災害はいつ起きるのか予測できないものです。
だからこそ、いざという時に愛犬を守るには、飼い主の日頃からの備えが重要になります。
愛犬やご家庭ごとの状況に合わせて、普段から出来ることを確認し、日常の中で災害が起きた時を想定して準備をしておきましょう。
なぜ備えが必要なのか
災害時、ペットと一緒に安全な場所へ避難することを同行避難といいます。
避難所でのペットの対応は、受け入れ可能かどうか自治体や避難所ごとに異なりますので、最寄りの避難所でペット受け入れ可能な場所があるか、事前に確認を行っておきましょう。
ただ、避難所がペット受入可能であっても、必ずしも人と同じスペースで過ごせるというわけではありませんので、注意が必要です。
避難所へ避難できたとしても、ペット用の物資の支給があるとは限りません。
愛犬に必要なものは、飼い主自身が事前に準備しておく必要があります。
命や健康を守るために必要なもの
- ペットフード、水 (少なくとも5日分、できれば7日分以上)
- アレルギーや病気がある場合は療法食、薬
- キャリーバッグやケージ
- 予備の首輪、リード(伸びないもの)
- トイレ用品:ペットシーツ、排泄物の処理用具
- 食器
ペットフード、水 (少なくとも5日分、できれば7日分以上)
避難所等にペット用の物資が届くまでには時間がかかる場合があります。
少なくとも5日分(できれば 7日分以上)は用意しておきましょう。
アレルギーや病気がある場合は療法食、薬
先にお伝えしたフードの必要量は、あくまで物資が届けられること前提の目安になります。
療法食や特別食を使用されているのであれば、さらに長期間分の用意が必要です。
薬を服用されている場合は、獣医師さんに相談の上多めにストックしておきましょう。
ローリングストック
フードには賞味期限がありますので、常に新しいフードを備蓄できるよう、古いものから使い、新しいものと入れ替えていく形でストックしましょう。
キャリーバッグやケージ
避難所によっては、愛犬をキャリーバッグやケージに入れた状態で長時間過ごすことになります。
状況により避難所の周りの方の配慮などで、愛犬とは違う場所で過ごすこともありますので、キャリーバッグやケージの中で静かに過ごせるように、普段から慣れておくことが大切です。
動物病院に連れて行く時だけに使っていると、怖がったり嫌がったりして、避難時にすぐに入ってくれない可能性があります。
愛犬がくつろいだり眠ったりする「安心できる場所」として慣れておくために、扉を開けた状態で部屋に置いておきましょう。
また、普段から様々な人や動物、環境に慣らしていく社会化をしておくことで、知らない人や動物が近くで過ごすストレスを減らすことができます。
子犬の頃から多くの人や動物に接することで社会性がつきますが、成長してからでも様々なものに触れることで慣らしていくことができます。
ただ、愛犬の性格によっては、知らない人や動物と接するのが苦手な場合もあります。
そういった場合は、慣らすために無理強いはせずに、おやつやおもちゃなど愛犬が好きなものを使って、焦らず慣れてもらうようにしましょう。
環境を変えるというとちょっと難しく感じるかもしれませんが、例えばいつもと違う散歩コースを選んでみるだけでも効果的です。普段と違う環境を体験できる旅行やキャンプなどの遠出もおすすめです。
予備の首輪、リード(伸びないもの)
いつも使っているものの他に、防災セットの中に予備のものを入れておきましょう。
避難所や慣れない場所でパニックになって暴れたり、リードを噛み切ってしまうこともありますので、首輪とハーネスを両方付けておく方が良い場合があります。
トイレ用品:ペットシーツ、排泄物の処理用具
排泄物を入れるための袋やマナーポーチ、ペットシーツも準備しておきましょう。
特にペットシーツには他にも様々な用途があるため、多めにストックしておくと安心です。
愛犬の排泄用にはもちろんのこと吸水性が高いので濡れた場所を拭いたり、雑巾代わりにも使えます。万が一の場合は人のトイレとしても使用できます。
食器
折りたたみができるタイプだとかさばらずに持ち運びできます。
情報を確認できるもの
▼情報を確認できるもの
∟・飼い主の連絡先、飼い主以外の緊急連絡先、預け先
∟・ペットの写真(飼い主と写ったもの)
