ジャックラッセルテリアは、とても元気で好奇心旺盛な犬種です。狩猟犬としての歴史も長く、勇敢でスタミナがあります。小さい体でありながら大型犬並の運動量を必要とするため、毎日の散歩は欠かせません。アクティブに体を動かすことが好きな方にとって、ジャックラッセルテリアは最適なパートナーとなるでしょう。
また、動くものを追いかける習性があるので、猫や小動物との同居はあまりおすすめできません。散歩の際は自転車や車をめがけて道路に飛び出ることが無いよう注意を払ってあげてください。
犬種の特徴
- 適応性
- アパートマンションでの
生活に適応できるか、
飼育スペースが必要か - 初心者の飼いやすさ
- 繊細さ・神経質・内向的
- 1匹でいても耐えられるか
- 寒さへの耐性
- 暑さへの耐性
- 親しみやすさ
- 家族への愛情表現・社会性
・愛情欲求度の多さ - 子どもとの仲良くなる度合い
- 他の犬に優しいか
- 見知らぬ人でも優しいか
- 健康面
- 脱毛量(抜け毛の量)
- よだれの多さ・唾液量
- 手入れの簡単さ
- 一般的な健康度合い
(病気になりやすさ) - 体重が増えやすいか
- しつけしやすさ
- トレーニングが簡単か
- 頭の良さ
- かみ癖(狩りへの欲求)
- 吠え癖
- 行動面
- 運動量、散歩時間
(エネルギーレベル) - 1日の餌(ドッグフード)の量
- 活発さ・活発度・遊び心
ジャックラッセルテリアについて
犬種グループ | 第3グループ テリア テリア TERRIERS 穴の中に住むキツネなど小型獣用の猟犬 |
大きさ(体高) | 25〜30cm |
平均体重(理想の体重) | 5〜7.7kg |
平均寿命 | 10〜15歳 |
繁殖目的(用途) | 作業犬、家庭犬、テリア犬 |
毛の特徴 | スムースコート・ラフコート・ブロークンコートの3種類があり、どれもダブルコートです。 |
毛色(カラー) | ホワイトをベースにブラックかタンのマーキング(斑) |
グルーミング・トリミングの必要性 | カットは必要ありませんが、いずれの毛並みもこまめなブラッシングが必要です。 |
成犬になるまでの期間 | ジャックラッセルテリアは1歳ごろに体の成長が止まって体重が安定します。 |
飼養頭数 | 3,343頭 |
レア度(日本での登録犬数 ケネルクラブ) | 17位(一般社団法人ジャパンケネルクラブ 2019年調査) |
犬種の詳細
活発で好奇心旺盛な性格
ジャックラッセルテリアは、キツネを狩る狩猟犬として活躍していたという歴史があるため、小柄でありながら勇敢で物怖じしないパワフルさを持っています。また、非常に活発で好奇心が強く、いつも元気いっぱいです。アクティブに体を動かすことが好きな方にはピッタリな犬種でしょう。
一方で、無駄吠えが多い犬種ともいわれています。狩猟本能から吠える癖が今でも強く残っているようです。生まれ持った癖なのですぐに直すのは難しいかもしれませんが、長い時間をかけて根気強くしつけを行うことで聞き分けのいい子に育ってくれるでしょう。
頑固でやんちゃな一面も
ハンター本能に長けているジャックラッセルテリアは、頭が良く忠誠心がある一方で、頑固でやんちゃな一面もあります。そのため、しっかりしつけを行わないと言うことを聞かないわがままな子に育ってしまいます。ジャックラッセルテリアの特徴を利用しながらしつけを行うと、覚えが早く、コミュニケーションも上手くとれるでしょう。初めて犬を飼う方など自分でしつけが難しい場合は、プロのドッグトレーナーに依頼することをおすすめします。
被毛のタイプは3種類
ジャックラッセルテリアの被毛は、スムースコート、ラフコート、ブロークンコートの3種類に分けられます。被毛の種類で特徴が異なるため、それぞれに適したお手入れが必要です。
