命令したわけではないのに、愛犬が伏せをしたことはありませんか?
犬が自主的に伏せをするのには、一体どのような意味があるのでしょうか。
その意味を理解し、適切な方法で伏せを教えることで、愛犬との信頼関係をより深めることができます。
この記事では、命令をしてないのに犬が伏せをする理由や、伏せのトレーニング方法を解説するので、ぜひ参考にして愛犬との絆を深めましょう。
犬が伏せをする理由とは?
命令してないのに犬が伏せをするのは、単なる偶然ではなく、心理的な状況を示すサインの可能性があります。
まずは、犬が自主的に伏せをする理由を見ていきましょう。
カーミングシグナル
犬は自主的に伏せをして、自分自身と相手の気持ちを落ち着かせようとすることがあります。
これは「カーミングシグナル」と呼ばれるボディランゲージで、自分の興奮を抑えたり、周囲に敵意がないことを示したりする際によく見られる行動です。
他の犬や知らない人がいて緊張しているときに、このサインを出すことがあります。
犬同士のコミュニケーションにおいても、重要な役割を果たす行動といえるでしょう。
平常心を保とうとしている
喜びを感じたときや興奮したときに、平常心を保つために自主的に伏せをするケースもあります。
この場合、飼い主と遊んでいるときや他の犬と追いかけっこをしているときの「ワクワクした気持ち」を落ち着かせようとして、自ら伏せをしています。
この習性を利用して、犬の興奮を抑えたいときに伏せをさせて、気持ちを落ち着かせるというしつけもあるほどです。
飼い主に服従している
飼い主に対して服従の気持ちを示すために、犬が自ら伏せをすることもあります。
とくに、普段から飼い主に伏せを命令される習慣がある犬は、指示をしていないときでも自主的に伏せをすることが多いようです。
伏せは、犬にとって無防備な体勢といえます。
そのため、安心できる場所や絶対的に服従した相手の前でしか行いません。
愛犬が自主的に伏せをするということは、飼い主との間にきちんと主従関係が築けている証拠かもしれません。
「つまらない」と感じている
犬が自ら伏せをするのは、「つまらない」という意思表示でもあります。
たとえば、急におもちゃを取り上げられたり、留守番中のいたずらを叱られたりしたときなど、犬の思った通りの結果が得られなかった場合によく見られる行動です。
叱った後に伏せをしている愛犬を見て、「反省してるな」と思うこともあるでしょう。
しかし、実際には退屈に感じている可能性があるのです。
犬にしつけで「伏せ」を教える意味とは?
伏せには、飼い主に対する服従の意味があります。
そのため、伏せは犬のしつけにおいて重要なコマンドの1つといえるでしょう。
飼い主との間に主従関係がないと、犬は「自分の方が上だ」と認識して、自分勝手な行動をとってしまうことがあります。
飼い主に噛みついたり他の犬を傷つけたりするなど、愛犬との暮らしに悪影響を及ぼす可能性があるのです。
しかし、伏せを教えることで、犬の興奮をコントロールしたり信頼関係を築いたりすることができます。
愛犬とのより良いコミュニケーションを実現するために、伏せは非常に重要なものとなるのです。
伏せを教えるトレーニング方法
犬に伏せを教えるためには、段階を踏んで根気強くトレーニングすることが大切です。
最後に、犬に伏せを教えるためのトレーニング方法を解説するので、ぜひ実践してみましょう。
おすわりを指示する
伏せを習得するために、まずは前段階の体勢となる「おすわり」を指示することから始めましょう。
おすわりは、犬を落ち着かせるための第一歩であり、伏せの体勢に移行するための準備段階です。
おすわりができたら褒めてあげることで、犬は嬉しく感じます。
そして、次の指示も守ろうとするので、伏せへの移行もスムーズになるでしょう。
おもちゃやおやつで伏せの体勢に誘導する
犬の鼻先におもちゃやおやつを持っていき、下に動かしながら伏せの体勢に誘導するという方法もあります。
おもちゃやおやつを床に沿って移動させながら、愛犬の肩をやさしくタッチして、そっと下向きに押すように体勢を整えてあげましょう。
そして、そのときに「伏せ」のコマンドを出すようにしてください。
スムーズに伏せの体勢になってくれないときは、リードを短く持って頭を下げるように誘導するのもおすすめです。
犬の主体性を大切にして、無理やり体勢を崩さないように注意しましょう。
伏せができたら思いっきり褒めてあげる
伏せができたら、声を出して思いっきり褒めてあげるようにしましょう。
おやつを与えたり、たくさん撫でて褒めてあげたりして、「伏せができたらご褒美がもらえた」とタイムリーに覚えさせることが大切です。
成功体験として記憶させることで、愛犬が伏せを繰り返すモチベーションに繋がるでしょう。
ジェスチャーで出来るようにする
愛犬が伏せに慣れてきたら、ジェスチャーで伏せを教えるステップに進みましょう。
まずは、「伏せ」と言葉で命令するのと同時に、手のひらを地面に向けたり、上から下に動かしたりするジェスチャーを行います。
少しずつ言葉の命令を減らしていき、最終的にジェスチャーだけで伏せができるように練習しましょう。
ジェスチャーだけで伏せができるようになれば、遠くからでも愛犬をコントロールすることが可能になります。
伏せを覚えさせて愛犬と良い関係性を築こう!
犬にとって伏せの姿勢は、気持ちを落ち着かせる効果があります。
そのため、愛犬とのコミュニケーションに伏せを取り入れることで、より良い関係性が築けるでしょう。
伏せを覚えさせるときは、適切な段階を踏んで、根気強く教えることが大切です。
日々のコミュニケーションの中で伏せを上手に活用して、豊かなドッグライフを送ってくださいね。