ドライフードのメリット・デメリットとは?犬に与えるときの注意点を解説 ドライフードのメリット・デメリットとは?犬に与えるときの注意点を解説

犬の食事・ドッグフード

ドライフードのメリット・デメリットとは?犬に与えるときの注意点を解説

水分を多く含む「ウェットフード」や、食材を真空状態で乾燥させた「フリーズドライフード」など、ドッグフードにはさまざまな種類があります。

その中でも、多くの飼い主さんに利用されているのが「ドライフード」です。

今回は、ドライフードの特徴メリット・デメリット犬に与えるときの注意点を詳しく解説します。

愛犬の食事選びに迷っている方は、ぜひ参考にしてください。

 

犬用のドライフードとは

犬用のドライフードは、乾燥した固形のドッグフードのことです。

ペットフード協会では、水分含有量が10%程度以下のフードをドライフードと定義しています。

カリカリとした食感が特徴で、比較的長く保存することができます。

ここでは、ドライフードとウェットフードの違いについて解説します。

 

ドライフードとウェットフードの違い

ドライフードとウェットフードは、水分量に大きな違いがあります。

一般的なドライフードが水分含有量が10%以下であるのに対し、ウェットフードの水分含有量は75%程度です。

また、ドッグフードには、ソフトドライやセミモイストといったタイプもあります。

それぞれの違いは、以下の通りです。

タイプ 水分含有量 主な特徴
ドライ 10%程度以下 カリカリとした食感
● もっとも水分含有量が少ない
● 粒・フレークタイプなど
ソフトドライ 25~35%程度 ● しっとりとした半生タイプ
● 柔らかく食べやすい食感
● 湿潤調整剤や保存料などが使用されることが多い
セミモイスト 25~35%程度 ● ソフトドライ同様半生タイプ
● 発泡処理されておらず、適度な噛みごたえがあるものが多い
● 湿潤調整剤や保存料などが使用されることが多い
ウェット 75%程度 ● 水分含有量が非常に多い
● 風味がよく柔らかくい
● 缶詰やアルミパウチに封入
● ペースト・パテタイプなど

 

ドライフードのメリット

ドライフードには、保存性や栄養バランスの管理のしやすさ、持ち運びやすさなど、飼い主さんにとって多くのメリットがあります。

ここでは、ドライフードのメリットを詳しく紹介します。

 

保存しやすくてコスパがいい

ドライフードは水分量が少ないため、腐敗や変質が起こりにくく長期保存が可能す。

未開封であればおよそ1年程度は日持ちします。

また、ドライフードは栄養が凝縮されており、給与量が少なくて済むのが特徴です。

ウェットフードは水分量が多いため、同等の栄養を摂取しようとするとドライフードの約4倍もの量が必要になることがあります。

一袋の容量も多いため、コスパの良さも大きなメリットといえるでしょう。

 

栄養バランスの管理がしやすい

多くのドライフードは、犬に必要な栄養がバランスよく含まれている「総合栄養食」として販売されています。

そのため栄養管理がしやすく、犬にバランスの取れた食事を与えることができます。

また、ドライフードはもっとも種類が豊富で、特徴の異なる商品が揃っています

ライフステージや病気に対応した製品も充実しているので、愛犬に最適なものを見つけやすいでしょう。

 

歯石が溜まりづらい

水分量の多いフードは歯に付着しやすく、歯垢や歯石が溜まりやすい傾向があります。

一方、ドライフードは水分が少ないため歯垢や歯石が溜まりにくいのです。

ただし、ドライフードだけでは、歯の健康を守ることはできません。

歯磨きやデンタルガムなど、日常的なデンタルケアをしっかりと行うことも大切です。

 

顎の筋肉を鍛えることができる

ドライフードのような硬いものを噛むと、顎の筋肉を鍛えることができます。

顎の筋力強化は咀嚼力の維持に役立つため、健康な歯や歯茎を保ちやすくなるでしょう。

また、噛むことは脳に良い刺激を与えるため、シニア犬の認知症予防の効果も期待できます。

 

持ち運びが簡単

ドライフードは保存性が高く軽量なので、持ち運びが簡単です。

必要な分だけを小分けして持って行くことができるため、散歩や旅行、車中など場所を選ばずに愛犬に与えられます。

また、周りを汚しにくく食べ残しても片付けに手間がかからないこともメリットといえます。

 

ドライフードのデメリット

多くのメリットがある一方で、ドライフードにはいくつかのデメリットも存在します。

ここでは、ドライフードのデメリットを3つ紹介します。

 

