野菜の中でもさつまいもが好きなワンちゃんは多く、食べていると物欲しそうな顔で見ていることもあるでしょう。
さつまいもは、与える量や注意点を守れば犬の健康維持に役立つ食材です。
今回の記事では、さつまいもの栄養素や与える際の注意点まとめ、手作りおやつの作り方などの情報をご紹介します。
犬はさつまいもを食べてもいいの?
さつまいもには、犬にとっての有毒成分が含まれていないため、基本的に与えても問題ありません。
加熱したさつまいもであれば食べても大丈夫!
生のさつまいもは消化不良を起こすことがあるので、加熱して柔らかくしてから与えましょう。
与え過ぎは肥満や下痢の原因になるので、総合栄養食のドッグフードを与えている場合は1日の給与量の10%以下に調整が必要です。
手作り食でさつまいもを使う場合は、体重5kgの犬で1日30g以内に調整しましょう。
皮も一緒に与えてOK
さつま芋の皮は犬に与えても大丈夫です。
皮や皮の付近には、栄養素が含まれるため一緒に与えた方が栄養摂取に効果的です。
しかし、果肉部分と異なり加熱しても固さが残るので、犬が消化しやすいようみじん切りにしたりミキサーで細かくしたりして与えましょう。
消化不良が心配な場合やお腹を壊しやすい犬には、皮を取り除いて与えることをおすすめします。
さつまいもを食べることで得られる栄養素
さつまいもには、腸内環境を整える作用をはじめとし、犬の健康維持に役立つ栄養素が豊富に含まれています。
食物繊維
さつまいもには、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維が豊富に含まれています。
水溶性食物繊維には、体内に不要な腸内脂肪やナトリウムを吸着して体外に排出する働きがあります。そのため、コレステロールや塩分の過剰吸収の妨げ・腸内の善玉菌の活性化に効果的です。
また、不溶性食物繊維は大腸を刺激し便通を整える働きを持ち、便秘予防を中心とした整腸効果が期待できます。
ヤラピン
さつまいもに含まれる、白色のベタベタとした液体がヤラピンです。
ヤラピンは腸の蠕動運動(ぜんどううんどう:消化した食物を腸が伸び縮みを繰り返して運び、体外に出す動きのこと)の活発化に効果的で、便通改善や便の状態を柔らかくする「緩下作用」があります。
さつまいもの皮の下に多く含まれており、熱に強いという特性を持っているため加熱しても効果が残ります。ヤラピンと食物繊維との相乗効果で整腸作用も期待できます。
ビタミンC・ビタミンB6
さつまいもには、抗酸化作用が期待できるビタミンCや、免疫力を高めたり糖や脂質、たんぱく質の代謝をサポートしたりするビタミンB6が含まれています。そのため、免疫力が低下傾向にある老犬や病気の犬、アレルギー症状が出ている犬にも効果的な食材です。
ビタミンB6については、脳のエネルギー源となるブドウ糖を代謝するためにも役立つ栄養素です。
ビタミンE
ビタミンEは、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンKといったほかの脂溶性ビタミンよりも、過剰摂取による体への影響が少ないといわれている成分です。
また、抗酸化作用があるため活性酸素や過酸化物の除去に役立ちます。
その他、毛細血管の血行促進にも効果的です。不足した場合は血管系疾患の原因や神経筋肉に関連した症状を引き起こすこともあります。
クロロゲン酸
ポリフェノールの一種であるクロロゲン酸は、強い抗酸化力があるため老化防止に効果的であると考えられています。
皮膚の色素沈着の要因であるメラニンの生成を抑える働きもありますが、熱に弱いため短時間で皮のまま蒸し上げる調理法がおすすめです。
炭水化物
さつまいもの主成分である炭水化物は、犬の体を動かすエネルギー源として働くため、疲れている犬に適した栄養素です。
犬にさつまいもを与える際の注意点
サツマイモには犬の健康維持に役立つ成分がたくさん含まれていますが、与え方と量には注意しなければいけません。
生のまま与えないこと
生のさつまいもは固いので、下痢や軟便などの消化不良の原因になります。
場合によっては嘔吐する可能性もあるため、消化しやすいように必ず蒸したり焼き芋にしたりと加熱してから与えましょう。
与え過ぎは下痢や肥満の原因に
さつまいもには豊富な食物繊維や炭水化物が含まれているため、与え過ぎると下痢や肥満の原因になります。100gあたり130〜140kcalと高カロリーなので、与える量に注意しましょう。
また、糖質も多く含まれているので、1日の給与量の10%以下、または手作りごはんであれば体重5kgの犬で1日30g以内が目安です。
腎臓・心臓疾患のある犬は要注意!