スムースコートは、体にピタッと張り付いているような、なめらかな触り心地が特徴です。短毛なのでトリミングの必要はありませんが、3種類の中で一番抜け毛が多いためブラッシングは小まめに行いましょう。ラフコートは、全身が長毛で、キメの粗い手触りが特徴です。毛量が多いので、日々のブラッシングと定期的なトリミングは欠かせません。ブロークンコートは、スムースコートとラフコートの間くらいで、長毛と短毛が混在しています。毛が絡まりやすいため、定期的にトリミングをしてあげてください。
毛色は、ホワイトをベースに、顔や体の一部にタン、ブラック、ブラック&タンが入っているタイプ、希少ですがホワイトのみのタイプがあり、全部で4種類です。
大型犬顔負けの運動能力
ジャックラッセルテリアは、とにかく体を動かすことが大好きで、小さな体からは想像がつかないほどの体力を持っています。運動不足はストレスとなり、問題行動を起こしてしまうことに繋がりかねないため、毎日2回それぞれ1時間~1時間半を目安にお散歩に出かけるようにしましょう。忙しくて時間が無い、天候が悪くてお散歩に出るのが難しいなどの場合は、室内でボール遊びをするなどして運動不足を解消してあげください。
歴史
ジャックラッセルテリアは他の犬種と比べて歴史が浅く、1800年代中頃にイギリスのジョン・ラッセル牧師の手によって作出されました。キツネ狩りの愛好者であったラッセル牧師は、狩りに適した優秀な猟犬を作ろうと、フォックス・テリアをベースに交配を始めました。見た目の可愛さよりもスタミナや勇敢さといった猟の性能を高めるため、ビーグルやボーダー・テリア、ブルテリアなど、他犬種との交配を繰り返していきました。その結果、キツネの巣穴に潜ってもひるまない、強い気質を持った犬が誕生したのです。
ジャックラッセルテリアという犬種名は、生みの親であるラッセル牧師に由来しています。見た目がよく似ているパーソンラッセルテリアの「パーソン」は「牧師」の意味であり、やはりラッセル牧師に由来して名付けられました。もともとは同じ犬種でしたが、家庭でも飼いやすくするという目的でウェルシュ・コーギーとの交配を行い、それによって誕生した小柄で足がやや短くなった犬種を「ジャックラッセルテリア」として区別するようになりました。改良がオーストラリアで行われたことから、イギリスは原産国であるにも関わらずケネルクラブにジャックラッセルテリアの犬種登録がされていません。イギリスの他にもパーソンラッセルテリアのみを登録している国はありますが、日本ではジャックラッセルテリア、パーソンラッセルテリア共に公認犬種として登録されています。
サイズ
ジャックラッセルテリアは個体によって体格にばらつきがあるため、子犬でも大きめの子や成犬でも3㎏程度の子もいます。
犬種の性格
ジャックラッセルテリアはとても頭が良い犬種ですが、その賢さはしつけや芸を覚えることよりも、脱走やイタズラで力が発揮されるため、訓練が難しい犬だと言われています。元気でエネルギッシュで、さらに筋肉質で小柄な割に力も強いため、しっかりしつけが出来ていないと散歩中でも制御できなくなってしまうことがあります。そのため、初心者よりもしつけに精通した方にオススメの犬種と言えるでしょう。
社会化トレーニングがしっかり行われていれば基本的に明るく活発で、物怖じしない社交的な性格に育ちます。人好きで一緒に駆け回って元気に遊ぶことを好むので、体力がある若い方であれば良きパートナーになることができるはずです。ただし狩りに適した犬種ですので、小動物や人間の赤ちゃんに近づけるのは控えてください。テリア特注の攻撃的な気性を持ち合わせているため、訓練されていたとしても本能で攻撃してしまう可能性もあります。
なりやすい病気