∟・ワクチン接種状況、既往症、投薬中ならば薬の情報、かかりつけの病院の状況など
▽離ればなれにならないために
∟・首輪、迷子札
∟・鑑札、狂犬病予防注射済票
∟・マイクロチップ
飼い主の連絡先、飼い主以外の緊急連絡先、預け先
災害時、状況により飼い主がついていられない場合もあります。愛犬の首輪に付ける迷子札以外にも、手帳などに何かあった時の連絡先をまとめておきましょう。
ペットの写真(飼い主と写ったもの)
迷子になった際、状況によって紙媒体と電子媒体の両方のデータがあると助かります。
過去には飼い主以外の人に引き取られてしまったというトラブルもありました。飼い主と一緒に映っている写真は、身元の確認に役立ちます。
ワクチン接種状況、既往症、投薬中ならば薬の情報、かかりつけの病院の状況など
緊急連絡先と共に、必要な時に「これを見れば愛犬のことが分かる」というものを手帳などにまとめておきましょう。
離ればなれにならないために
首輪
室内で飼っていても、災害時にパニックになり開いた扉や倒壊した隙間から逃げ出してしまうことがあります。
首輪には迷子札や鑑札、狂犬病予防注射済み票など、もしもの時に必要な情報のため、普段から首輪を付けるようにしておくと安心です。
迷子札
首輪につける愛犬の身分証のようなものです。
何かあって愛犬と離ればなれになってしまった時、迷子札があればいち早く飼い主へ連絡がくることが期待できます。
必要な情報はきちんと記載しておきましょう。
>>>迷子札についてはコチラの記事でもご紹介しています!
関連記事:犬に迷子札をつけていざという時のために備えましょう!
鑑札
自治体に愛犬を登録した際に登録番号が発行されます。登録手続きは1頭につき、生涯1回です。
注射済票(注射済証)
狂犬病予防注射の接種を受けた際に注射済証明書が発行され、手続き後に注射済票が交付されます。※狂犬病予防注射は毎年必要なので年度ごとに発行されます。
マイクロチップ
災害時にはパニックになってしまい、逃げだしてしまうこともあり得ます。過去には迷子になった際、痩せて首輪が外れてしまう事例もありました。
万が一、はぐれてしまったときのためにも、「マイクロチップ」を愛犬に装着し、登録しておきましょう。
>>>マイクロチップについてはコチラの記事で詳しく解説しています!
関連記事:犬にマイクロチップを付けていますか?役割やメリットについて
あると便利なもの
- タオル
- ウェットタオル
- ビニール袋
- ブラシ、服(毛の飛散防止)
- お気に入りのおもちゃ(音には注意)
- ガムテープ、マジックペン
- 大きめの布(風呂敷など)キャリー代わりにもなったりして色々使えて便利
タオル
普段愛犬用に使っているものだと慣れない環境でもストレス緩和が見込めます。敷物やキャリーバッグのカバー、防寒対策にも使えますので、スペースがあれば多めに準備しておきましょう。
ウェットタオル
足や目、耳、お尻などの掃除に役立ちます。
ビニール袋
使用済みのペットシーツや、糞など臭いのあるものをまとめておいたり、食品対応のものであれば人の食器に被せて使うこともできます。
※誤嚥を防ぐために、愛犬の食器での使用は避けましょう。
ブラシ、服(毛の飛散防止)
抜け毛の飛び散り防止のため、あると便利です。
お気に入りのおもちゃ(音には注意)
愛犬のストレス発散に使えます。周囲の人に配慮して、音のならないものにしましょう。
ガムテープ、マジックペン
ケージの補修やハウス作り、情報掲示など、様々な用途に使えます。
大きめの布(風呂敷など)
キャリー代わりやキャリーバッグの目隠しにもなったりして、色々使い道があります。
かさばらないので、防災セットに入れておきましょう。
まとめ
災害時の愛犬の安全は、飼い主がどれだけ備えることができているかにより大きく変わります。
人用の防災セットと一緒に、愛犬用の防災セットも準備しておきましょう。
また、防災用品だけではなく避難所情報のチェックや愛犬との予行練習など、今できることは多くあります。
愛犬とこれからもずっと一緒に過ごすためにできることは何か考えておき、普段できることから取り組んでみませんか。
>>>地震時の準備と対策についてはコチラの記事でご紹介しています。
関連記事:愛犬を地震から守りたい!今からできる準備と対策