犬の餌の適切な量と回数とは?給与量の計算方法とドッグフードの選び方 犬の餌の適切な量と回数とは?給与量の計算方法とドッグフードの選び方

犬の食事・ドッグフード

犬の餌の適切な量と回数とは?給与量の計算方法とドッグフードの選び方

の餌はどれくらい与えるべき?と迷ったことはないでしょうか。

私たちが1日3回に分けてバランス良くごはんを食べるように、犬にもピッタリの食事回数があります。

しかし犬種や年齢で違いはあるのかなど、気になるポイントはたくさんありますよね。

そこで今回は、犬の餌の適切な量と回数、給与量の計算方法について解説します。ドッグフードの選び方もご紹介するので、ぜひ参考にしてくださいね。

 

一日に必要な餌の量を知る方法とは

体のサイズに対する配慮はもちろんですが、餌の量は成長に合わせて変えていかなければなりません。では、1日にどれくらいのフードを与えればいいのでしょうか。

 

パッケージの表示を確認

いぬやねこの主食フードとなるペットフードは「総合栄養食」です。

パッケージには栄養成分、賞味期限、原産国や原材料などが記載されています。

また1日に摂取すべき量の目安や回数などの給与方法も、体重、年齢や月齢ごとに記載があるので必ず確認しましょう。

給与量(グラム数)を計算

パッケージを見ればある程度の情報はわかりますが、あくまでもおおよその目安にしかなりません。

愛犬の健康を考えて、よりバランス良く餌を与えたいのであれば、活動時間や体重を参考に給与量(グラム数)を計算しましょう。

計算するためには、愛犬の「安静時に必要なエネルギー量(RER)」と「1日に必要なエネルギー量(DER)」が必要です。

計算式は以下になります。

 

まずは「RER」を電卓で計算します。

・70×(体重kg)の0.75乗

※体重が2kgの場合

①2を三乗します。

2×2×2=8

②8が表示された状態で、電卓の√を2回押します。

→1.681…

③その値に70をかける

70×1.681=117.7…

→体重2kgのRERは、約118kcal/日

 

「RER」がわかったら次に「DER」を計算します。

・DER = RER ×(活動係数)

※【成犬の活動係数】

避妊・去勢していない成犬 … 1.8

避妊・去勢している成犬 … 1.6

※先程の体重2kgの犬が避妊・去勢していない場合、

118×1.8=212.4

→DERは約212kcal/日

 

「DER」がわかったら、最後に給与量を計算しましょう。

・DER ÷(与えている餌の100gあたりのカロリー)× 100 = 給与量(g)

※前述の犬に与えている餌の100gあたりのカロリーが320kcalの場合

212÷320×100=66.25

→1日の給与量は約66g

 

この計算方法で、小型犬・中型犬・大型犬それぞれの給与量を計算しましょう。

小型犬(チワワ・トイプードル ほか)

同じ小型犬でも犬種などによってサイズが異なり、給与量はサイズが大きくなるほど多くなります。

中型犬・大型犬も同様ですが、季節によっても調整が必要です。寒い方がカロリーを必要とするので、夏は少なめ、冬は多めにしましょう。

ただし、冬は運動量が減って太りやすくなる場合もあるので注意が必要です。

まずは超小型犬と小型犬についてです。

 

・チワワ(避妊・去勢済みの成犬/体重2kg/100gあたり340kcalの餌の場合)

「RER」=約118kcal

「DER」=約189kcal

189(DER)÷340(与えている餌の100gあたりのカロリー)×100=55.5…

→56g(給与量)

 

・トイプードル(避妊・去勢済みの成犬/体重3kg/100gあたり340kcalの餌の場合)

「RER」=約160kcal

「DER」=約256kcal

256(DER)÷340(与えている餌の100gあたりのカロリー)×100=75.2…

→75g(給与量)

中型犬(柴犬・フレンチブルドッグ ほか)

中型犬は小型犬と比べて少し大きくなるので、給与量も増えます。

 

・柴犬(避妊・去勢済みの成犬/体重8kg/100gあたり340kcalの餌の場合)

「RER」=約333kcal

「DER」=約533kcal

533(DER)÷340(与えている餌の100gあたりのカロリー)×100=156.7…

157g(給与量)

 

・フレンチブルドッグ(避妊・去勢済みの成犬/体重13kg/100gあたり340kcalの餌の場合)

「RER」=約479kcal

「DER」=約767kcal

767(DER)÷340(与えている餌の100gあたりのカロリー)×100=225.5…

→226g(給与量)

大型犬(ゴールデンレトリバー ほか)

人間と同じくらいの体重にもなる大型犬。もちろん給与量はかなり増えます。

 

・ゴールデンレトリバー(避妊・去勢済みの成犬/体重30kg/100gあたり340kcalの餌の場合)

「RER」=約897kcal

「DER」=約1,436kcal

1,436(DER)÷340(与えている餌の100gあたりのカロリー)×100=422.3…

→422g(給与量)

 

【年齢別】ドッグフードを与える回数

基本的に、私たち人間は1日3回に分けて食事をとりますよね。

犬も同じように時間をあけてドッグフードを与える必要があります。

 

子犬の餌の回数

子犬用ドッグフードのパッケージに記載された回数を与えてください。

しかし、犬にはエネルギー消費が増加する「急成長期(小型・中型は生後5カ月頃、大型は生後10カ月頃)」があります。その時期は、1日4~5回に分量を調整しましょう。

この急成長期が終わったら、1日2~3回に変更します。

また、幼い小型犬は空腹時に低血糖を起こしやすいので、日頃から回数を気にかけることが大切です。

 

