ここ数年のように酷暑が続くとアイスがとても美味しく感じられます。もちろんあなたの愛犬も暑いと感じているとおもいますが、自分が食べているアイスを愛犬に与えてしまったことはありませんか。でもチョット待ってください。本当に犬にアイスを与えても大丈夫なのでしょうか。ここでは犬にアイスを与えて良いものかどうか詳しく解説します!
わんちゃんに人用のアイスをあげるのは避けましょう!
いきなり結論からお伝えしますが、犬に人間用のアイスを与える必要はありません。あなたのかわいい愛犬のためにも、人と犬では食生活が全く異なるということは、飼い主として必ず覚えておいていただきたいと思います。人間の食べものが、犬にとってもすべて安心とは言えないのです。犬に与えてはいけないものとして、玉ねぎ、ナッツ類、牛乳、チョコレートなどがあげられます。いずれも犬が消化できなかったり、犬にとっては毒性のある食べ物です。このなかに含まれている牛乳を主成分として人間用のアイスは作られていますし、アイスとチョコレートは相性抜群です。またアイスにはナッツ類が掛かっているものもありますね。人間用のアイスは、犬に与えるのにふさわしい製品とは言えないのです。
アイスの原料を思い出してみて!
人間用のアイスの原料は、乳製品、糖分、安定剤、香料が使用されています。いずれの原料も犬に与えなくてよいもの、あるいは与える必要がないものなのです。
○乳製品
乳製品は主に牛乳から生成されますが、そもそも犬に牛乳は与えない方が良い食品の一つであることはお伝えしました。その理由は、成犬は乳糖不耐症(にゅうとうふたいしょう)といって、乳に含まれている乳糖を分解する酵素が少ないためです。詳しくは後ほどご説明します。
○糖分
犬に余計な糖分を与える必要はありません。ドッグフードを与えていれば犬に必要な栄養は十分に摂取できています。もちろん糖分(炭水化物)はタンパク質や脂質と並ぶ3大栄養素のひとつですが、炭水化物は穀類やイモ類にも含まれています。自然由来のドッグフードを適量与えていれば、十分に糖分は摂取できています。必要以上の糖分を与えることは、肥満の原因になり、様々な病気の引き金になってしまう恐れがあります。
○安定剤、香料
安定剤、香料ともに食品添加物ですが、全く犬に与える必要のないものです。安定剤ですが、例えばヨーグルトはしばらくすると水分が浮いてきますが、安定剤はこれを抑えるためのものです。香料は製品を統一的に同じ香りにするために使用するものなので、これも犬には必要ありません。
このようにアイスの原料をみても、あなたのかわいい愛犬に与える必要はありません。暑いから少しでも冷たいものを与えたいとお考えでしたら、冷蔵庫の氷を一個与えてもいいでしょう。氷でしたら消化不良の恐れもなく安心です。でも冷たいものの与え過ぎは、今度は内蔵が冷えてしまうことによって、お腹を壊してしまう場合がありますから注意してください。
牛乳が原因でお腹を壊すことも・・・。
成犬は乳糖を分解できないため、牛乳を飲むとお腹を壊してしまうことがあります。これを「乳糖不耐症」といいます。もう少し詳しく説明しますね。犬は成長すると、牛乳に含まれている「乳糖」を体内に消化・吸収するために分解する乳糖分解酵素(ラクターゼ)という消化酵素が少なくなり、小腸の中で分泌不足となってしまい、消化不良や下痢などの症状が起こります。
実は、犬に限らず人間も同様です。子供の頃は平気だったけど、大人になったら牛乳を飲むとお腹がゴロゴロする、あるいはお腹を壊す、という方がいらっしゃいます。これは大人になって乳糖が分解されにくくなったためです。食生活とも深い関係があります。乳児の頃は母乳に含まれている乳糖をブドウ糖とガラクトースに分解・吸収してエネルギー源にしてきました。しかし、成長するに連れて様々な食品を摂取するようになるため、乳糖を分解・吸収する必要が少なくなったためと言う説もあります。
