実は犬達も毎日の生活でストレスを感じたり、疲れを感じたり、加齢から体の痛みや不自由さを感じています。愛犬の体の不調には飼い主様のマッサージやツボ刺激、ふれあいがとても効果的です。愛犬に癒し、癒される関係を作りお互いのケアをしてあげましょう。
まずは緊張をほぐすツボでリラックスさせよう!
毎日のんびりと生活しているように見えていても犬も何かとストレスを感じることがあります。ストレスを感じると犬の体は一過性の緊張状態に陥ります。この緊張は体に疲れや筋肉のコリをもたらします。人間同様に犬も全身のツボを刺激すると、緊張状態がほぐれ体の不調をリセットできるのでぜひご家庭で愛犬のマッサージを取り入れてあげましょう。
頭百会(あたまひゃくえ)
頭百会(あたまひゃくえ)とはツボ刺激の専門用語で頭頂部の事です。愛犬を撫でる時日ごろ無意識に触れている場所にも実はツボがあります。このツボを刺激すると自律神経を整える効果があり、落ち着きを取り戻すことが出来ます。
愛犬が興奮状態にあるときや玄関チャイムなどに吠えたてているとき、そっと愛犬の頭頂部に両手を当て、優しくゆっくりとマッサージしてあげると次第に愛犬が落ち着きを取り戻します。
風府(ふうふ)
風府(ふうふ)とは後頭部中央の際にある窪んだ部分です。実際に愛犬の頭に触れてみるとその部位がわかりやすいでしょう。頭百会(あたまひゃくえ)のマッサージと合わせてこの部分にあるツボを刺激すると安静になる効果が高まります。
愛犬の頭を撫でる時は、両手を優しく添えゆっくりと広範囲に撫でてあげると効果的です。
攅竹(さんちく)
攅竹(さんちく)とは眉の内側あたり左右に一か所ずつあるツボです。頭全体のマッサージをするときに合わせて撫でてあげるとより効果的です。愛犬が興奮状態にあるときに眉間付近に触れると不快感を示す場合もあるので、愛犬がリラックスした様子を見せ始めた時にこの攅竹(さんちく)も刺激してあげましょう。
いよいよ始めましょう!犬が気持ちいいツボ
犬にマッサージをする、ツボを刺激すると聞くとなんだか難しい、専門知識がない、経験がないと不安を感じてしまう事もありますが、愛犬にとっては家族に触れてもらえることだけでも十分な癒しです。決して難しく考えずに気軽に挑戦してみることが大切です。
眉間から頭にかけて優しくなでましょう
まず愛犬を正面に座らせ、眉間から頭にかけて広範囲に優しくゆっくりと撫でてゆきます。この時のポイントは飼い主様が力まずにリラックスした気持ちで行う事です。飼い主様が慣れないマッサージで緊張していると、手からその緊張が愛犬に伝わりお互いが張り詰めた気持ちになってしまいます。
ツボの場所がわからない、力加減がわからないと不安を抱きすぎずに気軽な気持ちで始めてあげましょう。力加減やツボの位置は愛犬の表情や仕草から見極めることが出来ます。愛犬が気持ちよさそうな表情を見せてくれたら正解という事です。高齢、寝たきり子の場合は無理な姿勢をさせずに愛犬が楽に過ごせる姿勢のままマッサージをしてあげましょう。
普段届かない脇の下、後ろ脚の付け根も!
どんなに体が柔らかい犬でも脇の下と後ろ脚は思うように口が届きません。でも日ごろ大変稼働数の多い部位ですから疲労や負担がかかりやすい部位でもあるので、この部分のマッサージはとても効果的です。
日ごろこれらの部位はあまり触れる機会がないので最初は短時間で弱い力加減でマッサージを進めてあげましょう。愛犬が次第に触れられることに慣れてきたら徐々に時間を増やしてあげましょう。
人間も気持ちいい背中部分も一緒に!
