枝豆は「畑の肉」とも言われる栄養満点な大豆と同じ食べ物で、大豆が成熟する前に収穫した青い状態のことを言います。この手軽で栄養も豊富な枝豆を愛犬に食べさせたいと思いますよね。今回は枝豆を犬に食べさせてもいいのか、食べさせるときの注意点について解説していきます。
犬が枝豆を食べても大丈夫?
犬が枝豆を食べていいけど与え方に注意が必要
枝豆には豊富な栄養が含まれています。そんな栄養豊富な枝豆を犬に食べさせてもいいのかというと、基本的には愛犬に食べさせても問題ありません。
ただし、犬の身体のつくりや枝豆が持っている特性によって、注意すべき点がいくつかあるので、この記事を参考に正しい知識をつけてくださいね。
枝豆に含まれる栄養とその働き
タンパク質で皮膚や筋肉を作る
枝豆には犬の身体を作るために欠かせないタンパク質が含まれています。タンパク質は皮膚や被毛、筋肉を作るために大事な栄養素です。
ビタミンKで骨粗鬆症予防
枝豆には豊富なビタミンKが含まれていて、骨を強くする働きがあります。不足すると骨が弱って骨粗鬆症になる恐れがある他、骨折の原因にもつながるので摂取したい栄養素のひとつです。
また、ビタミンKはケガをしたときに出る血を固める働きもあります。
ビタミンCで老化予防
ビタミンCには優れた抗酸化作用があるとともに、免疫力をアップさせる効果が期待できるビタミンです。細胞が酸化すると老化の原因となっていくので、枝豆を食べさせると老化防止効果が期待できます。
カリウムで高血圧予防
ミネラルの一種であり、生命維持に欠かせない栄養素であるカリウムは枝豆に豊富に含まれています。そのカリウムには体内の水分を調整し、ナトリウム(塩分)を過剰摂取したことで起こる血圧上昇を防ぐ働きがあります。また、このことから高血圧の予防にも期待できると言われています。
しかし、腎臓の悪い子は避けた方がいい栄養素でもあります。腎臓の働きが低下すると、カリウムを尿に排出するのが難しくなり犬の体内にどんどんカリウムが蓄積していってしまいます。そうなると血液中のカリウム濃度が上昇し、不整脈や心臓病に陥り、最悪の場合は死に至ることもあるので十分に注意してください。
βカロテンで免疫力アップ
βカロテンは犬の体内に入ると必要に応じてビタミンAに変換します。そのビタミンAには皮膚や粘膜、肺や喉の呼吸器を健康に保つ働きがあります。
ウイルスをブロックする力は粘膜が健康であるほど働きが活発になるため、βカロテンを摂取することは風邪などの病気の予防に期待できます。
葉酸で動脈硬化予防
葉酸は高血圧や動脈硬化などの病気予防したり、免疫力アップに役立つ成分です。また、細胞分裂に関わる大切な成分でもあります。そして、ビタミンCの吸収をサポートする働きもあります。
鉄分で貧血予防
枝豆に含まれている鉄分は、赤血球を構成しているヘモグロビンの成分になる栄養素です。このヘモグロビンは、肺で酸素を受け取って体内に運ぶ働きをしています。鉄分が不足すると貧血やめまいを引き起こしてしまうので、必ず摂取したい栄養素のひとつです。
食物繊維
枝豆に含まれている食物繊維は、腸内環境の改善に役立ちます。腸の中の老廃物を包み込んで体外へ排出する働きがあるので、腸内の善玉菌を増やす効果が期待できます。
腸内の環境が良くなると免疫力が上がるので、食物繊維は病気にかかりにくい身体づくりに役立つ栄養素といえます。
犬に枝豆を食べさせるときの注意点
必ず茹でてから与える
犬に枝豆を食べさせる時は、生のままで食べさせず茹でてから与えるようにしましょう。なぜなら、生の枝豆には「トリプシンインヒビター」という成分が含まれているからです。この成分がタンパク質を分解する酵素の働きを阻害してしまうため、犬はタンパク質を消化できなくなってしまいます。
