散歩中やトイレシーツを片づける時、ふと愛犬のうんちが黒い?と気になることはありませんか?一見元気いっぱいで食欲も旺盛なものの、もしかしたら病気のサイン?と不安になるでしょう。犬のうんちは健康状態を知るうえでとても大切な意味をもっています。不安を解消するために愛犬のうんちについて詳しく知っておきましょう。
犬が黒いうんちをした! 普段のうんちと比較してみよう
健康な犬のうんちの特徴
犬も人間と同じで季節や体調によってうんちの状態が変化します。その日に食べたもの、疲れ具合、ストレス、もちろん病気のこともあるでしょう。愛犬の健康を正しく理解するうえでは、まず健康な状態のうんちを知っておくことが大切です。
健康なうんちとは、
- 色・・・茶色もしくは焦げ茶色
- 形・・・バナナの様
(細かくちぎれている場合は水分摂取量不足・便秘気味のサインです) - 固さ・・・拾いあげた時に軽く指の形が残る程度
(とても硬い・乾燥している場合は便秘気味、形がわからない・崩れてしまうほど柔らかい場合は下痢気味のサインです) - 臭い・・・糞臭
(血液に似た臭いや鼻をつく酸っぱい臭いがする場合は、動物病院で早急に検査を受けましょう)
またうんちの回数はほぼ食事の回数と同数です。もし小分けに何度もする場合は、便秘や加齢によって排泄が困難になっているもしく消化不良や内臓疾患を起こし下痢をしている可能性があります。症状が続く場合は動物病院に相談をしましょう。
うんちの色がいつもと一緒ならひとまず安心?
うんちの色は日々の食事や体調によって多少は変化します。中には着色料の配合されているドッグフードやオヤツを与えたことで、翌日食べたものと同じ色のうんちが出ることもあります。
うんちの色の変化は一見でわかるので異変に気が付きやすい点です。でも多少色の違いがあっても硬さや量、回数に異常がみられなければ様子を見ても構わない範囲です。
高たんぱくなフードを食べたら黒っぽくなることも
ここ数年でグレインフリーと呼ばれる穀物不使用のドッグフードや肉そのものに近い原材料で作られた高たんぱくな製品が多数登場しています。実はこのような動物性たんぱく質の配合比率が高いドッグフード与えた場合、うんちの色が黒く変化することがたびたび見られます。もし食欲やうんちの硬さ、回数、臭いに異常がみられなければ特に問題視することはないでしょう。
逆に穀物の配合量が多いドッグフードを与えると未消化のままで排出された穀物の色でうんちが明るい茶色に見えたり、白い粒が混ざっていることがわかります。
>>>フードと糞の関係について紹介している記事はコチラ!
関連記事:ドッグフードを他のものに切り替えるときに気を付けたいこと
思い当たることが無いなら病気の可能性も疑おう
「ドッグフードの切り替えもしていない…」「食欲もある…」という場合、検便検査のために少量のうんちを持参して動物病院を受診してあげましょう。
実はうんちの色の変化がきっかけで大腸の病気が発見できたり、胃腸の不調を発見できることもあります。
加齢が理由でドッグフードが体調に合わなくなってきたということも考えられます。うんちの何かしらの変化を感じたら念のため動物病院へ足を運びましょう。
犬のうんちが黒いし何かつぶつぶした物が混ざってる
もしかすると寄生虫の仕業かも
うんちを片づける時、普段見慣れない白い粒が混ざっている…なんだか下痢気味、回数が多い、臭いが強いなどの変化を感じたら、寄生虫の可能性も考えておきましょう。寄生虫はどんなに清潔で健康的な生活を送っている場合でも必ずしも無縁ではありません。思いもよらぬきっかけで寄生されてしまうことがあるので異変に気が付いた時は早期対処を心がけてあげましょう。
思い当たるなら病院へ! 寄生虫に感染してしまう原因
生後間もない子犬、保護犬、アウトドアに連れ出した後など様々なことがきっかけで寄生虫が体内に入り込んでしまう事があります。中にはドッグランや散歩中に他犬のうんちに接触したことが原因になることもあるほどです。
すでに成犬になり健康な犬の場合、即座に下痢などの深刻な症状が現れない場合もあります。
でも、もし愛犬のうんちの普段とは違う小さな粒や白っぽい異物を見つけた時は動物病院を受診しましょう。万が一寄生虫が見つかった場合でも数日~一週間程度飲み薬を服用すれば簡単に駆除することができます。もし多頭飼いをしているご家庭なら、念のため症状が出ていない犬達も動物病院を受診しておくと安心です。
>>>定期的な健康診断で便の検査をしてもらおう!
