愛犬が言うことを聞いてくれないと、どうしたらいいか困ってしまいますよね。
中には、「やんちゃな犬には厳しくした方がいい」「叩いてでもルールを教えるべき」と意見してくる人もいるでしょう。
しかし、しつけのためとはいえ叩いて犬に教えることは、やってはいけないNG行為です。
そこで今回の記事では、犬を叩いてはダメな理由や正しいしつけの方法を解説していきます。
犬をしつけで叩くのはNG!
いくらしつけのためとはいえ、犬を叩く行為は絶対にやってはいけません。
なぜなら、犬を叩くという行為は、飼い主と犬との間の信頼関係を損なう原因になってしまうことが多いからです。
たとえ危ないことを禁止するためであっても、叩くという行為は犬にとって暴力でしかありません。
ただ犬に恐怖心を与えるだけになってしまいます。
また、叩くしつけは、犬に何が悪いのか伝わりづらい傾向があります。
叩いてきた人に対して警戒心が強くなったり、叩かれたときにしていた行動が嫌いになったりするなど、しつけとしても成立しづらくなることが多いです。
愛犬との信頼関係を壊したくないのなら、叩いたり怒鳴ったりせずに時間をかけて根気よく教え込んでいくことが大切になります。
犬を叩くのがダメな理由

では、なぜ犬を叩くのはダメなのでしょうか。
しつけで犬を叩くことの、弊害やデメリットを詳しく解説します。
犬との信頼関係が築けないから
「お行儀のよい子になってほしい」という思いから、厳しくしつけようと考える人もいるでしょう。
しかし、叩くというペナルティで犬をしつけるのは非常に難しいことです。
とくにトイレのしつけについて、人間は「決まった場所でしない=悪いこと」と考えます。
一方、犬にとっての排泄はマーキングなので、当然「決まった場所でしない=悪いこと」という認識はありません。
そのため、排泄後に飼い主に叩かれたら、犬は「意味もなく暴力を振るわれた」と考えてしまいます。
決まった場所でしてほしいのであれば、根気よく教え込むしかないのです。
叩いて教えようとしてしまうと、犬は言うことをきかないばかりか、怖い存在として飼い主を認識してしまいます。
愛犬と末永く仲良く暮らしていくためにも、飼い主を敵だと思わせてしまう叩くしつけは絶対にしないようにしましょう。
犬が怪我をする可能性があるから
しつけとして叩くことで、愛犬を怪我させてしまう可能性もあります。
犬は人間よりも痛点が多く、人間より痛みを感じやすいといわれています。
「これぐらいなら大丈夫」と人間は思っていても、強いダメージを犬に与えてしまうことがあるのです。
また、叩かれた衝撃でよろけると更なる怪我につながる可能性もあります。
いずれにせよ、叩くしつけは犬に怪我を負わせる可能性が高く、大変危険な行為です。
愛犬がなかなか言うことを聞いてくれなかったとしても、叩いたり怒鳴ったりするようなことは避けて、他の適切な方法でしつけることが大切になります。
犬が問題行動を起こすようになるから
叩くしつけを繰り返してしまうと、犬が問題行動を起こすようになることがあります。
繰り返し叩かれた犬は人間不信に陥ってしまい、飼い主に対しても安心感を持てなくなってしまいます。
そのため、近づいてくる人間はすべて敵と認識し、威嚇したり噛みついたりするなど攻撃性が強くなってしまう傾向があるのです。
また、家にいても不安や恐怖心が拭えず、いたずらや粗相を繰り返すこともあるでしょう。
叩くしつけは、犬をいい子にさせるどころか、かえって問題行動を増やしてしまうのです。
犬を叩くのはダメ!正しいしつけの方法
では、叩かずにしつけるためには、一体どうすればいいのでしょうか。
最後に、飼い主との信頼関係を損なわないための「正しいしつけ」の方法を解説していきます。
トイレトレーニングは根気よく行う
