愛犬に「お手」を覚えさせていますか?
愛犬とのコミュニケーションを深める素敵な芸ですが、「しつけとして本当に必要なの?」「正しい教え方がわからない」と悩む飼い主さんもいるかもしれません。
この記事では、愛犬に「お手」を教えるメリットや正しい教え方、「おかわり」との違いについて解説します。
愛犬との絆を深め、日常生活を快適にするためのヒントとして、ぜひ参考にしてみてください。
犬にお手を教えるメリット
「お手」は「おすわり」や「まて」といった基本のしつけと比べると重要度は低いとされています。
しかし、教えることには愛犬と飼い主さんにとってさまざまなメリットがあります。
まずは、犬に「お手」を教えるメリットを解説します。
愛犬との絆が深まる
「お手」などの芸を教えるトレーニングの時間は、愛犬と飼い主さんが向き合う大切なコミュニケーションの時間です。
遊びを通して芸を教えることで、愛犬と飼い主さんとの絆が深まることでしょう。
また、「お手」ができるようになれば、それを足がかりに色々な芸を教えることができます。
怪我や病気を早期発見できる
犬は足先を触られるのを嫌がる子が多いです。
しかし、「お手」ができるようになると、足を触られることにも慣れてくれます。
これにより、足裏の健康チェックができ、怪我や病気を早期発見することができます。
また、散歩後の足拭きや爪切りといったお手入れもスムーズになります。
正しいお手の教え方

続いて、「お手」の正しい教え方を紹介します。
愛犬が楽しく覚えられるように、無理なく進めることが大切です。
- 「おすわり」の状態にする
わんちゃんの正面に向かい、「おすわり」をさせます。 - 「お手」と声をかけながら前足を乗せる
「お手」と声をかけながら、教えたい側の前足をそっと手に乗せ、軽く持ち上げます。
この状態を5秒ほどキープしましょう。 - ご褒美を与えて褒める
わんちゃんの足を下ろした後に、「よし」「いいこ」などと褒めて、おやつやフードを与えます。 - 覚えるまで繰り返す
長時間トレーニングすると、犬は苦痛を覚えてしまいます。
苦手意識を持つ原因になるため、1日5分から10分などと時間を決めて、集中して取り組みましょう。
「お手」は単なる芸です。
「飼い主の指示を聞く」ということを覚えさせる上では意味がありますが、愛犬が嫌がる場合は無理に教え込む必要はありません。
ストレスを感じない範囲で、楽しく取り組みましょう。
お手は右手?左手?おかわりとの違い
「お手」はどちらの前足でも構いません。
ただし、教え始めるときに左右どちらか一方に統一することが重要です。
毎回左右が違うと、犬は混乱して覚えるのに時間がかかってしまいます。
また、「おかわり」を覚えさせるときは、「お手」とは別の前足で覚えさせましょう。
「お手」とは逆の前足を差し出す芸なので、「お手」を右前足で教えている場合、「おかわり」は左前足を差し出すように教えてください。
おかわりを教える際も、逆の足を出させることを統一しましょう。
愛犬にお手を教える時期

「お手」は、犬を飼い始めたらいつからでも教えることができます。
成犬になってからでも十分に覚えることが可能ですが、おすすめなのは好奇心旺盛で新しいことを吸収しやすい子犬期(生後3〜6ヶ月頃)です。
しかし、「おすわり」や「まて」といった基本のしつけと比べると重要度は低いので、基本的なしつけを覚えさせてからにしてください。
お手をしてくれない原因と対処法
最後に、「お手」をしてくれない原因と対処法を解説します。
愛犬がなかなか「お手」をしてくれないのなら、これから紹介する対処法を実践してみてください。
コマンドが統一されていない
愛犬が「お手」をしてくれないのは、コマンドが統一されていないことが原因の可能性があります。
「お手」や「ハンド」など、コマンドが異なると愛犬は何の指示なのか理解できません。
「お手」を教える前には、家族間でコマンドを統一しましょう。
触れられることに慣れていない
前足を触られることに抵抗や不安を感じていて、「お手」をしてくれない可能性もあります。
無理に足を掴まず、まずは触れることに慣れさせる練習をしましょう。
場合によっては、足にケガなどのトラブルが生じている可能性もあります。
必要以上に過剰な反応をするようであれば、一度獣医さんに相談することをおすすめします。
反抗期
反抗期が原因で「お手」をしてくれないこともあるでしょう。
時期や回数には個体差がありますが、一般的に生後6ヶ月〜1歳頃に最初の反抗期が、その後も1歳半〜2歳頃、2歳〜3歳頃に再び訪れると言われています。
反抗期に入ると、できていた「お手」をしなくなったり、スキンシップを避けるようになったりすることがあります。
これまでと比べて態度が冷たいように感じたら、それは反抗期のサインかもしれません。
しかし、強く叱ったり無理強いしたりすると、かえって反発が強くなる可能性があります。
愛犬の気持ちを尊重し、反抗期が終わるのを待ちましょう。
愛犬にお手を覚えさせなくても問題ない

「お手」は愛犬とのコミュニケーションの一環であり、必須のしつけではありません。
「おすわり」や「まて」といった、安全に関わる基本的なしつけができていれば十分です。
もし愛犬が「お手」を嫌がったり、教えてもなかなか覚えてくれなかったりしても、日常生活で困ることがなければ教える必要はありません。
最も大切なのは、愛犬がストレスなく、楽しく日々を過ごせることです。
「お手」を教える過程を通じて、愛犬とのコミュニケーションを深めることに焦点を当ててみてください。




















