人は加齢に伴う体の変化に応じて食べる物を変えていきますが、犬も年齢を重ねていくごとに食べる物や量を変えていく必要があります。その際に人間では起きなかったようなトラブルが発生する場合も…。注意したほうが良い事、どのくらいの期間で変えていくべきか、愛犬の体にあわなかった時の対処法などをこの記事でお伝えしていきますね。
ドッグフードの切り替えのおすすめ方法
普段食べている物が全部変わってしまうのは人間でもストレスが溜まるものです。それはわんちゃんも同じで、とりわけ繊細な感覚を持つ動物ですから、なるべくストレスを感じさせずにドックフードを変えるあげたいところ。わんちゃんの体が新しいフードにびっくりしてしまい嘔吐してしまう・食欲不振になってしまう、という事例もあります。愛犬の健康のために、負担を最小限におさえてフードを変えて行く方法をこれからご紹介していきますね。
1週間から10日ほど時間を掛けて切り替えましょう!
どのくらいの期間でフード変えていったらいいか、諸説ありますが大切なのは徐々に変えて行くことです。現在のフードに新しいフードをちょっとずつ混ぜていき、わんちゃんに新しい味に慣れていってもらいましょう。
一例として「1日ごとに新しいフードを1割混ぜていく」をご紹介させて頂きます。
1日目は現在のフード9割に対し新しいフード1割、2日目は現在のフード8割に対して新しいフード2割…という風に10日間かけて新しいフードに変えていきます。1割はあくまで目安です。わんちゃんが平気そうであれば「1日ごとに新しいフードを2割混ぜる」でもOK。わんちゃんの体調や個性にあわせて適宜変えていって下さい。
新しいフードを食べてくれないときは?
特に体調を崩している様子はないけれど新しいフードを食べてくれない。そんな様子が垣間見える時があります。今まで元気にご飯を食べていてくれた愛犬が突然の食欲不振になったら心配ですよね。何かの病気か、何かアレルギーがおきているのか…と、色々と不安になるかと思います。けれど、いつもと違うフードを食べる事へのストレスで食欲不振になっている場合もあります。
こんな時、飼い主さんは判断に困るかもしれませんが、前述したように下痢・嘔吐などの体調不良がおきていなければまずフードの割合を変えてみて下さい。現在のフード8割に対し新しいフード2割であれば、現在のフード9割に対し新しいフード1割という風に新しいフードの割合を減らしていきます。
もしくは新しいフードへの移行を一時中断して前のフードを与えてみてください。新しいフードの割合を減らしても食べてくれない、新しいフードを食べると体調不良になるという場合は次の可能性が考えられます。
新しいドッグフードにしたら下痢や嘔吐をした!体に合っていないのかな?!
わんちゃんは口から入った異物(おもちゃやグルーミングで飲みこんでしまった毛、体が有害と判断したもの)を体外に出すために、人間と比べると嘔吐をする機会が多いです。けれど新しいフードにして頻繁に下痢・嘔吐が続くようでしたら要注意。
新しいフードに含まれている成分にアレルギーを起こしていたり、食物不耐が起きている可能性があります。アレルギーも食物不耐も特定の食べ物に体が異常に反応をし,体調を崩してしまう状態です。主に下痢・嘔吐といった症状が現れた時は、お医者様の処置が必要になる場合もあります。アレルギーの場合は前述の症状以外にも皮膚の炎症として現れる事もあるので、フード移行期間中わんちゃんの様子を観察し、違和感などにすぐに気付けられるようにしたいですね。
フードが原因なのかを見極めましょう!
フードの成分が原因で体調不良をおこしているのか、はたまた、ただの食の変化によるストレスなのか…見極めが難しいところです。食欲があるのに下痢・嘔吐の時はフードがあっていない可能性が高いと考えられます。最終的な判断はお医者様に看てもらうしかありません。けれど、費用や時間の問題などで頻繁に行けない場合もあり、悩ましい所です。私の場合ですが、1~2日ほど経過観察をし、回復が見られないようであればお医者様に行くようにしていました。わんちゃんの体調不良に備えて、普段から彼の健康状態を観察しておくことをお薦めします。とりわけ分かりやすく観察しやすいのは「うんち」です。「うんち」は健康のバロメーター!新しいフードにして体調不良がが起きた時わんちゃんがどんなうんちをしているのか見てみましょう。
下痢や軟便など消化不良が続くようなら病院へ
・すぐに成犬になるわけじゃない!フードの量に注意!