また、生の枝豆には、血液を固める作用のある「赤血球凝集素」という物質が含まれています。この働きで、血液が固まりやすくなり血栓ができる恐れがあります。茹でることでその働きが失われるので、必ず愛犬に食べさせるときは火を通してからにしてくださいね。
茹でる時は塩を入れない
人間が食べる枝豆は塩ゆでにして食べるのが一般的です。しかし、この方法だと犬にとっては塩の過剰に摂取になります。塩分を摂りすぎるとさまざまな病気を引き起こす原因になってしまうため、塩を入れないで茹でた枝豆を食べさせるようにしてください。
また、冷凍食品や既に茹でた状態で売られている枝豆は基本的に塩茹でされているものなので、与えないように注意してくださいね。
枝豆の旬は7~8月頃です。スーパーなどに出回るのは5~10月頃なので、旬の枝豆を愛犬に食べさせてあげるといいでしょう。
皮やさやは与えずすりつぶして与える
犬に枝豆を食べさせる時は、消化できない皮やさやの部分を取り除いてからあげましょう。枝豆の皮にはとがった部分があるので、犬がそれを飲み込むと胃や腸を傷つけてしまうことがありますので必ず皮を取り除きましょう。
そして、犬の身体のことを考えて枝豆の薄皮も取り除き、豆をすりつぶしてペースト状にしてから与える方法がおすすめです。犬は食べ物を丸呑みしてしまうので、枝豆も噛まずに飲み込んでしまうでしょう。
そうなると完全に消化することができず、せっかくの枝豆の栄養が身体に吸収されないことになってしまいます。栄養を摂取させるためにも枝豆を食べさせるときにはすりつぶして食べさせましょう。
あげすぎると下痢や嘔吐の原因になる
枝豆には食物繊維が豊富に含まれているため、大量に与えてしまうと下痢や便秘を引き起こすことがあります。犬の体調や個体差で、多く食べても平気な場合がありますが、少し食べただけでも体調を崩すこともあるので注意してあげましょう。
また、枝豆に含まれているカリウムには利尿作用があるので、食べ過ぎると普段よりも尿の量が増えたり粗相してしまうことがあります。
腎臓が悪い子は尿と一緒にカリウムを排出できなくなり、高カリウム血症の原因になります。高カリウム血症は心臓に負担がかかる病気でもあるので注意が必要です。
アレルギーに注意
前述したように、枝豆は大豆と同じ植物です。そのため、大豆アレルギーがある犬に枝豆を食べさせないように注意しましょう。
また、初めて食べさせる時は少量ずつにして、犬の体調を観察することが大切です。下痢や嘔吐、皮膚の痒みなどの症状が出たら枝豆を食べさせるのをやめさせてください。
アレルギーは食べてすぐに症状が出る場合と、時間がたってから出る場合があるので、しばらく愛犬の様子を注意してみることが大切です。そして、もしも症状がひどく改善しない場合は、早めに動物病院へ連れて行きましょう。
犬に枝豆を与えるときの適量を知る
犬に枝豆を与える時は、適量を守らないとお腹を壊してしまうことがあります。枝豆自体はカロリーが低めですが、ドッグフードにプラスして食べさせてしまうとカロリーオーバーになるので、与えるときはドッグフードの量を調整してくださいね。
愛犬の体重や体調にもよりますが、健康な成犬に枝豆を与える時の目安は、5kgの犬で枝豆15~20粒、30kgの犬には枝豆45~60粒程度が適量です。
枝豆は与え方を注意すれば犬に食べさせてもいい食材
枝豆は与え方に注意すれば犬に与えても問題ありません。ただし、あくまでも枝豆はおやつや間食として与えることを忘れないでくださいね。
栄養は普段与えている総合栄養食のドッグフードで摂らせるようにし、枝豆はたまに間食として食べさせる程度にしましょう。普段と違った香りや食感で、食欲がないときのアクセントとして食べさせると愛犬の食欲が増すかもしれません。ぜひ試してみてくださいね。