愛犬のくしゃみが続くと、「病気なのかな?」と不安な気持ちになってしまいますよね
単なる生理現象なのか、それとも何かの病気のサインなのか、判断に迷うこともあるかもしれません。
この記事では、犬のくしゃみの原因や考えられる病気、そして愛犬のために飼い主ができる対処法について、詳しく解説していきます。
愛犬の健康を守るために、きちんと目を通しておきましょう。
犬のくしゃみの特徴
まずは、犬のくしゃみの特徴を見ていきましょう。
犬もくしゃみをする
犬も私たち人間と同じように、鼻腔内に侵入した異物を排出するためにくしゃみをします。
くしゃみは犬にとってもごく普通のことなので、基本的に心配する必要はありません。
ただし、あまりに回数が多かったり、様子がおかしかったりする場合は、病気の可能性もあります。
「逆くしゃみ」とは
犬には「逆くしゃみ」と呼ばれる特有の生理現象があります。
逆くしゃみとは、「フガフガ」「ブーブー」という音を出しながら強い吸気を伴う行動で、小型犬や子犬によく見られます。
涙を流していたり、苦しそうに見えたりすることもありますが、病気を引き起こすようなものではありません。
逆くしゃみが終わった後は、喉を優しく撫でて刺激を緩和してあげてください。
ただし、逆くしゃみの後に食欲不振などの体調不良が見られたり、逆くしゃみなのかどうか判断に迷ったりする場合は、かかりつけの獣医に相談することをおすすめします。
犬がくしゃみをする原因
ここでは、犬がくしゃみをする主な原因を紹介します。
ホコリや砂が鼻に入った
ホコリや砂が鼻に入ると、犬はくしゃみをします。
犬は匂いによって情報を収集するので、鼻に異物が入るのは珍しいことではありません。
また、匂いに敏感なので、きつい香水を嗅いだときにくしゃみをすることもあります。
カーミングシグナル
犬は不安や緊張などを感じたときに、くしゃみをすることもあります。
これは「カーミングシグナル」と呼ばれ、犬が自分を落ち着かせるために取る行動です。
くしゃみの他にも、あくびをしたり、鼻先をなめたりすることがあります。
これらの行動を犬が取っていた場合、ストレスの原因が近くにあるかもしれません。
風邪・病気
人間と同様に、犬もウイルスや細菌に感染し、呼吸器系の炎症を引き起こすことがあります。
他にも、花粉やハウスダストなどのアレルギー症状でくしゃみが出ることがあります。
犬は病気になると、鼻水や咳、涙目、目やに、いびき、呼吸が苦しくなるといった症状も出るので、他に症状がないかしっかりとチェックしておきましょう。
犬のくしゃみの原因として考えられる病気
ここでは、くしゃみの原因になる病気を紹介します。
ケンネルコフ
ケンネルコフ(犬伝染性気管気管支炎)は、犬アデノウイルスや犬パラインフルエンザウイルスに感染することで発症する病気です。
主な症状は乾いた咳とくしゃみですが、食欲不振が見られるケースもあります。
子犬の場合は、免疫力の低さから重症化することがあるため、ワクチン接種で予防することが大切です。
鼻炎
鼻炎は、細菌やウイルス、カビ、歯周病、腫瘍などが原因で発症する病気です。
鼻腔内の粘膜が炎症を起こすと、鼻水やくしゃみ、涙、目やになどの症状が出ます。
軽い症状の場合は、抗生剤や消炎剤などを投与すると数日で改善します。
慢性化すると厄介なので、早期の診断と適切な治療が重要です。
鼻腔内異物
鼻腔内異物も、くしゃみの原因の一つです。
基本的に自然に治まりますが、異物が詰まっていたり、ポリープや腫瘍ができていたりすると、くしゃみが長引くことがあります。
腫瘍が大きくなると、鼻出血や顔の変形を引き起こすことがあります。
鼻腔内腫瘍は発見しづらいため、気になる症状があれば早めに動物病院で検査を受けましょう。
歯周病
歯周病も、犬のくしゃみの原因になります。
歯周病が進行すると炎症が鼻腔にまで広がるため、くしゃみを引き起こすことがあるのです。
膿の混ざった鼻水が出たり、口臭がきつくなったり、食欲不振が見られたりした場合は、歯周病によるくしゃみかもしれません。
定期的な健康診断で、歯周病を予防しましょう。
アレルギー
犬によっては、アレルギーでくしゃみが出ることもあります。
花粉やハウスダストのアレルギーを持つ犬は、くしゃみやサラサラした鼻水が出ます。
また、アレルギーの場合、皮膚のかゆみや赤みもよく見られる症状です。
1年を通して症状が出る場合はハウスダスト、季節変動がある場合は花粉が原因かもしれません。
愛犬のくしゃみが止まらないときの対処法
最後に、愛犬のくしゃみが止まらないときの対処法を解説します。
くしゃみに異常が見られる場合は、以下の対処法を実施してください。
鼻腔内に異物がないか確認する
愛犬がくしゃみを始めたら、まずは鼻の中に、目に見える異物がないか確認してみましょう。
基本的に鼻の中の異物は自然に排出されますが、引っかかって残っている場合は、くしゃみが長時間続いてしまいます。
もし異物が見えたとしても、無理に引っ張り出そうとせず、動物病院を受診してください。
空気清浄機を利用する
ハウスダストや花粉が原因として考えられる場合は、空気清浄機を導入しましょう。
空気の質を改善し、くしゃみの頻度を減らすことができるかもしれません。
アレルギー体質の犬には有効な対策と言えます。
動物病院を受診する
くしゃみが頻繁に続く場合は、自己判断せずに速やかに動物病院を受診しましょう。
特に鼻水や咳、発熱、食欲不振、元気がないなど、他の症状を伴う場合は、すぐに動物病院に連れて行くべきです。
また、「いつくしゃみが出始めたか」「どのような状況でくしゃみが出始めたか」など、症状の詳細を詳しく伝えることが、正確な診断につながります。
犬がくしゃみをしているときの動画を撮影しておくと、より診察がスムーズです。
定期検診を受ける
病気の早期発見や予防のためには、定期的な健康診断が非常に重要です。
獣医師による検査を行うことで、潜在的な病気を早期に発見し、適切な治療を開始することができます。
また、日頃から愛犬の様子を観察し、少しでも気になることがあれば、定期検診の際に相談するようにしましょう。
目安は1年に1回、高齢犬は半年に1回程度です。
愛犬のくしゃみが止まらないときは動物病院に相談するべき
人間と同様に、犬もくしゃみをします。
しかし、ときには深刻な病気のサインである可能性もあります。
飼い主様の注意深い観察と、早期の獣医師への相談が、愛犬の健康を守る上で最も重要です。
些細なことでも気になることがあれば、遠慮せずに動物病院を受診し、専門家の意見を聞くようにしましょう。
【まとめ】
- 犬も人間と同様、鼻腔内に侵入した異物を排出するためにくしゃみをする
- 逆くしゃみとは「フガフガ」「ブーブー」という強い吸気を伴う行動であり、病気を引き起こすようなものではない
- 犬がくしゃみをする原因は「ホコリや砂が鼻に入った」「カーミングシグナル」「風邪・病気」
- 犬のくしゃみの原因として考えられる病気は「ケンネルコフ」「鼻炎」「鼻腔内異物」など
- 愛犬のくしゃみが止まらないときの対処法は「異物がないか確認する」「空気清浄機を利用する」「動物病院を受診する」「定期検診を受ける」