クルクルとした細く柔らかい巻き毛が特徴的で、ぬいぐるみのように愛らしさをもつ「トイプードル」。
賢くてしつけやすいことでも人気の高い犬種ですが、「性格が悪い」と誤解されてしまうことも少なくありません。
この記事では、トイプードルの基本的な性格、性別や毛色別の性格、「性格が悪い」と言われる理由について詳しく解説します。
トイプードルの基本的な性格
トイプードルは、基本的に賢く明るい性格をしています。
従順で愛情深く、家族とのふれあいが好きな傾向があります。
人懐っこくて社交性が高いので、子どもや高齢者、他の犬や猫がいる家庭でも飼いやすいでしょう。
また、運動能力が高く好奇心も旺盛です。
水鳥を回収する狩猟犬だったことから、水遊びや物を取ってくる遊びを好みます。
ただし、寂しがり屋で甘えたがる傾向があるので、メリハリのあるしつけをしないとワガママになってしまうことがあります。
また、繊細な一面もあり、厳しく叱りすぎると飼い主さんを怖がるようになることもあるでしょう。
オスとメスの性格の違い
トイプードルは、性別によって性格に違いがあると言われています。
オスとメスの性格の違いは、以下の通りです。
- 【オスの性格】
トイプードルのオスは、一般的に明るく活発で甘えん坊な傾向があります。
やんちゃな一面があるので、しつけに時間がかかることもあるでしょう。
また、飼い主さんへの愛着が強く、依存しやすいのも特徴のひとつです。
寂しさを感じやすいので、常に近くにいたがり、留守番が苦手な子も多いです。
- 【メスの性格】
トイプードルのメスは、オスよりもマイペースで自立心が強い傾向があります。
感情表現が控えめで穏やかなので、大人な印象を受けるかもしれません。
また、愛情深く甘えん坊ですが、頑固な一面もあります。
我慢強い子が多いので、留守番の時間が長くなりがちな家庭でも飼いやすいでしょう。
【毛色別】トイプードルの性格の違い

トイプードルにはさまざまな毛色があります。
そして、一説によれば毛色によって性格にそれぞれ違いがあると言われています。
ここでは、代表的な毛色の性格を紹介します。
アプリコットの性格
アプリコットのトイプードルは、杏のような薄いオレンジ色で人気の高い毛色です。
陽気で遊び好きな性格をしているので、愛犬とのスキンシップを楽しみたい人に向いているでしょう。
社交性がやや低く、他の犬と協調するのが苦手な傾向もあります。
そのため、多頭飼いには注意が必要です。
また、神経質で臆病な一面もあるので、きちんとしつけをしないと無駄吠えが多くなる可能性があります。
ブラウンの性格
ブラウンのトイプードルは、チョコレートのような深みのある濃い茶色をしています。
成長するにつれて、カフェオレのような薄い茶色に退色するのが一般的です。
また、被毛だけでなく、目や鼻、唇、肉球も成長するにつれて茶色になっていきます。
ブラウンのトイプードルは、性格は穏やかですが、マイペースで人見知りしやすい傾向があります。
賢くて独立心が強いので、留守番が得意な子が多いです。
賢いぶん、頑固な一面を持つことがあり、しつけの際は根気が必要になるかもしれません。
シルバーの性格
シルバーのトイプードルは、子犬のときは黒に近い毛色ですが、成長とともに明るいシルバーに変化するのが特徴です。
一般的に、1歳半〜2歳頃までに毛色が変化します。
性格は、「独立心が強いタイプ」と「協調性のあるタイプ」に分かれると言われています。
基本的に賢くて落ち着きがあるので、飼い主さんの指示に素直に従う傾向があります。
頑固な一面もありますが、愛情を込めて丁寧に接することで深い信頼関係を築けるでしょう。
ホワイト・クリームの性格
ホワイトのトイプードルは、真っ白な毛色が特徴です。
原種カラーのひとつであり、退色によって毛色が変化することはほとんどありません。
性格は穏やかで安定しており、社交的な子が多いです。
賢く従順で、飼い主さんに対して強い忠誠心を持つ傾向があります。
また、甘えん坊な一面もあるので、積極的にスキンシップをとってあげると喜ぶでしょう。
クリームのトイプードルは、アプリコットとホワイトの中間のような優しい黄白色をしています。
成長とともに、ホワイトに近い色味になっていくこともあります。
クリームのトイプードルは、ホワイトと同じく従順で甘えん坊な性格ですが、ややマイペースな子が多いと言われています。
ブラックの性格
ブラックのトイプードルは、全身黒色で、皮毛だけでなく唇や鼻、爪などもすべて黒いという特徴があります。
硬く丈夫な毛質で、抜け毛も少なめなので、お手入れはしやすいでしょう。
性格は、他の毛色のトイプードルに比べて落ち着きがあり、安定している子が多いです。