フードの移行期間中にうんちが緩くなってしまうのは実は良くあることだったりします。飼い主さんは慌てずに次の対処をしてみてください。幼犬用から成犬用に切り替え時に発生する軟便・下痢は「フードの量が多くなった」場合が多いです。幼犬から成犬になるにつれて1日全体の食事の量が減る傾向にありますが、食事回数を3回から2回に変える方も多く、その際に1回の食事の量が増えるため消化不良を起こし軟便・下痢となってしまうのです。こんな時は、一度フードの量を減らしわんちゃんが1回に食べられる量を徐々に増やして行ってください。体が一足飛びに成犬になる訳ではないので、幼犬用の量だったのに急に成犬用の量になっても消化しきれません。そのため結果下痢になってしまうのです。この時は新しいフードの量を減らしてみてください。
・3日以上下痢が続いたら?フードが犬にあっていない可能性も
わんちゃんが下痢をしたら1~2日ほど様子を見てみましょう。日中は元気で食欲もあれば(おやつ等は食べたがる)フードの変化によるストレスでの下痢かもしれません。注意したいのはアレルギーや消化不耐を起こしている時やフードに劣化がおきていた時です。この場合、3日以上下痢が続きます。同時に嘔吐をしている時は脱水症状になってしまう可能性が高くお医者様の対処が必要です。なるべく早めに病院へ連れていってあげて下さい。その時には、吐いた物や下痢など小指の先ほどのでいいので持っていくとお医者様の診断がより正確になります。
下痢や嘔吐をしていなくても、うんちに注目!
うんちは現在の健康状態を知るための目安となります。体調が良いか悪いかの判断をするためにも普段から便をよく観察してみると良いかもしれません。
一般的に良いうんち(体が健康な時に出るうんち)は適度に水分が含まれていてツヤがありある程度長さがあります。ティッシュで掴める程度の硬さが丁度よく、色は茶色からこげ茶色のものが望ましいです。体調不良の際、容態によってうんちの形状や色は変化します。
普段より硬い場合は食事の量が少なく便秘気味、または肉類やカルシウムの過剰摂取が考えられます。
逆に柔らかい時は腸内の細菌が増えていたり、感染症や中毒症状を起こしている可能性も。水分を取りすぎている時も便は柔らかくなります。色に関しては黄色・緑色は消化不良、白・灰色の場合はすい臓の機能の低下やカルシウム多量摂取の可能性が考えられ、赤色(血便)の時は大腸から出血している可能性があります。
ちょっと抵抗がありますがにおいをかいでおくのもGood!穀物や油分が多いものを食べた時はいつもより臭くなっているでしょう。他にも異物が混じっていないか見てみて下さい。寄生虫が居る場合は虫がうんちと一緒に出てきます。
まとめ
食の切り替えは繊細な感覚を持つ犬にとって大きなストレスとなります。切り替えの回数は少ない方がわんちゃんの負担が少なくなるので、出来るだけ変えたくない飼い主さんが多いかと思います。しかし実際の所、生き物は成長し老化していきます。
都度食べる物を変える事が必要です。食べ物が変わる事が前提であれば、なるべくスムーズに移行したいですよね。先々の事を見据えてフードを変える訓練だと割り切って、切り替えに挑戦してみるのはいかがでしょうか。ここで気を付けたいのがフード難民になってしまうことです。
わんちゃんが新しいフードにしてから食べなくなったとしてもしばらく様子を見る事をお薦めします。その食欲不振はアレルギー反応ではなく、わんちゃんが新しいフードに慣れていないだけかもしれません。愛犬の様子を観察しつつ、食の楽しみをわんちゃんと共に見つけて行ってください。