグフードとは異なり、犬の嗜好性が高まるように工夫された商品がほとんどです。
大抵の犬は好んでおやつを食べるので、それでお腹をいっぱいにするようになると、主食の総合栄養食を食べなくなる可能性があります。
栄養の偏りにつながることも考えられるので、あげすぎには十分注意しましょう。
栄養バランスが崩れないように配慮
おやつは与え過ぎると肥満の原因のみならず、犬の健康維持に大切な栄養バランスの乱れを引き起こす要因にもなります。
総合栄養食のドッグフードとは異なり、おやつではバランス良く栄養素を補給できず、ある特定の栄養素を過剰摂取してしまう原因になります。
栄養バランスが崩れないように、おやつの量は犬の1日の食事量の10%以内に留めましょう。
おやつの与え方をきちんと調整して、犬も喜ぶ夜食とおやつにしましょう!
わんこにとっておやつは最高のご褒美であり、しつけや遊び、コミュニケーションを図るためにも活用できます。
また、おやつを上手に活用すれば口腔内の健康維持やサプリメント的効果も期待できます。
一方、おやつの与え過ぎは肥満や偏食、栄養バランスの乱れなどを引き起こす要因にもなります。ですが、与える際の注意点や量をしっかり守れば、メリットはたくさんあります。
愛犬の健康維持を最優先に考えながら上手に活用し、夜食とおやつで喜ばせてあげましょう。
まとめ
- 朝方吐いてしまう犬に夜食は効果的!
- おやつは犬のご褒美や遊び、コミュニケーションにも役立つ
- おやつを上手に活用すれば口腔内の健康維持やサプリメントとしての役割も果たす!
- 与え過ぎは禁物!肥満防止のため、おやつは少量にとどめよう
- おやつを与えるときはアレルギーや消化不良に気をつけよう