甘くて美味しいとうもろこし、好きな方は多いのではないでしょうか。犬の中にもとうもろこしが好きな子は多いようです。そのとうもろこしは犬用のフードの中にも入っているので、与えてもいいと思っている人は多いでしょう。しかし、本当にとうもろこしをそのまま与えてもいいのでしょうか。今回は犬にとうもろこしを与えてもいいのか、与えるときはどうしたらいいのかを解説いたします。
愛犬にとうもろこしを与えても大丈夫?
ドッグフードに含まれるとうもろこしと野菜のとうもろこし
とうもろこしには、穀類に分類されるものと野菜に分類されるものがあります。
畑で収穫して私たちが茹でて食べるとうもろこしは野菜として扱われ、粉として使うものは穀物に分類されます。
ドライタイプのドッグフードに含まれるとうもろこしは、完熟したもので穀物として扱われていますが、最近では穀物のとうもろこしは犬には消化に悪いと考えられるようになってきました。
今回は野菜のとうもろこしについて説明いたします。
犬はとうもろこしを食べられるの?
野菜のとうもろこしは愛犬に食べさせても大丈夫な食材です。ビタミンB1や葉酸、ナイアシンなどの栄養素が含まれているため、愛犬の健康維持にも役立つちます。しかし、とうもろこしの食べさせ方には注意が必要です。今回はどのような食べさせ方が適しているのかも解説していきます。
とうもろこしに含まれる栄養
糖質は身体に必要なエネルギー源です。この糖質は消化・吸収され、血液とともに身体中をめぐってエネルギーに変わります。同じエネルギー源であるタンパク質や脂質と比べると、すぐに使える特長があります。 また、脳は血液中の糖質をエネルギー源としているので、糖質が不足すると意識障害が起こることがあります。脳を正常に動かすためには糖質は必要な栄養といえます。 とうもろこしにはさまざまな栄養が含まれていますが、中でも葉酸が多く含まれています。葉酸は成長やDNAの形成をサポートする大事な役割がある栄養素で、細胞の分裂や成長にも大きく関わっています。葉酸は人間でも妊娠中の人が積極的に摂るといい栄養素ですが、犬の場合も同じなので妊娠している子には与えたい栄養素のひとつです。 とうもろこしにはカリウムが豊富に含まれています。カリウムは細胞内液に存在し、細胞と細胞の間の水分に存在するナトリウムとうまくバランスをとって、体内の状態を正常に維持するために役立っています。 とうもろこしの身には食物繊維のセルロースが豊富に含まれています。セルロースには腸内をきれいにして便秘を予防してくれる働きがあるので、便秘がちの犬に与えると便秘改善が期待できます。 また、食物繊維には腸に糖が吸収される速度を遅らせる働きがあります。食事をした時に血糖値が上昇しますが、これが急激に上昇すると糖尿病の原因になります。食物繊維を摂取することで、血糖値が急激に上昇するのを予防してくれるのです。 犬でも糖尿病になることがあるので、予防が必要になります。また、食物繊維にはコレステロールを下げる働きがあるので、コレステロールが気になる犬にはおすすめの栄養素です。 ナイアシンはビタミンB群のひとつで、脂質や糖質をエネルギーに変換するときに働く酵素をサポートする補酵素として働きます。また、粘膜や皮膚の健康を維持して脳神経を正常にする役割を持っています。 ナイアシンは水溶性のビタミンですが、熱湯に溶け出す性質があるので、とうもろこしを茹でたお湯を使ってスープにするといいでしょう。
とうもろこしの芯をおもちゃとして与えているとしたら、すぐにやめてください。とうもろこしの芯は犬の誤飲の原因で上位に入るものです。 とうもろこしの芯は硬く、食物繊維の塊です。犬は人間よりも食物繊維の消化や吸収が苦手なので、とうもろこしの芯を飲み込んでしまうと胃の中で消化されず胃腸に残ってしまう場合があります。胃の中でとどまったり、腸に詰まってしまうことがあり、食道に詰まったら呼吸困難を引き起こす恐れがあります。 また、腸閉塞になってしまい開腹手術が必要になり、最悪の場合は命を落とす危険もあるのです。誤飲を防ぐためにも、とうもろこしの芯を与えないで、実の部分だけをあげるようにしましょう。 犬がとうもろこしの芯を飲み込んでしまうと、芯が腸に詰まって腸閉塞になることがあります。そうなると、嘔吐や下痢、腹部膨張、便秘、意識障害などのさまざまな症状が表れます。 腸閉塞の嘔吐は食後に何度も吐いて、吐き終わったらケロッとして元気になる特徴があります。 犬の体質によってはとうもろこしがアレルギーの原因になることがあります。アレルギーの症状としては、身体を痒がったり嘔吐、下痢、蕁麻疹、目の充血などです。初めてとうもろこしをあげるときは体調に注意しましょう。 とうもろこしには不溶性食物繊維であるセルロースが豊富に含まれているので、大量に摂取すると消化できず、消化不良を起こしてしまいます。そうなると消化器官に負担をかけて、嘔吐したり下痢を引き起こす原因になります。また、とうもろこしにはカリウムが含まれているので、おしっこが普段より多くなることもあります。 犬にとうもろこしを与えるときは、10~15g程度、1日に与える総摂取量の10%以内にとどめるのが適量です。 犬にとうもろこしを食べさせるときは、生のままだと噛まずに飲み込んでしまうため、栄養の吸収ができないだけでなく、消化不良を起こす恐れがあります。 とうもろこしを犬に食べさせるときは、必ず茹でて実をすりつぶしてからあげるようにしましょう。また、塩茹ですると余分な塩分を摂取させてしまうので、塩は入れないようにしましょう。 とうもろこしには豊富な栄養が含まれていて炭水化物も含まれているため、あげすぎると太ってしまうことがあります。
その働きは血圧の調整、代謝活動などです。カリウムが足りなくなると神経過敏や不整脈などの症状が出る場合があります。犬におもちゃとしてとうもろこしの芯を与えてもいいの?
とうもろこしの芯は誤飲してしまうことがあるので与えないで!
とうもろこしの芯を誤飲すると嘔吐や下痢の原因になる
犬がとうもろこしの芯を食べたときの対処法
犬がとうもろこしの芯を飲み込んでしまったら、すぐに病院へ連れて行きましょう。早く行けば、とうもろこしの芯が腸に行く前に嘔吐させることができます。嘔吐や下痢の症状が出てからでは愛犬が苦しむだけなので、見つけたらすぐに連れて行ってあげましょう。犬にとうもろこしを与えるときの注意
とうもろこしアレルギーに注意
とうもろこしは消化がいいわけではないので与える量に注意
生のとうもろこしは避けてよく茹でた実をすりつぶしてから愛犬に与える
犬にとうもろこしを与えるときは適量を守ろう
また、とうもろこしでお腹が膨れてしまい、普段の食事が食べられなくなってしまうと必要な栄養が摂取できなくなってしまいます。そのため、とうもろこしをあげるときは実をすりつぶして適量を守ってあげるようにしましょう。
そして、誤飲を防ぐためにとうもろこしの芯をおもちゃとして渡すのはやめましょう。