古くから日本の風土に根ざし、人間と寄り添い暮らしてきた「日本犬」。
海外からも高い人気を誇る日本犬ですが、どのような犬種がいるか知っていますか?
今回は、天然記念物に指定された6犬種と、それ以外の日本原産の4犬種の特徴を詳しく紹介します。
日本犬を飼うときのポイントもまとめましたので、ぜひ参考にしてくださいね。
日本の犬の代表格!天然記念物に指定された「日本犬6犬種」
日本犬(和犬)は、日本原産の在来犬種です。
約1万年以上前の縄文時代から、狩猟犬として人間と一緒に暮らしてきたといわれています。
日本犬保存会によって認定されているのは
- 秋田犬
- 甲斐犬
- 紀州犬
- 柴犬
- 四国犬
- 北海道犬
の6犬種のみで、国の天然記念物に指定されています。
ここでは、日本犬6犬種の身体的特徴や性格を紹介します。
柴犬
柴犬は日本犬で唯一の小型犬であり、日本犬の飼育頭数の約8割を占めています。
鳥や小動物の狩猟犬として活躍していたため、運動能力が高く、勇敢で賢い性格をしています。
頑固でマイペースな一面がありますが、家族に対する忠誠心が強く、穏やかで深い愛情を見せてくれるのが大きな魅力です。
| 柴犬 | |
| サイズ | 小型犬 |
| 体高 | オス:38~41cm メス:35~38cm |
| 体重 | オス:9〜11kg メス: 7〜9kg |
| 毛質 | 硬い/直毛/ダブルコート/短毛種 |
| 毛色 | レッド/胡麻/黒褐色 |
| 耳の形状 | 立ち耳 |
| 尾の形状 | 鎌状尾 |
紀州犬
紀州犬は、和歌山県や三重県の山岳地帯において、シカやイノシシ狩りの狩猟犬として活躍してきた歴史があります。
冷静沈着で落ち着きがあり、忍耐強い性格をしています。
威厳のある姿が魅力的で、飼い主に対しては非常に強い忠誠心と従順さを見せます。
一方で、他人や他の犬に対しては攻撃的な態度を見せることもあります。
| 紀州犬 | |
| サイズ | 中型犬 |
| 体高 | オス・メス:49〜55cm |
| 体重 | オス:15〜23kg メス:15〜20kg |
| 毛質 | 硬い/直毛/ダブルコート/短毛種 |
| 毛色 | ホワイト/胡麻/レッド |
| 耳の形状 | 立ち耳 |
| 尾の形状 | 巻き尾 |
四国犬
四国犬は、高知県や愛媛県の山岳地帯でイノシシ狩りの狩猟犬として活躍してきた犬種です。
闘争心が強く、「ヤマイヌ」と呼ばれた野犬が祖先であると推定されています。
狼のような野性味あふれる風貌と、筋肉質で引き締まった体格が特徴です。
勇敢で、状況判断能力に優れています。
飼い主に対しては忠実ですが、他人や他の犬には警戒心が強い一面もあります。
| 四国犬 | |
| サイズ | 中型犬 |
| 体高 | オス:49cm~55cm メス:46cm~52cm |
| 体重 | オス:17㎏~23㎏ メス:15㎏~18㎏ |
| 毛質 | 硬い/直毛/ダブルコート/短毛種 |
| 毛色 | 胡麻/赤胡麻/黒胡麻 |
| 耳の形状 | 立ち耳 |
| 尾の形状 | 巻き尾/差し尾 |
北海道犬
北海道犬は、北海道の先住民族であるアイヌ民族とともに厳しい環境を生き抜いてきた犬種です。
エゾジカやクマなどを相手に狩猟を行ってきた歴史があり、がっちりとした体格と高い忍耐力、持久力を兼ね備えています。
飼い主への献身的な忠誠心を持ち、指示に従うことに喜びを感じる一面があります。
他人や他の犬に対しては関心が薄く、警戒心や防衛本能が強いことから、むやみに近づかれることを好みません。
| 北海道犬 | |
| サイズ | 中型犬 |
| 体高 | オス・メス:49~52cm |
| 体重 | オス・メス:12~18kg |
| 毛質 | 硬い/直毛/ダブルコート/短毛種 |
| 毛色 | 胡麻/虎/レッド ブラック/黒褐色/ホワイト |
| 耳の形状 | 立ち耳 |
| 尾の形状 | 鎌状尾 |
甲斐犬
甲斐犬は、山梨県の山岳地帯において、カモシカやイノシシの狩猟犬として活躍してきた歴史があります。