愛犬が、なかなかトイレの場所を覚えてくれないこともあるでしょう。
飼い主にとっては悩みの種ですが、だからといって叩いたり怒鳴ったりしてはいけません。
もしトイレ以外の場所で愛犬が粗相をしても、怒らずに最初からトレーニングをやり直すことをおすすめします。
ワンちゃんが粗相した場所は、淡々と片づけて消臭すればOKです。
そして、ペットシートの上でトイレができるように誘導して、成功したときは思いっきり褒めてあげてください。
トイレの失敗には、わんちゃんの不安や寂しさ、あるいは場所自体が不適切といった原因が隠れていることも多いです。
愛犬の様子を観察しつつ、トイレトレーニングを根気よく続けていくことが大切になります。
問題行動を未然に防ぐ対策をする
散らかしやいたずらなどの問題行動が多いと、つい愛犬を強く叱りたくなるかもしれません。
しかし、犬は時間が経ってから叱られても何が悪いのかを理解できない傾向があります。
留守中の問題行動を止めさせたいのなら、飼い主側が未然に防ぐ対策をした方がいいでしょう。
いたずらされたくないものは犬の届かない場所に片づける、サークルで犬の遊び場を囲うなど、問題行動をしにくい環境を作ってあげてください。
また、寂しさを感じていると、愛犬の問題行動が多くなることもあります。
一緒にいるときはたくさん構ってあげたり、遊んでもOKなおもちゃを与えてあげたりするのもいいでしょう。
問題行動による犬のメリットを見極める
正しいしつけの方法として、問題行動による犬のメリットを見極めることも大切です。
犬の問題行動が、人間にとってはデメリットのある行動でも、犬にとってはメリットのある行動な場合もあるでしょう。
たとえば、無駄吠えのたびにおやつで黙らせていたら、吠えることが犬にとってメリットのある行動になるのです。
問題行動の前後や周囲の反応などを思い出すことで、犬の気持ちも理解しやすくなるでしょう。
不満やストレスを溜めさせない
多くの問題行動は、犬の不満やストレスが原因となっています。
もし問題行動が多いと感じるのなら、愛犬の不満やストレスが溜まらないように環境を整えてあげてみてください。
とくに、運動不足やスキンシップ不足は犬のストレスになりやすいです。
積極的に散歩や遊びに付き添い、外の良い刺激を与えて気分転換をさせてあげましょう。
たくさん遊んで体を動かすことで、無駄吠えやいたずらなどの問題行動も減っていくはずです。
モチベーショントレーニングで褒めて育てる
褒めて育てる「モチベーショントレーニング」は、犬のしつけ方法として非常に有効です。
犬が望ましい行動をとったらおやつなどの報酬を与えて行動を導き、ポジティブにしつけていきましょう。
モチベーショントレーニングを取り入れれば、愛犬の気持ちに寄り添えるので、信頼関係を深めながらしつけをしていくことができます。
もし上手くいかない場合は、ペットトレーナーなどのプロに相談しながらじっくりとしつけの方法を学んでいくのがいいでしょう。
犬をしつけで叩くのは絶対にやめよう
「愛犬をしつけなければ…」という気持ちから、つい強く叱ってしまうこともあるかもしれません。
しかし、犬を叩いたり怒鳴ったりしても、恐怖心を植え付けるだけです。
しつけで犬を叩く行為は有効ではないということを知っておきましょう。
そもそも叩くしつけは、怪我の危険性や信頼関係が崩れるなど、デメリットが多い方法です。
まずは、愛犬との接し方や環境を見直すことを優先すべきでしょう。
そして、どうしてもうまくいかない場合は、獣医師やドッグトレーナーに相談するのがおすすめです。
犬のしつけに悩んでいるのなら、一人で抱え込まずに、周囲の人やプロの手を借りながら取り組むようにしましょう。




