また、子犬期は避妊や去勢手術をすることが多いです。手術後は前よりもエネルギーを使わなくなるので、手術前と同じ量の餌を与えると肥満になる可能性があります。

そのため、摂取カロリーの基準を大幅に超えないように気をつける必要があります。

普段から体重測定を欠かさず行い、体型に大きな変化があれば動物病院の獣医師に早めに相談しましょう。

成犬の餌の回数

成犬には1日2~3回に分けて餌を与えましょう。

成犬期に適切なフードを与えず、栄養管理を怠ってしまった場合、加齢を早める危険性があります。

また、犬は1歳時の体重がベスト体重といわれています。ベスト体重をキープするために食事の栄養バランスを考慮し、きちんとカロリー調整することが大切です。

ただし、これは1歳までに適切な量や回数でフードを与えていた場合です。大型犬・超大型犬の場合は2歳くらいまで成長が続くこともあります。

愛犬の適正体重をきちんと把握したい方は、獣医師に聞いてみましょう。

シニア犬の餌の回数

シニア犬も、基本は1日2~3回に分けて餌を与えてください。

食事がのどを通りにくくなっている場合は、柔らかい缶詰めに変えたり、一度に与える量を減らしたりしてみましょう。

また、成犬時よりもアクティブな活動が少なくなります。筋肉量や基礎代謝、消化吸収能力などが下がるため、シニア犬用フードに切り替えてあげましょう。

 

年齢は関係ないですが、犬はドライフードを早食いしてしまう傾向があります。もし癖になると同時に空気をたくさん吸い込んでしまい、「胃捻転」や「胃拡張」を引き起こす可能性があります。早食い防止のお皿を購入したり、餌を柔らかくしたりと工夫を心がけましょう。

 

ドッグフードの選び方

ドッグフードを選びにペットショップやホームセンターに行くと、種類豊富な商品を前に「おすすめドッグフードはどれなの?」と戸惑ってしまう方もいるかもしれません。飼い主としては1番に安全で栄養バランスの良い餌を選んであげたいですよね。

そこで、良質なドッグフードを選ぶための方法やコツをくわしくまとめました。

 

国産品か輸入品か

安全面を考慮して国産品にこだわる方は多いですよね。

海外のドッグフードは、プレミアムフードと呼ばれる栄養バランスのとれたものが多いですが、輸入されるまでの時間や運送時の温度状況などを考えると品質へのダメージが懸念点といえます。

一方、国産のドッグフードであれば、時間経過や温度による品質低下の心配は少ないです。

一概にどちらが良いか決めつけることはできませんが、国産という安心感は選択基準のひとつになるでしょう。

不安であれば、パッケージに記載されている原材料を見たり、製法などの情報をインターネットで確認するなどして、納得のいく製品を購入しましょう。

必要な栄養素が含まれているか

犬を元気に成長させるには栄養が必要不可欠です。

餌選びに悩んだら、給与試験済みの「総合栄養食」かどうかを確認しましょう。

ペットフード公正取引協議会が認めた食品なら「総合栄養食」とパッケージに記載があります。この製品とキレイな水さえ与えれば、生きる上で必要な栄養素がすべて満たされるとされています。

「一般食」や「副食」と記載のある餌は、ビタミンやミネラルなどが不足している場合があるので、他の製品で補いましょう。

添加物や保存料の有無について

人間と同様に犬も、食品添加物や保存料の過剰摂取によって健康を害する危険性があります。

発がん性のあるBHAやエトキシキンなどが含まれるドッグフードもあるので、十分に注意が必要です。

パッケージを見て、原材料をチェックすることを忘れないようにしましょう。

 

手作りごはんの場合の適量と与える回数

愛犬に手作りフードを与えたい方もいるでしょう。

けれども、味付けや量のことを考えると難しく感じるかもしれません。

そこで手作りごはんの場合、どのくらいの量と回数を与えるべきかご紹介します。

 

一日の適量

一日の必要カロリーを摂取カロリーが上回ると肥満の原因になってしまう可能性があります。

そのため、カロリー計算は正確に行って食べすぎ防止に努めなければなりません。

下記が一日の適量の目安になります。

  • 超小型犬(1〜5㎏)→112~374カロリー
  • 小型犬(6~10㎏)→429~630カロリー
  • 中型犬(11~20㎏)→676~1,059カロリー
  • 大型犬(21~40㎏)→1,099~1,781カロリー
  • 超大型犬(41~65㎏)→1,815~2,564カロリー

一日に与える回数

毎日手作りごはんを与える場合も、ドッグフードと同様に1日2~3回に分ける必要があります。

調理する際は、栄養バランスが偏らないように気をつけましょう。

また、人間が好むような濃い味付けは健康を害する恐れがあるので避けてください。

ライフステージや体調に合わせて食事回数も調整しましょう。

 

正しい量と回数で愛犬の健康維持をサポートしましょう!

大切な愛犬と長く共に過ごしていくためにも、ドッグフードは正しい量と回数を守って与え、健康維持をサポートしていく必要があります。これからもずっと元気に過ごしてもらうために、飼い主のあなたがしっかりとごはんの管理をしてあげてくださいね。

犬に限らず、猫、うさぎ、ハムスターやインコなどの動物たちをペットとして飼うときも、パッケージを確認して適切な量と回数のフードを与えるようにしましょう。

まとめ

  • 餌は子犬の急成長期の場合は4~5回。通常は2~3回に分けて与える
  • バランスの良い「総合栄養食」がおすすめ
  • フードの給与量に迷ったらパッケージを確認する
  • 外国産か日本産かではなく原材料を見て買うべき

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