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犬の黒いうんちは硬い? ドロドロしている時は要注意!
硬いうんちは便秘? 排便時に苦しそうなら病院へ
日々の食事でドライフードをメインにしている場合、慢性的な摂取水分量不足をおこしてしまうことがあります。
ドライフードは長期保存を可能にするために原材料に含まれる水分を人工的にゼロに近いところまで取り去っています。そのため食事として口にするうえではこの水分を意識して補わなければなりません。
この補いができていないと体内で水分量が不足し、排便の際にスムーズに押し出すことができない状態に陥ります。
ただ若く健康な犬であれば自身の筋力で何とか排出することもできますが、高齢になり筋力が低下してしまっている犬の場合、この症状が慢性化することで深刻な便秘が続きがちです。
黒いタール便は上部消化器官に問題があるかも
うんちが黒い上に、泥のようにやわらかい、拾いあげることができないほどに形がない、うんちの最後に泥のようなうんちが出る場合は、単なる軟便ではなく消化器官に何かしらの問題を抱えていることも考えられます。症状がまだ初期段階で軽度であれば日常生活に目に見える変化はみられませんが、症状が進むと食欲不振や元気がないなどが目に付くようになるでしょう。
内臓疾患は目に見えないところで進行し、飼い主が気が付いた時には深刻な状態になっていることも珍しくありません。もし愛犬がこのようなうんちをした時は早期に動物病院を受診してあげましょう。
黒いうんち以外で気をつけたい犬のうんちの色は?
赤いうんちが出た時に考えられる原因
赤いうんちが出る原因は2つ考えられます。
1つはドッグフードに含まれている着色料がそのまま排出されたからです。ドッグフードの中には新鮮な生肉に見せるためにあえて着色料を配合し作られている製品も多々あります。しかしこの成分は犬が本来必要とする成分ではないので体内で消化吸収されずにそのまま排出されます。排出の途中でうんちが着色されてしまい、時には驚くほどに明るい色のうんちが出ることがあります。
もう1つの可能性は鮮血が混ざりこんでいるためです。血液は出血後時間が経つにつれて変色し赤から黒に近い色へと変化します。明るい赤色のうんちや微量の血液が混ざっているという事は、出血の直後の体外へ排出されたことを意味しています。そのため腸や肛門付近からの出血が考えられるでしょう。出血の量や愛犬の様子から判断して、場合によってはすぐに動物病院を受診してあげましょう。
>>>血便は寄生虫の可能性も! 原因の1つの拾い食いをやめさせるには?
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白いうんちが出た時に考えられる原因
内臓疾患を抱えている犬や高齢の犬は、突然白いうんちをすることがあります。飼い主もまさかと思うほどに色素がなく、一見で異常だと気が付くほどの白さです。このような症状は愛犬が肝臓や消化機関にトラブルを抱えているサインです。
本来は分泌されるはずの胆汁に含まれる胆汁色素(ビリルビン)が何らかの理由で正常に分泌されないことで、うんちの色の元となるステルコビリンが生成されずにこの症状が起こります。
この症状は当然異常事態ですから、早急に動物病院を受診しましょう。受診の際に獣医師に的確に症状を説明することができるように、少量のうんちを検便用に持参する、うんちを写真におさめ持参するということをおすすめします。
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緑のうんちが出た時に考えられる原因
子犬や老犬、過度なストレスがかかった状態の犬が緑色の粘膜がかかったうんちをすることがあります。形状や臭いに特別な異常はないものの、粘膜と色の違いに一見で異常に気が付くことができるでしょう。このような症状が起こる原因は腸内で深刻な病気が進行しているサインです。中でも最も危険とされる病気はパルボウイルスです。犬の病気の中でも最も致死率が高く、かつ高い伝染力をもっています。
このようなうんちが出る場合はすでに食欲減退や発熱、元気がない、鼻水や咳など、別の症状も起きているでしょう。動物病院では隔離扱いとなることが多いので、あらかじめ連絡を入れどのような方法で受診すべきかの指示を受けましょう。
>>>危険なパルボウイルスはワクチンで予防可能です!
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犬の黒いうんちは病気とは限らない!でも気になる場合は病院へ
言葉を持たない犬達にとって毎日のうんちは健康状態を飼い主に伝えるための大切な手段です。些細なことでも気になる症状に気が付いた時は動物病院を受診してあげましょう。体調不良には早期発見、早期治療が何よりです。