しかし、免疫力などを上げるために犬に乳製品を与えたいのであれば、ヤギミルク(ゴートミルク)を与えてはいかがでしょうか。牛乳に比べると天然のままで脂肪球がそろっているため消化されやすいこと、脂肪球の大きさが牛乳よりも小さいことから消化・吸収されやすいなど特徴があり、消化不良が原因となって、お腹を壊すことも少ないでしょう。
チョコなどわんちゃんにとって毒となるものも・・・。
人間にとって、チョコレートはアイスと相性が良く、おいしい食べ物です。しかし、犬にとってチョコレートは毒性を含んでいるため、与えてはいけない食品です。チョコレートに含まれている「テオブロミン」には毒素が含まれています。テオブロミンはチョコレートの主成分であるカカオに含まれています。われわれ人間にとっては害になることはありません。しかし、犬にとってテオブロミンは代謝速度が遅いので害を及ぼします。
もし、愛犬がチョコレートを食べてしまった場合、食べたチョコレートの量によって中毒症状は変わってきますが、小型犬で50グラム程度(ミルクチョコレートを約3/5枚)のチョコレートを摂取すると、犬は中毒を起こし、消化不良、脱水症状、過度の興奮、心拍数の低下などの中毒症状が現れます。
アイスを一緒に楽しみたいなら、ワンちゃん用のアイスを手作りしましょう!
これまでにご説明したとおり、かわいい愛犬にアイスを与えることはお辞めください。しかし「暑いのでアイスを美味しく食べているときに、欲しそうにじっと飼い主をみている愛犬の視線に耐えきれません!」、「可愛い愛犬と一緒にアイスを食べて癒やされたい!」とおっしゃる方もいるのではないでしょうか。ご安心ください。愛犬と一緒にアイスを楽しむことはできます! つまり、人間用のアイスを与えることに問題があるのですが、犬用のアイスでしたら全く問題ありません。身近にあるもので簡単に作ることができます。
ヨーグルトアイスのレシピをご紹介
材料:バナナ1本、無糖ヨーグルト:50グラム
作り方:
①皮を向いたバナナを容器に入れて潰し、そこに無糖ヨーグルトを加えてかき混ぜます。
②タッパーなどに入れて凍らせれば完成です。
超絶簡単ですね。無糖ヨーグルトの代わりに豆乳でも大丈夫です。
もっと簡単なレシピもあります。一口大にカットしたバナナを凍らせて与えるだけです。これだけでも愛犬は喜びますよ。
ヨーグルトなら、乳糖は分解されているから大丈夫!
さて、先程のヨーグルトアイスのレシピですが、「あれ? ヨーグルトって乳製品だけど犬に食べさせて大丈夫なの?」って思った方もいらっしゃると思います。ご存知のとおりヨーグルトは牛乳から作る発酵食品です。実はこの発酵の過程で乳糖の一部が分解されるため、消化不良を起こしにくくなります。また、ヨーグルトに含まれている乳酸菌は胃や腸の活動を活性化する働きがあります。更に有害物質の除去や、免疫力を高めるなどの働きがあります。もちろん与えすぎには注意する必要がありますが、ヨーグルトなら乳糖が分解されているので、愛犬に与えても問題ありません。
まとめ
暑い日にはアイスが美味しいため、愛犬にも与えたくなります。しかし、人間用のアイスに含まれている成分は、犬にとっては必要のない成分や害を及ぼす成分も含まれています。そう言っても、愛犬と一緒にアイスを楽しみたいのであれば、犬の健康を害さない食品を使った手作りアイスを与えるようにしてください。愛犬の健康管理は、飼い主であるあなたが気をつけるしかありませんよ。手作りアイスで暑い夏を乗り切りましょう!