みなさんの愛犬はお手ができますか?お手は飼い主さんと愛犬のコミュニケーションの一つです。お手ができると飼い主さんとのアイコンタクトや、体を触らせてくれるようになるきっかけにもなります。今回は犬のお手についてご紹介します。
まずはじめに覚えさせたい基本のしつけが「お手」
犬を飼い始めたとき、最初に犬ができるようになる技がお手ではないでしょうか?犬にとってお手は覚えやすい芸の一つで、簡単に教えることができます。お手は一度覚えると忘れにくく、失敗が少ないのが特徴です。お手を覚えることで次のしつけのステップアップにもつながります。
最初に覚えさせるのにオススメな理由
お散歩から帰ったときに足を拭くことが苦手なわんちゃんにおすすめなのがお手です。足先や肉球を飼い主さんが触るので、足を触られたくない犬の警戒を解く練習ができます。さらにお手を教えるときに犬を待たせる時間ができるので、これが「マテ」と「おすわり」にもつながります。
わんちゃんとの生活の様々な場面で必要なんです
肉球を触られるのを嫌がる犬は多いです。ここを触らせてくれるのは信頼しているからともいえます。普段の生活で犬の足を触れるようになることは、足ふき、爪切り、足の毛のカット、足の状態確認も簡単に行うことができます。
飼い主とわんちゃんという関係性の構築に非常に重要です
服従を示すときに犬は前足を出す習性があるとされていますが、現代の犬達はご褒美をもらえる!ということを学習して反射的にお手をしている場合もあります。また甘えや、わがままからくる要求を表現する際に前足を出す犬もいます。
きちんと愛犬と向き合いお手を行うことで、飼い主と愛犬とのコミュニケーションが取れるので、お手は犬とよい関係を構築する方法の一つとしておすすめです。
早速覚えさせよう!犬へのお手の教え方
お手を愛犬に教えるのは簡単です。愛犬が興奮し過ぎているとき、気持ちが沈んでいないときにお手にチャレンジしてみましょう。
手順
1、犬と正面で向き合い、右の前足を持ち上げながら「お手」と優しい声のトーンで指示を出します。このとき飼い主さんも一緒に座るかしゃがんだ方が、犬が上からの圧力を感じないので覚えやすいです。
2、そのまま前足を上げた状態を5秒ほどキープします。5秒ほど経過したら持ち上げた前足を下ろして、たくさん褒めてあげるかご褒美をあげましょう。お手のポイントはこの褒めるタイミングです。
3、これを数回繰り返し、今度は飼い主さんが前足を持ち上げず、「お手」と指示を出したときに犬が自分で前足を出したら大成功です。このとき瞬時に褒めるかご褒美をあげましょう。
お手を覚えさせる意味とは?
お手は芸の一つです。お手自体は覚えさせる意味はなく、重要ではありません。お手を覚えるプロセスで、飼い主さんと愛犬の絆が深まるきっかけになります。お手ができたときに褒められることを犬が理解することで、しつけの基本である楽しい!もっとやりたい!褒められたい!という意欲が沸き、次のステップにつながっていくのです。
右前足・左前足の区別は必要?
お手は左右どっちの足でもよく、お手ができるようになったら、右手で「お手」左手で「おかわり」をと発展させることが可能です。最初にどちらかの足を「お手」と統一することによって、犬が混乱することなくスムーズに覚えます。
指示する際の言葉は統一しましょう!
犬が混乱してできなくなる場合や、どっちでもよいのだろうと犬が判断する場合もありますので、指示する言葉は「お手」「握手」などで統一するようにしましょう。
お手をしつけるときに気をつけたい注意点
お手に限らず、愛犬とトレーニングを行うときは、まず飼い主がリラックスしている状態で行うことが大切です。犬は繊細な動物なので、飼い主の緊張感を感じ取りトレーニングを嫌がる場合もあります。
「厳しく」ではなく「楽しみながら」しつけましょう
楽しくトレーニングすることで、どんどん人と犬との距離が近づきます。しつけは、犬が学習した技をきちんと成功できるかできないかよりも、人と犬のコミュニケーションの方が大切です。お手ができなくても怒って覚えさせるのではなく、楽しくトレーニングを行いましょう。
上手に褒めながら覚えさせましょう
愛犬がお手をできたとき、上手に褒めて学習させることが大切です。ポイントはタイミングと犬のテンションの取り方です。お手ができたタイミングで褒めることで、「お手=右前足を飼い主さんの手の上にのせる」を学習させることができます。褒めすぎて犬を大興奮させても後で雑なお手になる傾向があるので、上手にバランスをとって褒めながら覚えさせることが大切です。
お手ができたらご褒美は必要?
お手のご褒美は、本来は言葉で褒めて体をなでるだけで十分で、必ずしもおやつを使う必要はありません。ご褒美としておやつを使うと学習するのが早いことと、成功率が上がるのも事実です。おやつを使うか使わないかは、飼い主さんの判断次第になります。
お手の指示を出していないのにしてきたら?
わんちゃんの「お手」をするときの気持ち
お手の指示を出していないのに前足を出してくる犬は、遊んで欲しい、もっと撫でて欲しい、構って欲しいと飼い主さんに何かをおねだりしているサインの可能性があります。
コミュニケーションを欲しているサインかも
もし飼い主さんの手や体に前足をのせてきたときは、愛犬が飼い主さんとコミュニケーションをとりたいサインかもしれません。このときにお手の練習やおすわり、マテ、フセと学習してできるようになった技を再確認することや、遊んであげることも効果的です。
たくさんの愛情を注いであげましょう
犬は本来群れで行動する動物です。家族の一員としてたくさんの愛情を注いであげることで犬の満足感が満たされます。お手をきっかけに、たくさんの愛情を注いであげましょう。
なかなかお手をしてくれない・覚えないときは
急がず、焦らず、ゆっくりと。
お手をしてくれないときは慌てる必要はありません。飼い主さんの余裕があり、犬が落ち着いているときに改めてやってみましょう。急いでいる様子を犬が感じ取るのでゆっくりと気持ちを整えることが大切です。
飼い主のストレスはわんちゃんにも伝わります。
愛犬のお手ができなくてもイライラしないことが重要です。飼い主のストレスを察した犬が萎縮して、いうことを聞かなることや、転移行動と呼ばれる体を掻く仕草で緊張をほぐそうとすることもあります。飼い主さんがイライラしてしまった場合は、練習を中止した方が次につながります。
できなくても怒ってはだめ!
何度いってもどうしてできないの!あっ!ノー!ダメ!と怒っていませんか?できないときは怒ることはせず、おもちゃで遊んであげて気分を紛らすなど、集中を他に切り替えることも必要です。まだ今は成功することができない芸よりも、既に学習した「おすわり」、「おいで」などといったハードルを下げた芸で自信をつけてあげることも大切です。
こんなに可愛い!いろいろなわんちゃん達の「お手」画像・動画
お手にも種類はたくさん、可愛いわんちゃん動画をご紹介します。
まとめ
「お手」と指示を出され実行したことで褒められると、犬の心も満たされます。怖い声を出さず、優しく楽しい声でお手をできるようにしましょう。犬のしつけは楽しく行うことが大前提、お互いが楽しむことでコミュニケーションをとることができます。お手は犬の飼い主への意識を高め、愛犬の絆をより深いものにするきっかけとなる指示の一つです。簡単にできる芸なので是非チャレンジしてみてください。