食事だけで十分な水分を摂取できない

ドライフードは水分量が少ないので、食事だけでは十分な水分を摂取できません。

犬に与える1日の飲み水の量は、体重1kgあたり50ml前後です。

つまり、5kgの犬の場合、1日に250ml前後の水を与える必要があります。

犬が水分不足にならないように、しっかりと水分を与えるようにしましょう。

 

食後の満腹感を得にくい

ドライフードはウェットフードと比べて栄養価やカロリーが高いため、少ない量でも必要なエネルギーを摂取できます。

しかし、給与量が少ないことに加え水分量も少ないので、愛犬が食後の満腹感を得にくいことがあります。

愛犬が欲しがるままに与え続けるとカロリーオーバーで肥満や体調不良につながる可能性があるので、与えすぎには注意しましょう。

 

犬の状態によっては食べにくいことがある

加齢や病気によって顎の筋力が弱っていたり歯にトラブルがあったりする犬の場合、硬さのあるドライフードが食べにくいことがあります。

しっかり食事を摂ってもらうためにも、食べやすいようにお湯でふやかしたり、粒が小さいサイズのフードにしたりする工夫をしてあげましょう。

場合によっては、ウェットフードへの切り替えも検討してもいいかもしれません。

また、子犬は歯や顎の力が弱く消化機能が未熟です。

乳歯が生え揃う生後3〜4ヶ月まではふやかしたドッグフードを与え、徐々に水分量を減らしてドライフードに慣らしてあげましょう。

 

犬にドライフードを与えるときの注意点

ドライフードを与える際には、愛犬の健康維持や安全性に配慮することが大切です。

最後に、ドライフードを与えるときの注意点を2つ紹介します。

 

パッケージに書かれている給与量を守る

ドライフードのパッケージには、体重や年齢に合わせた1日の給与量目安が記載されています。

愛犬の健康を維持するためにも、給与量目安をしっかりと守りましょう

ただし、パッケージに記載されている給与量はあくまでも一般的な目安です。

肥満や痩せすぎなど理想体重から外れている場合や病気を抱えている場合は、獣医師と相談して給与量を調整しましょう。

 

保存方法や賞味期限に気をつける

ドライフードは、他のフードに比べて開封後の賞味期限が長いのがメリットです。

セミモイストフードが1〜2週間、ウェットフードが2〜3日であるのに対し、ドライフードは1ヶ月程度(高脂質タイプは2週間以内)が開封後の目安とされています。

しかし、正しい保存方法を行わないと味や品質の劣化、酸化、カビの発生などのリスクがあります。

愛犬の健康を守るためにも、以下の点に注意して保管しましょう。

  • 高温多湿や直射日光を避けて保管する
  • 一度封を開けたら早めに使い切る
  • 開封後はしっかりと封を閉じるか、密閉容器に移し替える

とくに、大容量タイプは開け閉めのたびに空気に触れて酸化が進みやすくなります

数週間で食べ切れる量の商品を購入するか、一度に使い切れる分を小分けして保存するなど工夫をするといいでしょう。

 

ドライフードはメリットが多い

ドライフードは栄養バランスの管理がしやすい、持ち運びが便利など、飼い主さんにとって多くのメリットがあります。

商品ラインナップが豊富なので、年齢や健康状態に合わせて選べるのも嬉しいポイントです。

ただし水分量が少ないため、しっかりと水分を与えないと犬が水分不足になってしまう可能性があります。

ドライフードは特性を把握して、適切に与えることが大切です。

今回紹介した情報を参考に、愛犬の食生活に取り入れるか検討してみてください。

 

この記事の監修者

  • 中島 由華

    ペットフーディスト

    中島 由華

    勤続年数約10年、2022年にペットフーディストの資格を取得。
    犬猫の健康管理・食事指導などの知識を活かして飼い主さま向けの情報提供や指導に従事。
    これまでの業務経験や多くの飼い主さまと関わってきた経験をもとに、現在もペットとの豊かな暮らしを支援しています。

  • 村田 舞

    動物栄養管理士

    村田 舞

    2024年に動物栄養管理士の資格を取得し、わんちゃんのしつけ・健康管理・食事指導などの知識を活かして飼い主さま向けの情報提供や指導に従事。
    これまでの業務経験や多くの飼い主さまと関わってきた経験をもとに、現在もペットとの豊かな暮らしを支援しています。

  • 江頭 知優

    愛玩動物飼養管理士1級・愛犬飼育管理士

    江頭 知優

    2018年に愛犬飼育管理士、2023年に愛玩動物飼養管理士1級を取得。
    わんちゃんのしつけ・健康管理・食事指導などの知識を活かして飼い主さま向けの情報提供や指導に従事。
    これまでの業務経験や多くの飼い主さまと関わってきた経験をもとに、現在もペットとの豊かな暮らしを支援しています。

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