「ヨーキー」の愛称で知られるヨークシャーテリアは、美しい被毛と、宝石のような黒々とした丸い瞳を持ち、「動く宝石」とも呼ばれる世界的に人気が高い小型犬です。
元々は労働者階級の人々の狩猟犬として誕生しましたが、美しい外見から次第に人気を博し、愛玩犬としても受け入れられるようになりました。また、ヨークシャーテリアの最大の特徴として、毛色の変化が挙げられます。子犬の頃の毛色はブラック&タンですが、成長するにつれて変化していき、生涯で7回も毛色が変化するといわれています。
犬種の特徴
- 適応性
- アパートマンションでの
生活に適応できるか、
飼育スペースが必要か - 初心者の飼いやすさ
- 繊細さ・神経質・内向的
- 1匹でいても耐えられるか
- 寒さへの耐性
- 暑さへの耐性
- 親しみやすさ
- 家族への愛情表現・社会性
・愛情欲求度の多さ - 子どもとの仲良くなる度合い
- 他の犬に優しいか
- 見知らぬ人でも優しいか
- 健康面
- 脱毛量(抜け毛の量)
- よだれの多さ・唾液量
- 手入れの簡単さ
- 一般的な健康度合い
(病気になりやすさ) - 体重が増えやすいか
- しつけしやすさ
- トレーニングが簡単か
- 頭の良さ
- かみ癖(狩りへの欲求)
- 吠え癖
- 行動面
- 運動量、散歩時間
(エネルギーレベル) - 1日の餌(ドッグフード)の量
- 活発さ・活発度・遊び心
ヨークシャーテリアについて
犬種グループ | 第3グループ テリア テリア TERRIERS 穴の中に住むキツネなど小型獣用の猟犬 |
大きさ(体高) | 15〜23cm |
平均体重(理想の体重) | 3.2kg以下 |
平均寿命 | 13〜16歳 |
繁殖目的(用途) | 小型獣用の狩猟犬 愛玩犬 |
毛の特徴 | シングルコートで光沢のある細くしなやかな直毛 |
毛色(カラー) | ダーク・スチール・ブルー、ブラック&タン |
グルーミング・トリミングの必要性 | 定期的なトリミングとこまめなブラッシングが必要 |
成犬になるまでの期間 | 生後10ヶ月ほどで成長は落ち着いてきます。 |
飼養頭数 | 9,769頭 |
レア度(日本での登録犬数 ケネルクラブ) | 7位(一般社団法人ジャパンケネルクラブ 2020年調査) |
犬種の詳細
元々ネズミを獲るための狩猟犬であったヨークシャーテリアは、大変勇敢で気が強い面もあり甘やかしていると暴走してしまう可能性があります。
そのため、根気強くしつけを行うことができる人に向いています。
ヨークシャーテリアの最大の特徴は、シルクのようなまっすぐで光沢のある、美しい被毛です。シングルコートのため、抜け毛は少ないですが、被毛は伸び続けるので、
定期的にトリミング、ブラッシングをしてあげましょう。
ヨークシャーテリアは他の犬種よりも皮脂が分泌しやすいので、定期的にシャンプーをしてあげることも大切です。
また、一般的に、犬は寒さに強いといわれることが多いですが、ヨークシャーテリアは体温保持が苦手で寒さに弱いので、寒さ対策をしっかりしてあげましょう。
元気で活発な犬種ではありますが、小型犬なので、1回に10〜15分ほどが散歩時間の目安です。
歴史
19世紀の産業革命時、スコットランドの労働者が、イギリスの工業地帯であったヨークシャー地方にやって来て、クライズデールテリアという犬種の犬を連れて来ました。クライズデールテリアは、現在のヨークシャーテリアよりも大きく、主に工場でネズミを捕まえるための狩猟犬であったと考えられています。
その後、クライズデールテリアが、様々な犬種の犬と交配され、ヨークシャーテリアが誕生しました。
1874年にはイギリスのケネルクラブの血統登録書に登録されました。
日本では1950年代から、ヨークシャーテリアを飼う家庭が増え、その後も長い間、人気犬種の座を維持し続けています。
サイズ
生まれたときの体重はわずか100gほどです。
成犬の大きさは個体によって様々ですが、3.2kg以下が理想の体重とされています。
犬種の性格
ヨークシャー・テリアは、テリア気質の頑固で勇敢な性格をしている一方で、人懐こく、飼い主に忠実な一面も持ち合わせています。
また、ヨークシャーテリアはオスのほうが好奇心旺盛でわんぱくな性格をしており、
メスは成長するに連れ、精神的に落ち着いてくるといわれています。
なりやすい病気
ヨークシャーテリアは華奢な体のため、骨折などのけがや事故には特に注意が必要です。
また、心臓の病気にかかりやすい傾向があるため、体調の変化に気づけるように普段から
健康状況を把握しておきましょう。
低血糖症
低血糖症は血液中の血糖が少なくなることで、細胞への栄養補給がうまくできなくなる状態をいいます。ぐったりして元気がなくなったり、痙攣を起こす症状がでることがあります。悪化すると命の危険も伴うので注意が必要です。
気管虚脱
気管虚脱は、空気の通り道である気管が途中で潰れてしまい、呼吸ができなくなってしまう病気です。症状は、初めは軽い咳から始まり、ひどくなると、ガチョウのような「ガーガー」という咳や呼吸の症状がでることがあります。
僧帽弁閉鎖不全症
僧帽弁閉鎖不全症は高齢の小型犬によく起こる心臓病です。
心臓の左心房と左心室の間に位置する僧帽弁が、なんらかの原因で変性し、閉鎖不全が生じるために起こる病気で、初期は無症状なことも多いです。
臭い(体臭)
ヨークシャーテリアは、皮脂によって被毛がベタつきやすく、放っておくと臭いの原因になります。こまめなお手入れをしてあげましょう。
毛並みのお手入れ・グルーミングのしやすさ
ヨークシャーテリアの長くて細い毛は絡まりやすいので、こまめにブラッシングしてあげましょう。耳裏の付け根や脇の下、内股などは毛玉ができやすいので特に丁寧にブラッシングしてあげてください。
食事
ヨークシャーテリアの成犬の体重は3.2kg以下とされているので、1日に268kcalほどのフードが必要です。
また、一般的に犬が食べてはいけないとされているネギ類、ぶどう、チョコレート、カフェインが含まれるもの、人間の食べ物は与えないでください。これらの食材は、中毒などの危険な症状を引き起こす恐れがあります。
しつけ
警戒心が強いヨークシャーテリアは無駄吠えが多い傾向があります。
犬が吠えているときに、しかったりかまったりすると、吠えることでかまってもらえると勘違いし、無駄吠えが悪化することがあるので、吠えているときは、顔を見ずにケージに入れたり、無視したりして、反応をしないように気をつけましょう。
ヨークシャーテリアは賢い犬種ですが、甘やかしていると、わがままになってしまう可能性があります。メリハリのあるしつけを行い、飼い主と犬との信頼関係を築いていくことが、大切です。また、自己主張が強い性格なので、子犬のうちに飼い主さんとの上下関係を分からせることが重要です。
他のペットとの共存度
ヨークシャーテリアは体がとても小さいので、小さい子どもがいる家庭では注意が必要です。
また、小動物に対して好奇心があり、追いかけ回したり、捕まえたりする可能性が
あるので、一緒の空間に居させないように気をつけましょう。