犬の背中は大きな筋肉で覆われています。この筋肉は常に疲労感、緊張感を抱えています。特に高齢になると人間の肩こり同様に背中に疲労感や重量感を感じることも増えていきます。背中には無数のツボがあるので適度な力加減で全体をゆっくりと撫で、刺激を与えてあげるとリラックスできコリが解消されます。
実は日ごろ背中に触れることはあっても気が付けば同じ場所にばかり触れていませんか?マッサージをするときはあえて日ごろ触れることの無い場所を探し優しく刺激をしてあげると、血行が促進され全身のリラックスが出来ます。
犬の体調が悪い時にもツボを押してあげよう
食欲がない、元気がない、寝てばかりいるなど病気というほどの不調ではないもののなんだか様子が気になるという事はありませんか?このような時、ぜひ愛犬に下記の手順でマッサージをしてあげると緊張がほぐれ、ストレスが解消され、リラックスした気持ちになることが出来ます。
耳の付け根から背中、肩にかけてゆっくりと適度な力加減でマッサージをします。この部分にあるツボはリンパ排泄を促し血行を促進させ、活力を引き出す効果があります。代謝が低下し不調気味な愛犬の体調が気になる時にぜひマッサージをしてあげましょう。
吠えすぎて声がかれてしまった時
玄関チャイム、屋外からの騒音、携帯の着信音、散歩中の他犬との遭遇など様々な場面で激しく吠えたててしまう事があります。家族としてもつい厳しく叱ってしまう場面でしょう。実はこのような習慣のある犬達はとても繊細な気質をもっています。日々の生活の様々な場面で緊張や恐怖、不安を常に感じています。中にはあまりに吠えすぎてしまい声がかれてしまう事もあるほどです。
そのような場合、家族がわずかな時間でもツボ刺激マッサージをしてあげることで心身の緊張がほぐれリラックスすることが出来、様々な不調の改善にもつながります。愛犬を優しく呼び寄せたうえで前足の手首の内側、肉球よりも少し下のあたりを軽く押すようにマッサージします。この部分を刺激されると犬は精神が安定するします。
ただ犬にとって足先はとても敏感で警戒しやすい場所です。愛犬の様子を見ながら抱き上げたり、膝にのせたりとリラックスできる体勢で進めてあげましょう。
便秘している時
食事や体質、加齢など様々な理由から慢性的な便秘が起こることがあります。便秘はなかなか病気、不調として認識されにくく、つい見逃してしまいがちですが、実は愛犬の体には相当な負担がかかる症状です。愛犬の排便が気になる時は、排便をうながすツボを刺激したり、腹部をマッサージしてあげると腸の働きが活発になり排便がスムーズに進みます。
愛犬がリラックスしてすんなりとお腹を見せてくれる状態でおへその左右1~2cmあたりの場所に軽く手を当て時計回りに軽く押しながらマッサージをします。この時計周りはとても意味があるので方向を間違えないようにマッサージをします。一日数回に分けて食後、散歩の前などにマッサージをしてあげると便秘解消に効果的です。
犬の鼻が詰まっている時
犬も気温差から風邪をひくこともあれば、高齢になるとエアコンの冷風で風邪をひくこともあります。愛犬の鼻づまりや鼻水が気になる時は、晴明(せいめい)という目頭のすぐ横にあるツボを優しく刺激してあげると効果的です。両手を優しく当て鼻の両脇を鼻先の方向に向けてマッサージしてあげます。
鼻は犬の急所でもあるので愛犬が嫌がらない程度に優しく進めてあげましょう。
ツボ押しマッサージをする際に気を付けたい事
ツボ刺激に慣れていない場合、最初は警戒したり、逃げたり、嫌がることもあるでしょう。特に顔周りや足先など犬にとって敏感な部位は条件反射的に嫌がることもあります。ツボ刺激やマッサージは愛犬を癒しリラックスさせるために行ってあげることです。愛犬が警戒する場合は無理強いをしないことが大切です。最初は短時間からでも続けてゆくことで徐々にお互いがベストな方法やタイミングを見出すことが出来るようになるでしょう。
まとめ
犬の体にも人間同様に無数のツボがあります。このツボを気になる症状に合わせて刺激してあげるとリラックスや疲労回復、不調の改善などの効果があります。ぜひご家庭でツボ刺激やマッサージを取り入れて愛犬をケアしてあげましょう。