賢くてしつけがしやすいので、初めて犬を飼う人や、小さな子供や高齢者がいる家庭でも飼いやすいでしょう。
レッドの性格
レッドのトイプードルは、赤みの強いブラウンカラーで、もっとも人気が高い毛色です。
色の濃さには個体差がありますが、成長するとともに薄くなり、アプリコットに近い毛色になります。
レッドのトイプードルは、明るく活発な性格をしていることが多いです。
遊び好きで人によく懐き、家族や他の人とも仲良くなりやすいでしょう。
やんちゃな一面があり、自己主張も強いので、しつけに時間がかかる可能性があります。
トイプードルの欠点?性格が悪いと言われる理由
トイプードルは賢くて愛らしいことで人気ですが、まれに「性格が悪い」と言われることがあります。
それは、トイプードルが持つ賢さや感受性の高さが、飼い主さんとの関係性や環境によって、悪い方向に出てしまっていることが原因だと考えられます。
ここでは、トイプードルが性格が悪いと言われる理由を紹介します。
賢くて反抗的な態度を取ることがある
トイプードルは非常に賢いので、人を見て態度を変えることがあります。
家族の中で自分が優位な立場だと感じると、反抗的な態度を取ることも少なくありません。
たとえば、母親には従順なのに父親の指示には従わない、といったことが起きます。
許されたイタズラを「してもいいこと」と解釈して、エスカレートすることもあります。
また、記憶力もいいので、一度嫌な思いをすると、その行動を頑なに拒否するようになる子もいます。
こうした反抗的な態度は、飼い主さんの一貫性のないしつけや甘やかしが原因となりやすいです。
犬が混乱しないように家族全員で同じルールを設け、良いことをしたときにしっかり褒めて、信頼関係を築いていきましょう。
感受性が高くて問題行動を起こすことがある
トイプードルは感受性が高い傾向があるので、ストレスや不安を強く感じてしまうことも多いです。
こうした気持ちが強くなると、無駄吠えや分離不安、噛み癖などの問題行動につながることがあります。
ストレスや不安を和らげるためには、日常的にストレスを発散させたり、リラックスできる場所を作ってあげたりするのが効果的です。
また、過度に甘やかすと飼い主さんに依存して不安を感じやすくなるので、適切な距離感を保つように心がけましょう。
嫉妬心や独占欲が強い
トイプードルは愛情深く甘えん坊な一面があるので、そのぶん嫉妬心や独占欲が強い傾向があります。
他の人や動物と仲良くしていたり、構ってもらえなかったりすると、飼い主さんにやきもちを焼くことがあるでしょう。
やきもちを焼いてしまうと、無理やり割り込んでくる、吠える、唸るといった行動を取ることがあります。
このような行動を抑えるためには、他の犬や人との関わりを増やして、トイプードルの社交性を育むことが大切です。
攻撃的な態度をとっているときに構ってしまうと、さらに問題行動がエスカレートする可能性があるので注意しましょう。
感情表現が激しくて騒がしく見える
トイプードルは、感情が表情や態度に表れやすい傾向があります。
気持ちがわかりやすいのはトイプードルの魅力のひとつですが、感情表現が激しくて騒がしく見えることも少なくありません。
警戒心も強いので、わずかな物音や来客に興奮して過剰に吠えることもあるでしょう。
このような行動を防ぐためには、さまざまな音や人、場所に慣れさせるトレーニングをすることが大切です。
環境や飼い主の感情に敏感に反応してしまう
トイプードルは賢く感受性が高いので、飼い主さんの感情や生活環境の変化に非常に敏感な傾向があります。
そのため、飼い主さんが不安定だったり、引っ越しや家族構成に変化があったりしたときに、不安やストレスを感じる子も少なくありません。
警戒心から、人に対して吠えたり逃げたりすることがあるので、「愛想がない」と誤解されることもあります。
愛犬が落ち着いていられるように、しっかりと信頼関係を築き、安心して過ごせる場所を作ってあげましょう。
トイプードルは性別や毛色によって性格に特徴がある

トイプードルは性別や毛色によって、性格に特徴があると言われています。
トイプードルを迎える際は、ひとつの参考としてみるといいでしょう。
しかし、それぞれの犬には個体差があり、飼い主さんとの関係性や育った環境によっても性格は大きく変わってきます。
「うちの子は性格が悪い」と感じたときは、トイプードルの賢さや感受性の高さが裏目に出ている可能性があります。
迎えた子の個性を理解して、適切なしつけで良いところを伸ばしてあげることが大切です。
今回紹介した情報を参考に、トイプードルとの生活を楽しんでくださいね。




