「虎毛(とらげ)」と呼ばれる独特な模様の被毛と、引き締まった体格が特徴的です。
一生のうちでひとりの飼い主にしか心を開かないといわれるほど、深い忠誠心を持っています。
| 甲斐犬 | |
| サイズ | 中型犬 |
| 体高 | オス・メス:43~56cm |
| 体重 | オス・メス:12~18kg |
| 毛質 | 硬い/直毛/ダブルコート/短毛種 |
| 毛色 | 黒虎/赤虎/虎 |
| 耳の形状 | 立ち耳 |
| 尾の形状 | 巻き尾 |
秋田犬
忠犬ハチ公として知られる秋田犬は、奥羽山脈一帯で熊猟犬(マタギ犬)として活躍した犬種です。
日本犬唯一の大型犬で、がっちりとした体格と寒さに強い美しい被毛を特徴としています。
温厚で落ち着きがあり、飼い主に対して非常に愛情深い性格をしています。
家族を守ろうとする意識が強く、防衛本能から他人に対して攻撃的になることもあります。
| 秋田犬 | |
| サイズ | 大型犬 |
| 体高 | オス:64~70cm メス:58~64cm |
| 体重 | オス・メス:34~50kg |
| 毛質 | 硬い/直毛/ダブルコート/短毛種 |
| 毛色 | レッド/虎/ホワイト/胡麻 |
| 耳の形状 | 立ち耳 |
| 尾の形状 | 巻き尾 |
天然記念物以外にもいる!日本原産の4犬種

国の天然記念物に指定されている日本犬は6種類のみですが、日本で誕生した犬種は他にも存在します。
ここでは、日本原産の4犬種を紹介します。
狆(ちん)
狆は奈良時代に新羅から献上された犬がルーツといわれ、日本で古くから愛されてきた愛玩犬です。
穏やかで賢い性格をしており、優雅な佇まいが多くの人を魅了しています。
プライドが高く、繊細な一面も持ち合わせているため、乱暴な扱いは苦手な傾向があります。
飼う際には美しい被毛を保つためのブラッシングや室内の温度管理など、きめ細やかなケアが必要です。
| 狆(ちん) | |
| サイズ | 小型犬 |
| 体高 | オス・メス:20~30cm |
| 体重 | オス・メス:4~5kg |
| 毛質 | 柔らかい/直毛/シングルコート /まれにダブルコート/長毛種 |
| 毛色 | ホワイト地に黒斑または赤斑 |
| 耳の形状 | 垂れ耳 |
| 尾の形状 | 巻き尾 |
日本テリア
日本テリアは、18世紀頃にオランダから渡来したスムース・フォックス・テリアと、日本の小型犬との交配から生まれた犬種といわれています。
活発で明るく、甘えん坊な性格をしていますが、警戒心の強さから吠えてしまうこともあります。
| 日本テリア | |
| サイズ | 小型犬 |
| 体高 | オス・メス:30~33cm |
| 体重 | オス・メス:4~6kg |
| 毛質 | 硬い/光沢のある直毛 /ダブルコート/短毛種 |
| 毛色 | <頭部> ブラック/タン/ホワイト の3色(トライカラー) <体> ホワイト地にブラックのスポット /ブラックまたはタンのマーキング |
| 耳の形状 | 垂れ耳 |
| 尾の形状 | 短尾(断尾) |
日本スピッツ
日本スピッツは、1920年頃に日本へ渡ってきたジャーマン・スピッツがルーツとされている中型犬です。
日本で初めて純血種として認められています。
真っ白で美しい毛並みと尖った口元、愛らしい表情が特徴的で、昭和20〜30年代にかけて日本中で一大ブームを巻き起こしました。
性格は陽気で明るく、とても利口で一緒に暮らしやすい犬種です。
| 日本スピッツ | |
| サイズ | 中型犬 |
| 体高 | オス・メス:30~38cm |
| 体重 | オス・メス:7~11kg |
| 毛質 | 柔らかい(外側の毛)/硬い(内側の毛) /直毛/ダブルコート/長毛種 |
| 毛色 | 純白 |
| 耳の形状 | 立ち耳 |
| 尾の形状 | 巻き尾 |
土佐犬
土佐犬は、四国犬と洋犬種を掛け合わせた日本原産の犬種です。
基本的には温和な性格で、飼い主に対してはとても従順で高い忠誠心を見せてくれます。
しかし、もともと闘犬として活躍してきた歴史があるため、体が大きく力強いうえに、闘争心も非常に強い一面があります。