ジャックラッセルテリア は目に関する病気を発症することが多く、稀に難聴が見られる場合があります。また、小型犬に多い膝蓋骨脱臼やレッグ・ペルテス病も起こりやすいです。
緑内障
緑内障が眼球の圧力が異常上がり、痛みが生じる病気です。目は房水と呼ばれる体液を作っては排出するのを常に繰り返していますが、房水が正しく排出されないと眼圧が増してしまいます。眼圧が上がると視神経に負担を与え、視力の低下や最悪の場合は失明を引き起こします。
水晶体脱臼
目の水晶体を固定している靭帯が劣化すると眼の水晶体から外れてしまう場合があり、これを水晶体脱臼といいます。点眼薬や手術で治療できる場合もありますが、重症の場合は緑内障や角膜の障害を引き起こすことがあるため眼球を取り除く必要があります。
先天性難聴
生まれつき耳が聞こえづらい場合があり、特に被毛が白い個体によくみられます。ジャックラッセルテリアでも、白い面積が多い犬種で稀に難聴を持つ個体がいます。
臭い(体臭)
皮膚が丈夫なジャックラッセルテリアは、日頃からお手入れしていればシャンプーの頻度も少なくて良く、体臭もあまり感じられません。抜け毛は多いのでお手入れの手間はありますが、臭いに敏感な方にはオススメです。
毛並みのお手入れ・グルーミングのしやすさ
ジャックラッセルテリアの毛質は、短毛の「スムースコート」、少し長めで粗い「ラフコート」、その中間くらいの「ブロークンコート」の3種類があり、どれも上毛と下毛があるダブルコートの犬種です。
どの毛質でも必ず週に1回はブラッシングしてあげる必要がありますが、こまめに丁寧にブラッシングしておけば、あまり頻繁にシャンプーをする必要はありません。ただし、家庭犬や愛玩犬として飼う場合は、臭いやベタつきが気になってきたらシャンプーしてあげてください。
食事
ジャックラッセルテリアの成犬は平均体重がおよそ5〜7.7kgなので、1日に374〜517kcalを必要とします。さらに、子犬の時は成長のためにたくさんの栄養を必要とするため、フードの量を増やしたり、子犬用のフードを与えてあげましょう。
ジャックラッセルテリアには、一般的に犬が食べてはいけないとされているネギ類、ぶどう、チョコレート、カフェインが含まれるもの、人間の食べ物は与えないでください。これらの食材は、中毒などの危険な症状を引き起こす恐れがあります。
しつけ
ジャックラッセルテリアは忠誠心があり非常に賢いので、一度飼い主をリーダーとして認識すると素直に言うことを聞いてくれます。しかし、賢さゆえに飼い主が力不足であると見抜くと舐められてしまうので注意が必要です。
可愛いからとしつけを怠ると手に負えなくなるほど凶暴になってしまうので、子犬の頃からしっかりとしつけを行いましょう。一貫性を持って毅然とした態度でしつけをすると、飼い主への服従心を養うことができます。
狩猟犬としての本能が色濃く残っているため、好奇心旺盛で、動くものに反応し追いかける傾向があります。他の犬を追いかけて噛みついたり、車を追って道路に飛び出したりといった危険を防ぐためにも、特に「待て」と「おいで」をしっかり覚えさせるようにしてください。
他のペットとの共存度
ジャックラッセルテリアはとても愛情深く、社交的な犬種ですので、自分の他に犬がいても上手に付き合っていくことができます。ただし、とくに同性の犬に対して攻撃的な態度をとる個体も稀にいますので、飼い始める時にその子の性格を見極めてください。
ジャックラッセルテリアは狩猟本能が強い犬種ですので、たとえしっかり躾けられていたとしても、他の小動物に対して突然攻撃的になってしまうことがあります。猫やエキゾチックアニマル、幼い人間の子どもなども追い回して嚙み殺そうとしてしまう場合がありますので、他の動物などと同居させる場合は常に細心の注意を払っておく必要があります。