さつまいもにはカリウムが含まれていますが、カリウムは慢性腎臓病を中心に腎機能が低下している犬の場合は制限したい栄養素です。
一般的に体に不要なカリウムは、腎臓で処理され尿で排出されますが、病気により腎機能が低下していると体にカリウムが蓄積してしまいます。
不要なカリウムが体内に残ると「高カリウム血症」の原因になり、不整脈などの心臓疾患症状を悪化させる危険性があります。そのため、腎臓病や心臓病のある犬は注意しましょう。
また、さつまいもにはシュウ酸が含まれています。犬や猫に多い尿石症の一種である、シュウ酸カルシウム結石になったことがある場合は、与えない方が良いでしょう。
加工食品は与えない
さつまいもの加工品は、味付けなどされていない焼きいも以外は与えないようにしましょう。
加工品には油や砂糖、お酒などが入っている可能性があるので、犬の健康を害する危険性があります。
アレルギーに注意
さつまいもはアレルギーが出にくい食材ですが、犬によってはアレルギー症状が出ることがあります。まずは少量から与えるようにしましょう。
下痢や嘔吐などの消化器系症状、目の充血や痒がる様子がみられる場合は、与えるのをやめて動物病院の獣医師に相談しましょう。
サツマイモを使った簡単手作りおやつレシピ
サツマイモが好きな犬には、簡単手作りおやつがおすすめです。
家で手作りすると、添加物を中心に犬にとって有害な成分を避けられるので安心です。是非チャレンジしてみてください。
さつまいもとおからのパウンドケーキ
さつまいもと、良質なタンパク質を含むおからを使用した簡単手作りパウンドケーキです。
おからは犬のエネルギー源になるタンパク質のほか、セットで血圧調整の役割を持つカリウムとナトリウムを中心とした栄養素を豊富に含みます。
◆材料
・さつまいも(100g)★
・おから(100g)★
・たまご(Mサイズ2個)★
・ベーキングパウダー(小さじ1)★
・オリーブオイル(15g)★
・すり黒ごま(小さじ1/2)
1.さつまいもを蒸し器やレンジで加熱して柔らかくします。柔らかくなったら消化吸収しやすいようスプーンなどでつぶしましょう。皮がついたままでもOK。
2.★の材料を全て混ぜ合わせます。
3.オーブンシートをパウンドケーキの型に敷いて生地を流し込み、すり黒ごまをのせます。黒ごまでも大丈夫ですが、すり黒ごまの方が消化吸収がスムーズです。
4.180℃のオーブンで30分程度焼いたら完成。
さつまいもとりんごの豆乳プリン
さつまいもと、抗酸化作用が期待できるりんごを使った豆乳プリンです。
りんごはポリフェノールやビタミンA、ビタミンCを豊富に含むので、老化やがんの予防になる可能性があります。
◆材料
・さつまいも(40g)
・りんご(1/3個)
・たまご(1個)
・無調整豆乳(100ml)
・オリーブオイル(適量)
1.さつまいもは蒸し器やレンジで加熱して柔らかくし、りんごは小さく刻んでオリーブオイルで炒めます。加熱したさつまいもとりんごを耐熱容器に並べます。
2.たまごをよく溶いて、無調整豆乳を入れ混ぜ合わせます。
3.1の耐熱容器に2を入れ、オーブン(電子レンジでも可)で固まるまで加熱します。冷ましたら完成です。
市販の無添加クッキーもおすすめ
手作りが大変な方には、無添加クッキーなど添加物を使用していないさつまいもオヤツがおすすめです。
添加物は発がん性物質が入っていることもあり、添加物自体にアレルギー反応を示す犬もいるので、市販の商品の中でも無添加表示のあるさつまいもオヤツを選びましょう。
適量を意識して、犬も大好きなさつまいもを上手に活用しましょう
さつまいもは犬の健康維持に役立つ食材で、注意点を守り与え過ぎに気をつけ、おやつや手作りの食事で上手に活用すれば、消化器官の健康維持や免疫力アップなどに役立ちます。
そんな栄養豊富なさつまいもを原料とした「このこのごはん」は、人間基準で作られた高たんぱく・低脂肪のドッグフードです。国産にこだわった鶏ササミや鹿肉、青パパイヤやまぐろなど自然素材がたっぷり。ぜひ、総合栄養食の「このこのごはん」を試してみてくださいね。
まとめ
- 上手に活用することで、さつまいもは犬の健康維持に役立つ
- さつまいもは消化器官の健康維持に役立つ成分が豊富
- 下痢や肥満にならないよう、与える量に気をつけよう!