知らない人や犬に対しては警戒心を抱きやすく、攻撃的になって怪我をさせてしまうリスクも少なくありません。
家族として迎えるには、難易度が高い犬種といえるでしょう。
| 土佐犬 | |
| サイズ | 大型犬 |
| 体高 | オス・メス:55~61cm |
| 体重 | オス・メス:90~91kg |
| 毛質 | 硬い/直毛/ダブルコート/短毛種 |
| 毛色 | レッド/フォーン/アプリコット /ブラック/ブリンドル |
| 耳の形状 | 垂れ耳 |
| 尾の形状 | 垂れ尾 |
日本の犬(日本犬)の特徴4選
それぞれの犬種に個性はありますが、日本犬ならではの特徴があります。
ここでは、日本の犬に共通する特徴を4つ紹介します。
身体能力が高い
日本犬はもともと狩猟犬として自然の中を駆け回っていたため、身体能力が高いです。
健康的で丈夫な体つきをしており、持久力や瞬発力に長けています。
アクティブに行動するため、登山やキャンプといったアクティブな趣味を一緒に楽しむことができるでしょう。
体格ががっしりしている
犬種によって体格やサイズは異なりますが、日本犬は基本的に筋肉質で、バランスの取れた体格をしています。
日本犬の中では唯一の大型犬である秋田犬が最もがっしりしており、頑強な体つきをしています。
飼い主に忠実
日本犬は人間とともに狩猟をしてきた歴史があるため、飼い主に対して忠実な性格をしています。
そのため、家族の中のリーダーと決めた相手には、深い忠誠心を抱く傾向があります。
しかし、そうでない人に対しては少し頑固な一面を見せることもあるでしょう。
警戒心が強い
日本犬はもともと警戒心や縄張り意識が強い犬種です。
知らない人や犬に対してフレンドリーに接することは少なく、攻撃的になって吠えてしまうことがあります。
ドッグランや散歩中のトラブルを防ぐためにも、周りへの配慮と日頃からのしっかりとしたしつけが大切です。
ただし、不審な物音に敏感に反応してくれるため、番犬としては心強いでしょう。
日本の犬を飼うときのポイント

日本の犬を飼う際には、いくつか注意しておきたいポイントがあります。
ここでは、日本犬と一緒に暮らすうえで知っておきたい3つのポイントを紹介します。
温度管理と飼育スペースの確保を徹底する
日本犬は、日本の気候に順応しやすいです。
しかし、秋田犬や北海道犬のように、暑さが苦手な犬種は温度管理が欠かせません。
また、活動的な性格をしているので、狭いケージに長時間閉じ込めたままにすると、ストレスがたまってしまうことがあります。
屋外にケージを作るのではなく、室内で家族と同じ空間で過ごすのがいいでしょう。
犬はもともと群れで暮らす性質を持っているため、安心感を得られるはずです。
毎日しっかりと運動させる
猟犬として活躍していた日本犬は、高い身体能力と運動欲求を持っています。
運動不足になるとストレスから問題行動を起こす場合があるため、毎日しっかりと運動させるようにしてください。
散歩は1日2回、各30分〜1時間程度(秋田犬は1時間以上)が理想です。
信頼関係を深めるために、フリスビーやボール投げなどで一緒に遊ぶのもいいでしょう。
子犬の頃からきちんとしつける
日本犬は警戒心が強いため、他人や他の犬に敏感に反応する傾向があります。
トラブルに発展する恐れがあるので、子犬の頃からきちんとしつけを行うことが大切です。
早いうちから社会化トレーニングを取り入れ、家族以外の人間や犬、いろいろな場所に慣れさせておきましょう。
日本犬は学習能力が高いので、子犬の頃からしつければ最高のパートナーになるはずです。
日本の犬は古来からの良きパートナー
日本犬や日本原産の犬たちは、日本人にとって古来からの良きパートナーとして存在してきました。
飼い主への忠誠心の高さや愛情深さが魅力ですが、警戒心が強く頑固な一面も持ち合わせています。
子犬の時期からきちんとしつけを行えば、飼いにくさは解消されるはずです。
日本の犬を家族として迎えようか検討している方は、ぜひ今回紹介した情報を参考にしてみてください。




















