小松菜は栄養価が高い上に一年中手に入れやすく家庭のレシピに活躍しますよね。特に旬の季節である冬は調理する機会が多く愛犬にも食べさせてあげたいと思うところ。しかし、小松菜は犬に与えても大丈夫なのでしょうか。小松菜の安全性について確認した上で安心して大切な犬に与えることができるよう、注意点などご紹介します。
愛犬に小松菜をあげても大丈夫?
栄養価が高く冬に美味しい小松菜。愛犬にも与えて大丈夫なのでしょうか。
基本的には小松菜を愛犬に食べさせても大丈夫
小松菜は基本的には犬に食べさせても大丈夫な野菜です。
特に栄養価は緑黄色野菜の中でも高く、ミネラルやビタミン、カルシウムなどの栄養素を多く含んでいます。
ドッグフードで必要な栄養を摂取できている犬にとって野菜は絶対に必要というわけではありませんが、さらに栄養を補給するという意味では小松菜は適しているといえます。ただし、中には小松菜を与えるのを控えたほうがよい場合もあるので気を付けましょう。
小松菜は栄養豊富な野菜!その効果・効能は?
小松菜に含まれている主な栄養は、βカロテン、タンパク質、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンB1・B2・B3・B5・B6、葉酸、カルシウム、カリウム、鉄分、マグネシウム、リン、亜鉛、食物繊維です。このように並べただけでも小松菜がどれだけ栄養豊富で健康に良いかということがわかりますが、特に特徴的な効果・効能をご紹介します。
ほうれん草よりも多く含まれている鉄分やカルシウム
小松菜に含まれる鉄分やカルシウムなどのミネラルは、ほうれん草よりも多く含まれています。
特に含有量が高いカルシウムは骨や歯の強化のみならずホルモンの分泌や体内バランスをサポートする働きをもっています。また、小松菜にはビタミンDも含まれていますが、それによってカルシウムが効率的に吸収されるということも言われています。
小松菜はほうれん草と比べてアクが弱く価格も安いため、料理に活用しやすいと感じている方は多いかと思いますが、栄養価も小松菜の方が高いとなれば益々意識的に大切な家族や愛犬に与えたいところですね。
ベータカロテンで免疫力アップ!
小松菜にはベータカロテンも豊富に含まれています。このベータカロテンとは、皮膚や粘膜を強化する働きや、免疫力を高める働きがあり、子犬の成長を支えてくれます。また、白内障の予防や角膜の健康維持にもつながると言われています。
小松菜は肝臓の働きを助けてくれる
小松菜にはビタミンやカロテン、食物繊維が多く含まれていて、これらの栄養素は肝臓の働きを助けることに繋がります。
肝臓は身体の中でも特に重要な働きをする臓器で、代謝機能や解毒作用、エネルギーを貯蔵する役割をもっています。肝臓に負担がかかるとこれらの機能が低下し、様々な身体の不調を引き起こす原因にもなるので、食事からも肝臓をいたわってあげることが重要です。
愛犬に小松菜をあげる際の注意点・与え方は?
では、実際に犬に小松菜を与えるときはどのように与えれば良いのでしょうか。ここでは具体的に量やおすすめの調理方法、注意点などをご紹介します。
犬に一度に与える小松菜の量は?
豊富な栄養を含んでいる小松菜ですが、与え過ぎはよくありません。他の野菜同様、小松菜にも食物繊維が多く含まれています。そのため、たくさん与えすぎると下痢や便秘の原因になる恐れがあります。
与える場合はいつものドッグフードの量にプラスするのではなく、小松菜を与える分ドッグフードを減らす調整をする必要があります。また、適量については犬の体重によって異なりますが、はじめはほんの少量ずつ与えていき、体調に変化がなかった場合は小松菜の葉1枚程度の量に留めましょう。
小松菜を犬に与えるときは茹でよう
小松菜にはシュウ酸という成分が含まれていて、このシュウ酸は多量に摂取すると尿路結石の原因になる場合があります。このシュウ酸は水に溶けやすい性質を持っているので、茹でることで水の中に溶け出します。その茹で汁を捨てて、小松菜だけを刻んで与えることでシュウ酸の摂取量を少なくすることができるのです。
また、小松菜を茹でて食べさせることで、消化・吸収をよくする効果も期待できます。茎も葉もさっと茹でて細かく刻んでから与えるようにしましょう。
甲状腺に病気のある犬は小松菜を与えるのは控える
甲状腺に疾患のある子には小松菜をはじめとするアブラナ科の野菜を過剰摂取させないように気を付けましょう。
アブラナ科の野菜には、甲状腺でのヨウ素の取り込みを阻害し、甲状腺ホルモンの生成を邪魔するグルコシノレートという成分が含まれています。そのため、小松菜を過剰に与えることで甲状腺機能が低下する恐れもありますので気を付けましょう。
腎臓への負担に注意
上述したように、小松菜に含まれるシュウ酸は尿路結石を引き起こす原因になる物質です。尿路結石とは、腎臓で作られた石(結石)が尿と一緒に尿管へ移動してきて、石が尿管を塞ぎ尿が出づらくなる病気です。結石のせいで尿管が詰まり尿が行き場を失うと、腎臓に尿がたまってしまいます。
そうなると腎臓に負担を与えることになり、ひどくなると腎臓機能が低下して身体の毒素や老廃物を体外に排出できなくなる尿毒症という病気になってしまいます。尿毒症は命を落とすこともある怖い病気なので、腎臓に疾患がある犬に小松菜を与えるのはやめましょう。
小松菜のアレルギーに要注意
犬に小松菜を与えるときはアレルギーに注意することも忘れてはいけません。稀にではありますが、犬の中には小松菜に対してアレルギーを持っている子がいます。アレルギーの症状は個体差がありますが、下痢や嘔吐、皮膚が赤くなったり痒みを引き起こす場合が多いです。
小松菜を食べた直後にアレルギー症状が出る場合もありますが、食物アレルギーの症状は数時間〜数日後に出ることもあります。そのため、初めて小松菜を食べさせたあとは体調や便の様子を確認することが大切です。
与えすぎに注意して小松菜で犬の健康を補助しよう
ご紹介してきたように、小松菜は野菜の中でも非常に栄養豊富な上に、アクも弱いため食べやすく、年中手に入れやすいという良いことづくしの優良な野菜です。
しかし、犬に与えすぎると前述したようなリスクもあるため、愛犬の体質やサイズを考慮しながら、適切な量と調理方法で愛犬の健康を補助することを目的として、上手に食事に取り入れましょう。